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エドモンドの脱走  作者: たくわん
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地上とは

「地上を見てみたいな」

一人の青年は真っ青な空を見上げながらいつもその言葉を宙に浮かばせる。

諦めと希望が入り交じったその言葉はむなしく空の彼方へ消えていくのであった。


目を閉じる。風を感じる。今日の風はなだらかで肌に心地よい冷たさを感じさせる。良い風が吹いた。

少年は座ったまま塔から落ちた。

みるみるうちに落下していく。少年はまだ目を閉じたまま重力に逆らわずそのまま落下する。

また良い風が吹いた。

少年は目を開き、勢い良くレバーを引いた。

その瞬間、小型の翼が開き、少年は風に合わせて体を反転する。

ガタガタと激しく翼が鳴ったが、すぐ風をつかんだ。

少年はカモメのように風にのった。風を切り悠々と空を舞う。

目の前には真っ青な空が視界一面に広がり、太陽の光が眩しいほどに頭上を照らす。

視界の下は全て雲。いや、雲と呼ぶにはあまりにも想像とはかけ離れた白い広大な塊。

巨大で全てを多い尽くすほどの雲海は、地上で見る雲とは全く別次元の物体としての迫力を持つ

ここは空に浮かぶ国アバン。

かつて桃源郷として作られた都市は、いまや人口5000人を越える国家として成立し、空で暮らし始めた人間達は早100年の月日を数える。

地上を知らず空の国で生まれ育った人類が初めて誕生した時代がここに生まれた。


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