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三十七話 石のゴーレム戦

 石のゴーレムとの戦いは、まず俺から動くことから始まった。

 そうは言っても、無闇に駆け寄る訳にはいかない。

 このゴーレムとは腕や足の長さが違うんだ、下手に近づけばこちらが一方的にやられてしまう。

 前世でチビだったお蔭で、このことが身に染みて知っている。

 なので、俺は鉈を手にじりじりと近づいて、相手が攻撃してこようとする範囲を探っていく。

 しかし、石のゴーレムはお構いなしに、長い足を大きく踏み出して近寄ってきた。さらに右腕で殴ろうともしてくる。

 予想以上に一気に近づかれたので、慌てて後ろに下がった。

 手を伸ばせば触れられる距離で、ゴーレムの石の拳が地面に突き刺さる。

 軽く振動する地面と、巻き起こった風に、背筋が寒くなった。

 前世のドラマなんかで、鉄骨が目の前に落ちてくるシーンがあったけど、それに似た気持ちをこの異世界で味わう羽目になるとは思わなかった。

 しかし、ここで予想外の情報を得ることができた。

 土のゴーレムとは違って、石のゴーレムは殴りつけた腕を持ち上げるのに、少し多めに時間がかかっているようなのだ。


「だったらッ!」


 萎えかける足を叱咤して、俺は前へ走る。

 持ち上げられていく腕の横を通り過ぎ、そのまま石のゴーレムの足元まで接近する。

 そしてそのまま、俺の身長ほどもある足に、抱きつくようにして取り付く。

 体の大きい人はあまり距離を詰められると、大した攻撃が出来なくなることが多いと経験していたからだ。

 前世だったら、このまま相手を倒しての取っ組み合いに移っていた。

 だけど、石のゴーレムみたいな重すぎる相手には無理なので、別の方法を試すことにした。

 魔塊の大きさを回復させようと、魔産工場を動かし続けているので、魔貯庫に入りきらなかった魔力は外に放出され続けている。

 なら、この余剰魔力を利用して鍛冶魔法を使い、このゴーレムの素材である石を柔らかくしてみようと試みる。


「――魔力が入っていかない?!」


 普通なら魔力があっという間に石に浸透するのに、石のゴーレムの体には多少も染み入らない。

 鍛冶魔法で弱体化という目論見が外れたことに同様していると、俺が取り付いているゴーレムの足が持ち上がった。

 やばいと手を放したけど、少し遅かった。

 石のゴーレムは、引っ付いたゴミをとるかのように、足を振り払ったのだ。

 俺は少し目の前が暗くなったかと思うと、次に気がついたときには地面を転がっていた。

 慌てて立ち上がり、自分の体を確認する。

 地面を転がった影響で素肌が少し傷ついている。

 けど、それだけだ。大丈夫。

 続いて右手を確認すると、ちゃんと鉈を握っている。

 少し意識を失っていたときにも、手放してはいなかったみたいだ。

 ほっとするのも束の間に、こっちに歩み寄る石のゴーレムの足音が聞こえてきた。

 顔を向け、その巨体に恐怖しかける心を押さえ込む。

 そしてより強く覚悟を決めるために、自分のやるべきことを口に出して確かめていく。


「鍛冶魔法はダメだった。なら、つぎは攻撃用の魔法を使うぞ。大丈夫だ、魔塊は段々と回復してきている。何度も撃ってみて、確かめられる」


 口に出した言葉を耳で聞くと、段々と心が落ち着いてきた。

 しかし緊張は解かずに、攻撃がきたら避けることを心がける。

 石のゴーレムは再び片腕を上げて、今度は前腕全体で押しつぶそうとするように、腕を叩きつけてくる。


「……今だ!」


 攻撃が繰り出された瞬間を狙って、俺は横へ大きく跳んだ。

 地面に腕が落ちる音を横に聞きながら、手を石のゴーレムへと向けつつ、魔塊を解して魔力を抽出する。

 土の属性に相性のいいはずの風の魔法を選び、風を圧縮して叩きつけるイメージをする。


「――食らえ!」


 手から放たれた風の戦闘用魔法は、俺のイメージどおりに風の球となって飛び、ゴーレムの胸元に直撃した。

 腕を叩きつけた前かがみの体勢から、石のゴーレムは一気に仰け反る。

 体が石で出来ていて柔軟性に乏しいためだろう、この急激な動きでゴーレムの腰元から石が割れるような音がした。

 風の魔法が効果があったことが嬉しかったけど、あまり浸ってもいられない。

 なにせ、俺を捕まえようと、叩きつけたのとは反対側の手を伸ばしてきたからだ。

 あんな大きな手に捕まったら、絶対に抜け出せない!

 慌てて退避して手から逃れることが出来たけど、その後も執拗に掴もうとしてくる。

 必死に回避し続けていると、石のゴーレムは両手を使って、俺を追い込もうとしてきた。

 片手相手でも精一杯だったから、段々と追い込まれていく。

 そして、とうとう追い詰められてしまった。俺の行動範囲が片手で塞ぎ、もう片方で俺を掴もうとしてきたのだ。

 

「捕まってたまるか――もう一発!」


 魔塊から魔力を出して、先ほどと同じ風の魔法を掴もうとする掌に食らわせる。

 人が熱い物を触ったときのように、魔法に撃たれたゴーレムの片手は高々と上がった。

 そしてゴーレムは、俺を捕まえようと中腰で前かがみになっている。

 そのため、鉈が十分に届く距離に、戦闘開始直後に矢で傷つけた胴体があった。

 すかさず俺は、魔塊の魔力を使って鉈に風の魔法を纏わせる。

 そして胴体のその部分へ、気合と共に鉈を叩きこんだ。


「てえやあああああああああ!」


 ヒビの入った場所に鉈の切っ先が入ると、一気に鉈に纏わせた風が開放され、周囲に撒き散らされた。

 俺は鉈から出てくる暴風に、吹っ飛ばされないように踏ん張る。

 そうしながら、鉈をより押し込んで、より深手を負わそうとした。

 この選択が良かったのか、石のゴーレムの皹が深まり、そして広がっていく。

 このまま倒せるかも。

 そう淡い期待をしたものの、そこまで上手くはいかなかった。

 鉈から出ていた風が、急に止んでしまったのだ。

 魔法の効果が切れたと理解して、魔法を追加使用しようとする。

 けど、石のゴーレムが動き出す方が早い。体を起こされて、鉈の範囲外に皹が行ってしまう。

 さらには反撃に、足で俺を蹴ろうとしてくる。


「くぅ――!」


 俺は慌てて、石のゴーレムの地面についている方の足元へ走る。

 その足が邪魔になり、石のゴーレムの蹴りは外れた。

 しかし俺はそのまま走り続け、相手の攻撃範囲から逃れてから、再び向き直る。

 姿を観察すると石のゴーレムは、人間で言うところのミゾオチから左腰の上にかけて、真っ直ぐな皹が入っていた。

 横から見たわけじゃないから、深さまでは分からないけど、結構な痛手を与えられていたみたいだ。


「けどゴーレムって、核を傷つけないと倒せないんだよね」


 普通の人間だったら、あれだけの傷を与えたら動けないものだ。

 けど土のゴーレムだって、半分ぐらい吹き飛ばしたときにも、土の核が無事だと動こうとしてきた。

 なら石のゴーレムも、同じぐらいにタフだと考えられる。

 実際に、石のゴーレムはこっちに近寄ってくる。動く度に、皹が少しずつ大きくなっていくように見えるのにも、かかわらず!


「でも、歩くだけ皹が大きくなるなら……もう一度、風の魔法を食らえ!」


 風の攻撃魔法を手から発射して、石のゴーレムに当てる。

 三回目ともなると、知能が低くても学習はするようで、石のゴーレムは体を弾かれないように踏ん張って堪えてみせた。

 だけど胴体の皹は、右胸あたりから左足の付け根まで大きくなる。


「もう一発!」


 再び風の魔法を発射する。

 しかしこれ以上皹を広げられるとまずいと思ったのか、ゴーレムは風の球を腕で防ぐ。

 でも腕が弾かれて急激に上がった反動で、胴体の皹はさらに大きくなる。

 このことがゴーレムの戦闘意欲に火をつけてしまったようで、急にこちらへ走ってきた。

 そしてそのまま、大雑把に腕を振ってきた。


「うわッ!?」


 俺は急激な戦い方の変化に驚いて、思わず避けてしまう。

 すると、石のゴーレムはさらに激しく腕を振り回して殴ろうと、足を振り上げて蹴ろうとしてきた。

 皹が更に大きくなるが、気にする様子もない。


「皹で体が割れちゃう前に、俺を倒そうって、こと!?」


 石柱みたいな腕や足を振られ続けると、俺は魔法は撃てない。

 仮に撃っても、相打ち狙いで攻撃されかねないからだ。

 魔法を撃てるようにするため、必死に距離を空けようとするけど、石のゴーレムの方が足が長いから空けきれない。


「ああもう、こうなったら!」


 石のゴーレムは、無茶苦茶に攻撃してきて動きが荒いから、俺でも頑張れば避けられそうだ。

 それと左腰近くまで行けば、広がった皹に鉈を差し込むことができると思う。

 なら一か八か突っ込んで、風の魔法を纏わせた鉈をもう一度皹に突っ込むっきゃない!

 回避は続けながら、大縄跳びをするときの要領で、石のゴーレムの攻撃するタイミングを計っていく。


「せーの、せーの……だああああああああ!」


 そして大声を上げて恐怖心を追い払いながら、皹を目掛けて一気に突っ走った。

 俺の動きが急に変わったからか、石のゴーレムの攻撃は見当違いな方に向かう。

 耳に聞こえる重そうな風切り音と、腕か足が当たった地面が発する大きな音が、意外と近くて足がすくみかけた。

 けど「ここで止まったら死ぬぞ!」って言い聞かせながら、目は石のゴーレムの皹だけを見続け、脚を動かしていく。

 そしてようやく皹までたどり着き、俺は鉈が奥に止まるまで差し込んだ。

 多分走った距離は十メートルもなかったはず。なのに、百メートルを走りきったときよりも、凄く疲れた感じがするや。


「って、安心しているじゃない!」


 自分に活を入れなおして、俺は鉈に風の魔法を急いで纏わせた。

 すぐに石のゴーレムの皹にある隙間から、凄い勢いで突風が吹き抜けてきた。

 深く差し込まれているからか、それとも剣や鉈に場合は刺してから魔法を纏わせることがこの魔法の秘訣だったのか。

 どちらかは分からないけど、石のゴーレムへの皹の入り方が違った。

 さっきは元の皹が単純に広がっただけだけど、今度は刺した場所から蜘蛛の巣状に新たな皹が生まれている。

 その皹が左腰全体に広がり、左胸まで達したそのとき、急に石のゴーレムの左側が崩壊した。

 そして俺の鉈からの風で破裂してしまったかのように、小さな石がこっちに飛んでくるのが目に入った。


「うわああああッ!?」


 直感にしたがって、慌てて鉈を引き抜き、体の前に掲げ持つ。

 鉈から出る突風が、飛んできた小石を弾き飛ばす。

 けど鉈を掲げる前に、何発かがすでに体に当たってしまっていた。

 テッドリィさんの傷の手当てに上着を貸していたことが災いして、小石による擦過傷や打ち身が体に表れる。

 そして更に悪いことに、石のゴーレムは左腰上から左肩と左腕までを失いながら、活動を停止していなかった。

 そう気がついた時には、巨大な右腕が俺のすぐ近くにまで迫っていた。

 俺は咄嗟の判断で、出来る限りの魔力を使って体全体を水の魔法で厚く覆い、両腕で体をかばって少しでもダメージを減らそうとする。


「くっ――うあああああああああー!」


 石のゴーレムの腕に殴られて俺の体がくの字に曲がり、さらにはテッドリィさんが隠れる巨木の幹へと吹っ飛ばされてしまう。

 俺が背中から幹に当たったとき巨木が少し揺れ、葉と枝がいくつか地面に落ちてくる。

 そんな死んでしまっても可笑しくはない攻撃だったのに、俺には大人に強く殴られたぐらいにしか痛みを感じなかった。

 地面に落ちてきたまま横たわり、そのことを不思議に思う。

 腕に纏った水の表面から、薄い氷がぱらぱらと地面に落ちるのが目に入った。

 まさかと思って背中に手を回してみると、同じように薄い氷が剥がれ、外気で解けていく姿が見えた。


「……ははっ。魔力をかなり大食いするからには、それだけの理由があったってことか」


 どうやら体に水を纏う魔法は、力のアシストだけでなく、氷化することで衝撃を大幅に吸収する機能もあったらしい。

 俺はそんな想像はせずに魔法を使っていたので、理由はよく分からないけど。

 いやまてよ、前世の学校で空気や水を圧縮し続けるとどうなるか、っていう化学の先生の雑談があったような。

 たしか、空気は圧縮すると気温が上がり、水は圧縮すると氷ができる、だったっけ?

 それが頭のどこかにあって、水が押し込まれると氷になる、って無意識で思っていたとか?

 ……って考えていたから、この魔法を止めるのを忘れていた!

 ああ、魔塊が赤ん坊のとき以来の、拳ぐらいの大きさまで小さくなっちゃったよ。

 うつ伏せのまま、がっくりと肩を落とすと、テッドリィさんが木の洞から出てきて寄ってきてしまった。


「おい、バルト! バルト、しっかりしろ! 生きているか!」

「だ、大丈夫ですよ、テッドリィさん。ちょっと腕と背中が痛いだけで」


 テッドリィさんの慌てっぷりが酷いので、俺は立ち上がって無事だと示した。

 それで安心してくれたようなので、顔を石のゴーレムへと向ける。

 すると何故だか、横たわっていた俺と洞から出てきたテッドリィさんに、近づいてこないようだった。

 その上、ボクサーが体を縮めて攻撃から身を守っているみたいな体勢を、右の片腕でやっている。

 そして俺たちから遠ざかろうとするように、後ろへと徐々に後退していく。

 理由が分からず不思議に思って観察すると、太い腕の向こうに見える半分崩壊した左胸に、人の顔ぐらいある不自然なまでに丸い石が覗いていた。


「あれって石のゴーレムの核だよね……弱点が丸出しだから、攻撃されないように守っていたのか」


 けど、これは俺にとってはチャンスだった。

 あの核さえ少しでも傷つければ、石のゴーレムは崩壊するはず。

 傷つけるだけなら、魔法を使わなくたって、矢や鉈で出来る。

 後一歩で倒せるんだ、ここで逃すこともない。

 そう思いながら鉈を構えようとして、手にないことに気がついた。

 周囲を見回しても、どこにも見当たらない。

 きっとこの大木まで吹っ飛ばされたときに、どこかに飛んでいっていってしまったんだろう。


「おい。武器がないなら、あたしのこの剣を使え」


 そう言って差し出してくれたけど、そうもいかないみたいだった。


「……なにか、多分魔物がこっちに近づいてくる音がするから、剣はテッドリィさんが持っていて。俺は弓矢を持っていくから。核を傷つければいいだけだから、矢の鏃さえあれば十分だから」


 大木の下に投げておいた弓と矢筒を拾い、矢を一本抜いて握った。

 そして前かがみになって、石のゴーレムに走り出そうとする。

 ちょうどそのとき、テッドリィさんに声をかけられた。


「バルト、やっちまえ」


 笑いながらの言葉に、俺も笑顔を返す。


「うん、やってくるね」


 そう言葉を残して俺は走った。

 後ろ向きに逃げる石のゴーレムは、更に速度を上げて森の奥へと逃げようとする。

 しかし俺は走りながら矢を弓に番えて、核に目掛けて放った。

 石のゴーレムは足を止めて、矢を右腕で打ち払う。

 そして逃げるのを諦めたように、こちらに走り出す。

 俺はもう一本矢を抜くと、今度は鏃のすぐ近くの軸を握った。

 石のゴーレムと俺とが接近する。

 先に石のゴーレムが右手で殴りかかってきた。

 俺は残り少ない魔塊を解いて、左足に水の魔法を纏わせ、右横に跳ぶ。

 狙いを失った石の拳が地面に当たる音を聞きながら、今度は右足に水の魔法を纏わせて、石のゴーレムへと跳んだ。


「てぃりやああああああああああ!」


 体当たりするように跳びかかると、石の核へと手の矢を突き出す。

 鏃が核の表面を削り、薄っすらと見える程度の傷をつけた。

 これで倒れるはずと、俺は後ろに跳んで、石のゴーレムの様子を確認する。

 動きは止まっているが、土のゴーレムのときのように、少し待っても体が崩れてこない。

 薄っすら程度の傷では駄目なのかと思い、弓矢を番えて無防備な核をもう一度狙う。

 しかし俺が矢を放つ前に、石のゴーレムは指の端から崩れ始め、やがて全体が倒壊した。

 ほっと気を抜いて弓から矢を外そうとして、テッドリィさんがいた方から戦う音が聞こえた。

 はっとして弓矢を番え直し、引きながら振り返る。

 しかし、俺が心配するべきことは、なにもなかった。


「おらおら、片足を怪我した女相手に、なさけねえじゃねえか!」


 テッドリィさんが怪我した足をひょこひょこさせながら、三匹のゴブリンたちを斬り殺していたのだ。

 俺が呆れて見ていると、テッドリィさんは剣を掲げて、足の傷を叩いてみせる。


「へっ。剣が通じる相手なら、このぐらいの傷――って、あいたたた……」

「もう、無茶しないでよ。ほら、村に帰って治療しないと」


 俺が肩を貸してあげると、テッドリィさんは恥ずかしげながらもどこか満足げな笑みを浮かべてきた。


「へへっ、あんがとよ。それで、帰るのは構わねぇけどよ。バルトの鉈とアレ、どうすんだ?」


 鉈はともかく、あれとテッドリィさんが顎をしゃくって指したのは、石のゴーレムの残骸だった。

 俺は頭を悩ませて、決断した。


「……魔物がきそうだから鉈を探すのは無理。ゴーレムの体は重そうだから諦める。けど、石のゴーレムの核は持っていこうか」

「そうしようぜ。あれ一つで金貨数枚なんだろ。損を取り戻すどころか、大量におつりがかえってくるぜ」


 ということで俺は上半身裸のまま、矢筒と弓を肩掛けすると、肩をテッドリィさんに貸しつつ、腕にゴーレムの核を持った。


「ぐっ、お、重い……」

「頑張れ、バルト。それが金貨の重みってヤツだぜ」

「重くて捨てたいけど、捨てたらもったいないし……」


 命懸けの戦闘の疲れで悲鳴を上げる体を叱咤して、魔物が新たに来ないうちにこの場を後にしたのだった。

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