最初の異世界人がオネエさま!?
主人公が異世界召喚されるというテンプレ展開!
魔王を倒さなければならない冒険者なのにジョブが魔王さま!?
ありふれた日常をコミカルに生きる作品です。
コメディな作品なので楽しめると思います。
「ジョブに魔王なんてあんの?」
「わかりません、私も初めて見る職業です。ちなみに私は聖騎士でした、お兄様!」
そんな話をさっき知り合ったばかりの妹とした。
※
俺はプールにいた、いたと思う、いたかもしれない……
なぜこんなに過去の記憶があいまいになっているのかというと今の状況に頭がパニックになっているからだ。そう今の俺の前には女神としか思えないような異次元級の美少女が立っている。
「新城迅さん、最初に謝らせてください。貴方が天国に逝く道を私はうばってしまいました」
「天国?なんのこっちゃ、だってさっきまでプールに……」
「貴方はプールの排水溝に吸い込まれて不幸にも亡くなりました。そこで天国への召喚中にお兄様に似ている方がいるなーと思いこちらに呼んでしまいました」
「えっなにそれ、人違いだったってことでしょ?」もちろん俺には妹なんか(欲しかったが)いないので一応確認のために聞いてみた。
「私はお兄様の正真正銘の妹です」
小ぶりな胸を大きく張って答え、そのまま続けた。
「お兄様は言霊って知っていますか?お兄様の「妹が欲しい」という願いが神様に認めてもらえて私はお兄様の世界には行けずともこの神界に存在させてもらっていたのです」
まぁすべてを信じることはできないが、俺をプールの排水溝なんかに吸い込ませて殺すことができるような神様だったら、と思い一応納得した。
でも俺は今までの地球で生活から今の話に至るまでを少し整理したかった。
……小学校時代は剣道に打ち込むしっかりした少年だったが、中学校入学と共に二次元に出会ってしまい段々と学校を休む日が増えていった。そのころには剣道もやめており、高校に入ってからなど数えるほどしか登校していない。そんな俺もたまには三次元の女性も見てみたくなり、目の保養のためにプールに来ていたのだった。それから異世界召喚があり妹と一緒に話している。
頭の整理がついたところで今一番大事な質問をした。
「さっき天国に行けなくなったって言ってたけど俺はこれからどうすればいいの?」
妹は少し考えてから口を開いた
「地獄か異世界しかありません、本当にすみません。火の中水の中どこでもついていきますから」
火の中水の中とか地獄の話をした後だとすごく現実味があって怖いなーと感じながら宣言した。
「だったら異世界に召喚されようぜ!」
「はい、お兄様!」
俺らは清く神々しい光に包まれた。
この時俺は気づいていなっかった異世界で起こるハプニングの起爆剤を持っていることに……
第一章 最初の異世界人はオネエさま!?
「異世界に来たーーー。なにー魔法を使っちゃったりして、シンプルに騎士とかもカッコいいなー」と俺は興奮している。
あられもない格好で……
「お兄様落ち着いて下さい、いまお兄様は海パン一枚です。そんなはしたない格好を私以外の人に見せないで下さい」
そうだ俺はプールの中から異世界に召喚されたのでお金どころかろくな服さえも持っていなかったのである。
そして、なんて出来た妹なんだ!感謝、感激、神様ありがとう。なんか最後の方に変な言葉が聞こえたが聞き間違いであろう、スルーしよう。
広場の真ん中で海パン一枚で発狂してしまい、このままでは異世界で変態認定されてしまうかもしれないので(もう手遅れかもしれないが)、急いで服屋に向かった。
チリンチリーン
店内のデザインは日本とあまり変わらなく、服もシンプルなデザインのものがたくさん売っていた。それよりも一番目を引いたのはレジのお姉さんである。
なぜならレジ担当なのにエプロン姿であることに加えてエルフのような容貌をしていたからである。
しっかりとここでも言葉が通じるのか確かめるためのテストも兼ねてお姉さんに話しかけてみた。
「こんにちは、どうもジンです。」
「こんにちは、ジンさん」
聞こえたのはすごく低くおっさんのような声で誰が答えたのかとあたりを見まわした。
でも俺の方をむいているのはあのエルフのお姉さんだけ。
ということは……
まさかレジのエルフはお姉さんじゃなくてオネエさん?
俺の本能が警鐘を鳴らしている。
ヤバいそっちの人だ!
まさかのまさかでエプロンの下はと気になり聞いてしまった。
「エプロンの下って安心できますか?」
「安心してください!はいてますよ!」
安全な答えが返ってきてほっとした自分と早くこの場から立ち去りたい自分がいるのに気がついた……
コメディな作品なので楽しめると思います。
少しずつの投降ですが飽きずに読んでもらえたらうれしいです。どうか結末までお付き合いいただければ最愛です。また少しずつ投降の量も増やしていきたいと思っています。
またすぐに投稿します!