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9話


部屋に戻って待っていたエスドに報告する

エスドはゴウワはクーロが努力している姿を見ているのを知っていたため

断ることはないだろうと確信していた

その通りの反応に よかったですねと返せば 嬉しそうにああと返事をするクーロ


「明日の分の仕事の一部を今日したい、と?」


そしてクーロの言葉にはぁっとため息をつく


「その目の下の隈 見苦しいですわよ?今日の執務は終了です

とっととお風呂に入って寝てくださいませ」


「いや、そうはいっても 明日の仕事は早めに終わらせたいし ちょっとだけでも ダメか?」


にっこりとエスドはわらう その笑みにクーロはビクッとなる

それは書類をミスした時と同じ笑顔で それに反論すれば怒涛の言葉責めが始まることを思い出して慌てて今日の仕事は終わり!!と叫ぶ


するとエスドはええ、そしましょう と笑顔を貼り付けたまま 手に持っていた本を書棚に戻す


「ああ、早起きして なんて思わないでくださいね?わたくし 慌ただしく朝がはじまるの嫌いですの」


「りょうかいした!!しっかり寝る!!」


「ええ、そのように お願いいたしますわ」


早起きしてと考えていたクーロは先に釘を刺されてしまったので内心泣きながら

書類などを引き出しに収めて 後片付けを済ませ 自室に戻ることにする


それをしっかり見送ってエスドははぁっとため息を吐く


エスドも代々の魔王に仕えて来た重鎮の一人だ

代々の魔王の中で一番若いであろうクーロの行動力や努力は

就任直後から見ているだけ 目を見張るものがある

自分たちでは考えつかなかった温泉を売りにするという柔軟な発想も見事だと感心する


ただ、若いだけあって まだ自分の限界を理解していないということに心配になる

あれは走り続けて途中で倒れるタイプだろうと考えると

しっかりと体調管理をしてやらねばと考えを改める


先代の魔王が飽きたからやめるという勝手な理由で無理やり就任させられた魔王である

クーロに同情しないでもないが しかし、魔王となったのである

魔族領の未来のため 頑張ってもらわねばと エスドは飴と鞭を使い分けながら

クーロを支えていこうと 改めて決心して

それはそれとして 今日のお風呂の入浴剤は何にしようかしらと自分も仕事を切り上げて

自室に戻っていった



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