1話
魔王歴4989年 第79代目魔王 クーロ・ウ・ニーン は頭を抱えていた
現在魔王城周辺、もとい魔族の国では深刻な過疎化が進んでいるためだ
魔族と人間族、多種多様の種族の間では和平協定が結ばれすでに2000年程経っている
人間族は目新しいものを作ったり流行らせたりするのがうまく
また、魔族の大半は長寿ということもあり目新しいものに目がない
そのため、人間の住まう土地へ旅行行くものが多く
また、そのまま人間族や獣人、エルフ族などと所帯を持ち定住してしてしまうものだから
日々、魔族の土地の過疎化が進む一方なのだ
そんな折に先代魔王の引退にともない79代目魔王となったのが一週間前
先代は過疎化などの問題に興味がなく、また引退理由も飽きたからという
さすが魔族という理由のためである
長子世襲制である魔王なのだが 兄である長子は10年ほど前にエルフ族と結婚をして早々に次期魔王資格を放棄しやがったので 悲しいかな二番目のクーロが魔王になったのである
下の兄弟姉妹それなりに結婚したり 独立したりで断られたため泣く泣く魔王と相成ったしだいである。
そして一週間で知ったこの現状、魔王となる前からいろいろと調べてはいたのだが先代魔王である父親が詳しく引き継ぎをしてくれなかったため頭を抱えるに至ったのである
過疎化、税収の低下、過疎化に伴う出生率の低下、生産性の低下、、、、などなど
当代の魔王として何ができるのか天井を仰ぎ見て長いため息を吐くクーロであった