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六章 開眼飛躍

今回も短めの話です。

 光斗の母である才蓮は、優しく美しかった。

 誰もが口をそろえて、そう言った。

 もちろん、光斗にとっても自慢の母であった。

 実家の家柄は、第一王妃の蘭白よりもかなり格下である。

 しかし、女性ながら博学で、また若いながらも気が利くところが、光真王に気にいられた。

 彼女は、一八才で嫁ぎ、一九才で光斗を生んだ。

 そして、三〇代後半で病のために命を落とした。

 光斗はその時のことを思い出すと、未だに心臓がきしむような想いをする。

 叱るときは、悟らせるように。

 褒めるときは、幸せになるように。

 厳しいながらも、いつも笑顔が絶えない母の姿が、もう二度と見られない。

 死んだばかりの頃は、目頭が熱くなるのを抑えるのに必死であった。

 王の跡取りたる者が、人前で涙など見せられない。

 また、母親と約束したのだ。

 強く立派な王になると。

 だから、文武両方を懸命に頑張った。

 また、母が死んでからの父は、よりいっそう優しくなった気がする。

 それまで月に一度、あるかないかの拳法の手合わせも、月に数回はおこなうようになった。

 忙しい中、なにかとかまってくれるようになった。

 つい先日、光斗は一九才の誕生日を迎えた。

 その日も、忙しい中に時間を作り、父は組み手の相手になってくれた。

「今日こそは、一本取らせてもらいます!」

 光斗は、宣言した。

 今まで、どうやってもいれることができなかった一撃。

 誕生日のこの日こそ、なんとしても一撃入れたい。

 二〇才という節目になる前に。

 正直、自信はなかった。

 でも、毎日、頑張ったのだ。

 光斗は、必死になって攻撃した。

 休むことなく、激しく攻めたてた。

「むっ……」

 その間に、父の唸る声が聞こえる。

 相手を驚かせていると感じ、光斗はいっそうのこと攻撃を激しくした。

 その気迫に押されたのか、またはちょっとした油断だったのか。

 それは、今となってはわからない。

 だが、光斗の拳が、今まで当たることのなかった父の胸に届いたのだ。

「やった……」

 深くは届いていなかったと思う。

 手応えは、たぶんそれほどでもなかった。

 それでも、確かに一撃は入ったのだ。

 あの父に、片膝をつかせたのだ。

「見事だったな。お前は強いのだ。自信をもて」

 父からの褒め言葉に、光斗は感喜した。

 その後、生誕の祝いの宴も開かれ、その場でも父は、光斗の成長を喜ぶ言葉をかけてくれた。

 幸せだった。

 母との約束を守り、父にも認められる男になりつつある。

 もっと頑張らなければ。まだまだ、自分は未熟なのだから。

 そう思いながらも、眠るときにさえ浮かれていて夢心地であった。

 まさか、次の朝。

「光斗様! 光斗様、大変でございます! 王が、王が……」

 そんな騒がしい女官の声で起こされて、亡き父の姿を見るとは思わなかったのである。



 光斗の目覚めは、最悪だった。

 ふと、周りを見まわして、ここが鷹龍ことホークの玄天門の一室だったことを思い出す。

 昨夜、風龍に敗れ、地にひれ伏したのだ。

(あのまま、私など死ねばよかったのだ……)

 心で、「父と同じように」と思う。

 瞼の裏には、今も父の死んだ姿が焼きついている。

 頭の周りに、吐血によって真っ赤な模様がついていた。

 それがまるで、赤い花に飾られたように見えて、それが血だとは一瞬、認識できなかった。

 側にいた医師が、目も合わせずに開口する。

「胸をなにかにで強く叩かれ……肺が傷ついて……」

 そんなことを言っていた気がする。

 とにかく、その時にわかったのだ。

 自分が殺したのだと。

 窓の外を見ると、すでに日の光が見えている。

 木戸を誰かが叩いた。

「光斗様。朝食の支度ができております」

 天仙娘々の一人であろう声がする。

「お着替え、お手伝いさせていただきます」

 光斗は、その申し出を慌てて断った。

 昨日のような恥ずかしい思いは、もうごめんだ。

 ホークが用意してくれた仙人の服に着替えると、光斗は昨日と同じ食堂にむかった。

 ホークはすでに席に着いており、「おはよう」と席を立ちもせずに、昨日よりもさらに気楽に挨拶してくる。

 光斗も挨拶をすると、席に着いた。

 しばらくは、黙々と食事をする。

 そこに出されたのは、西王国で食べられているというパンという食べ物だった。

 小麦粉で作られたというそれは、ふにゃふにゃと柔らかく、不思議な食感だったがまずくはない。でも、腹は膨れそうだが、どこか食べた気がしなかった。

「食休みをしたら、修行を始めましょう」

 食事が終わる頃に、ホークがぽつりと言った。

「本気なのですか?」

「一応」

 ホークが、なんとも曖昧に答える。

 確かに、自分には目的がない。進むべき道を失っている。しかも、彼にはいろいろと世話になっている。彼の言うとおりにするのもいいだろう。

 だが、気になることがひとつある。

「私が負けたのは、風龍殿です」

 光斗は、そう告げた。

 それだけで、何が言いたいのか得心したようにホークがうなずく。

「確かに、生身の格闘(・・・・・)では、私はあなたにかなわないでしょう。しかし、私が教えるのは、別のことです」

「別のこと?」

「あなたには、戦闘術について三つのことを教えます。一つは、神氣の高度な制御。これは私が教えます」

 ホークが指を一本ずつ立てていく。

「一つは、実戦的な多くの格闘術。もちろん、泰斗龍神拳を中心として組み立てますが、他の流派も学んでもらいます。残りの一つは、ある法術です。まあ、それについて詳しくは、後のお楽しみということで」

「仙術では、ないのですか?」

「それも学んでもらいますよ。でも、あなたはまずやわらかくなってもらわないと」

「やわらかく?」

 ホークが「はい」と言いながら席を立つ。

 控えていた天仙娘々たちが、すっとよってきてホークの食器を片づけだす。

「ただ、格闘術と法術を教える者がここにはいないので、とりあえず神氣の制御を今日はやりましょう。半時後に、中庭に来てください」

 そう勝手に言うと、食堂から出て行ってしまう。

 光斗も食事を終わり、席を立とうとすると、やはり天仙娘々の一人がすばやくよってきた。

 そして、光斗に耳打ちする。

「ご主人様の修行……辛いですよ」

 彼女はクスクスと笑うが、それはとても笑い事ではなかった。

「なにしろ、風龍様がのたうち回ったぐらいですから」

 自分が足元にも及ばなかった風龍が、のたうち回る……。

(なんだ、それは!)

 光斗は、絶句した。

 どんな修行なのか、想像もつかない。

 あまりにも気になり、約束の時間に中庭へ着いたときも、光斗は顔を強ばらせていた。

「おやおや。やわらかくするための修行なのに、そんなにかたくなって、どうしたのです?」

「……風龍殿が、ホーク殿の修行を受けたというのは本当ですか?」

 いつも陽気な天仙娘々たちは、よく悪戯っぽい冗談を言う。

 考えてみれば、先ほどのも冗談だったのかもしれない。

「ええ。娘々から聞いたのですね」

 しかし、冗談ではなかった。

「まあ、風龍の場合はほとんどできていたことで、私はもう一押ししてあげただけですから」

「いったい、なにを……」

「第三の眼を開いてもらいます」

「第三の眼?……えっ!? 心眼をですか!」

 思わず彼は、怒鳴るように口を開いた。

 第三の眼――それは、別名「心眼」、「真実を見極める眼」とも言う。

 目に見えぬ流れを感じるだけではなく、「視る」事ができるという。神氣はもちろん、それは「事象の流れ」というものさえ、見ることができるというのだ。

 もちろん、そんなことが誰にでもできるわけではない。

 優れた天仙や、武道を極めた者のみが開けるという、伝説に近い能力だった。

開眼かいげんと言っても、風龍は薄目が開ける程度だったので、短い間でも全開できるようにしてほしいと、頼まれたんですよ。まあ、それでも数瞬しか全開にできませんが、十分でしょう」

「頼まれた……って……」

「開眼してもらった方が、これから手っ取り早くあなたに技術を教えやすいのですよ」

「ど、どうやって……」

 光斗にとって、彼の言うことは目茶苦茶であった。

 術や技を極めた者だからこそ、第三の眼は開けるものである。結果として、開眼という境地があるのだ。

 開眼を先にするなど、聞いたことがない。

「簡単ですよ」

 ホークが近づき、光斗の額に手を当てた。

「ホーク殿?」

「無理矢理開かせて、体にその感覚を覚えてもらうんです。無理矢理なので、ちょっと苦しみますがね」

「えっ?」

 訊ねかえす余裕はなかった。

 ホークの手があてがわれたところから、裂けるような痛みが走る。

「ぐわああぁぁっっ!」

 光斗はもんどり打って、地面に倒れる。

 まるで陸上げされた魚のように、激しく体を屈伸させる。

 こめかみに、裂かれるような、それでいて締めつけられるような痛みが走る。

 髪の毛が頭皮ごと引きぬかれそうな感覚に襲われる。

 眼窩の辺りが重い。

「ホ……ホーク殿ぉ!」

 目をなんとか開いても、ホークの姿は見えない。

 それどころか、景色が見えない。

 ただ、光だけがそこにあった。

 その光の刺激さえ、光斗に苦痛を与える。

「あなたは体力が売りですから、そのまましばらく我慢してください」

 無情な声が聞こえる。

「ああ、そうそう。それから、光斗・・・。あなたはもう私の弟子ですから、私のことは師匠……もしくは、マスターとでも呼んでくださいね」

 ホークの修行は、今までに光斗が味わったことのないものだった。

 いったいどのぐらいの時間、そうやってもだえていたのかもわからない。

 終わった後も、しばらくは頭痛が止まらず、嘔吐をくりかえした。

 このような修行に、成果が本当にあるかなど、感じることさえできなかった。それでも、自分への罰なのだとでも考えればあきらめもついた。

 しかし、その日だけで、それを三回も味わわされた時には、本気でホークを恨みそうになった。


   ◆


 次の日。

 ホークは、光斗に儀式を見せると言ってきた。

 その儀式こそが、ホークが蓬莱にもどってきた目的であった。

 そこで光斗は、初めてこの泰山の秘密を聞く。

「この世界の創世にあたる時代に、一匹の龍がいました。それは、【乾坤龍けんこんりゅう】という、龍の始祖とも言うべき存在です」

 それは有名な昔話だった。体が青く輝いていたため、別名で「青龍」とも呼ばれた。

 青蓮国の正式名称である【青龍蓮座守護王国せいりゅうれんざしゅごおうこく】にある青龍の事である。

 乾坤龍は、死した後に【龍魄りゅうはく】という玉を残した。これは他の龍でも同じだが、精霊である彼らは、死しても遺体を残さない。その代わりに、力の源ともいうべき、龍魄を残すのである。

 龍魄は、生前の龍の力により、大きさも含まれる力も異なる。できたばかりの龍魄には、龍の力のすべてが含まれ、それをしばらく放出する。そして、すべての力を放出すると龍魄は眠りにつくのである。

 しかし、龍魄の莫大な力の放出は、恐ろしいほどの影響力を持つ。

 西王界ならば【魔力アウラ】と呼ばれる神氣。その放出を間近で大量に受ければ、肉体にさえ異変が起きる。

 そのため、近くに動物でもいれば、魔力で変成された魔物が生まれるのである。

 普通の龍の龍魄でさえ、そのぐらいの影響力があるのだ。始祖たる乾坤龍の龍魄――乾坤龍魄――の影響力たるや、想像を絶する力を有する。しかも、蓄えられている力は、伝説では無限だというのだからたまらない。

 ここまでは、光斗が知っている伝説と同じだった。

 だが、ここからが大きく違う。

 光斗が知っている伝説では、乾坤龍が死した時に、乾坤龍の仲間である三匹の聖獣と、異国の五神が力を合わせて、この乾坤龍魄を神の世界に封印した、ということになっている。

「ええ、伝説では。でも、実際はここにあるんですよ」

 ホークは、足下を指した。

「まさか……」

「そう。乾坤龍魄は、泰山に封印されているのです」

 そして、仙人たちだけに伝えられる伝承は続く。乾坤龍の従者であったという【げん】と言う人物が、神々から乾坤龍魄封印の管理を任せた。

 元は、自分の死後も乾坤龍魄を守るために、神々の知恵から仙道をあみだし、山の管理を代々行う仙人を育てたのだ。

 また、同時に【真羅しんら】という剛の者の国作りを手伝い、その者にも泰山を守るように協力させたという。

 無論、その者が作った国こそが青蓮国であり、真羅こそが光斗の先祖に当たるわけである。

 つまり、蓬莱の仙人たちだけでなく、青蓮国さえもが、泰山に眠る乾坤龍魄を守るために存在するのだ。

 そして、その危険で至大な力を悪用されぬために、このことは上位の天仙と、王のみの秘密とされてきた。

「そのような重要なことを……私に話してよいのですか」

 光斗は、ホークの話を聞いた後に、思わずそう尋ねてしまった。

 自分は、もう次期王ではない。そして、まだ仙人にすらなっていない。そんな人間が聞いていい話とは、とても思えない。

「いいんですよ。あなたは【神人しんじん】ですから」

 だが、ホークの答えは、いつもどおり気楽そうであった。

「神人?」

「神氣をきちんと制御できる才能が、生まれついてある人です。この才能がないと天仙にはなれないのですが、王家の血筋のあなたは、神人ですから天仙になれます」

 どうやら、ホークの中で光斗は、もう天仙になることが決まっているらしかった。

 光斗は、仙人になると決めたわけでもない。そもそも、死にたくてこうしているのに、天仙になるわけもない。

(死ぬ人間だからこそ、別に秘密を知ってもかまわないという考え方もあるか……)

 光斗は自虐的に考えたが、どうやらホークの意図は別にあるらしい。

 一通り説明を受けた後、「秘密ですよ」と言われて、玄天門の塔の中に連れてこられた。

 ここで行われる儀式は、【九天印】という。これが、乾坤龍魄を封印している結界呪であり、二年に一度は、封印を上がけしなければならないという。つまり、九天宮の塔、その塔の主たる九龍も、封印のために存在しているのだ。

 逆に言えば、【九天印】を行うには、九龍ほどの力がいるわけなのである。

「そう。いくら天仙でも、この印を成功させるほどの力を持つ者は、非常に少ないのですよ。そして、いろいろあり、人材不足のせいで、今の九龍は三人ほど足らないんですよ。あははは……これ、世界の危機ですね」

「あはは……って」

 九天宮は、中央には鈞天宿という塔があり、東方に蒼天門、西方にこう天門、南方に炎天門、北方に玄天門、北東方に変天門、南東方に陽天門、南西方に朱天門、北西方に幽天門という塔と、それを囲む城壁でできている。

 それぞれの塔には、主がいて順番に、金龍、青龍、白龍、赤龍、黒龍、水龍、火龍、風龍、土龍が管理することに決まっていた。つまり、これらの九龍の名前は、むしろ役職に近いのである。

 だが、現在では黒龍、水龍、土龍の三人の天仙が不在なのだ。

「そこでたまたま通りがかった私が、三人の代わりをやることになったのです」

「通りがかったって……泰山にですか?」

「実は、錬金術師として龍魄の研究をしていまして。それでここを訪れたのです」

 普通の龍魄でも、その力は強く危険なものである。

 たとえ、眠りに入った龍魄でも、力のあるものが使えば、それを起こして強力な武器とできる。

 また、力が中途半端にあるものが扱えば、それは大量の火薬のまわりで、子供が火遊びしているのと変わらない状態になる。

 だから、仙人たちは、龍魄の探索を行い、それを九天宮に封印して保管していた。

「私は龍魄の研究をさせてもらう代わりに、【九天印】を臨時に手伝う約束をしたのです。だから、私の名前は九龍の名前ではないのです」

「臨時……九龍三人分を?」

「ええ。北側の封印は、私一人で呪を行います」

「ま、まさか……。そもそも、そのようなこと、他の九龍たちにどのように認めさせたのです?」

「試しに、天仙娘々を呼んで見せました」

「天仙娘々を?」

「ええ。知っていますか? 普通、九龍の一員でも、天仙娘々をせいぜい三人しか喚起できないのですよ」

 光斗は、ホークの館の様子を思い出す。天仙娘々たちは、少なくとも一〇人はいた。

「そんな……」

「できるんですよ。私は、やり方を知っていますから」

「知っているからと言って……」

知るとは(・・・・)支配すること(・・・・・・・)なのですよ」

 ホークの言葉は、自信に充ち満ちていた。

 そして、その後に光斗は、ホークの自信を体感する。

 力の奔流をはっきりと見ることはできなかった。

 唱える呪文も、儀式の意味もよくわからなかった。

 だが、儀式中のホークの力を感じることはできた。

 まるで大きな滝のような三つの流れが、整然と美しいまでにそろって、悠然と立つホークから流れだしていた。

 封印の儀式の様子も、塔の中の様子も、他の六人の天仙の様子も、それがいつ終わったのかさえ、光斗はほとんど覚えていなかった。

 唯一、光斗の記憶に残っていたのは、大量の神氣を完璧なまで制御するホークの姿だけだったのである。

「何者なのだ……いや……」

 思わず呟いた疑問を光斗は、自ら無視することにした。

 何者かなど、どうでも良かった。

 そこには、この目で見た確かな力があった。

 光斗の中で、なにかが切り替わった音がした。

 それからの彼は、ホークの修行に前向きだった。

 仕方がない。ホークを認めてしまったのだ。認めた相手に対して、光斗は真っ正面からむきあう。

 激痛に襲われながらも、彼はホークの声に従った。

 何度倒れても、どんなに苦しくても、彼は立ちあがった。

 自虐ではなく、求めたいなにかを手にいれるために。

 父を殺した痛みを忘れたわけではない。

 自分の失った未来が、もどったわけでもない。

 だが、この時から確かに光斗は、死が遠のくことを感じていた。

「もともと神氣を扱えたとはいえ……本当にあなたは、化け物ですか」

 修行を初めて、三日目の夜。

 光斗は、ホークにまた化け物あつかいされていた。

 苦痛に耐えながらも、光斗は中庭の真ん中でしっかりと立っている。

 そして彼には、ぼんやりながらも見えていた。

 自分の掌で渦巻く、神氣の光が。

 だが、それも数瞬のことで、力尽きてすぐに片膝をついてしまう。

「コツさえつかめば、あとはゆっくりやればいいでしょう」

 ホークが、あくびをしながら踵を返す。

「今日は、もう早く寝てください。今朝、言ったとおり明朝には、山を降りますよ」

「ど、どこへ行くかは、聞いていませんが……」

 息絶え絶えの光斗に、ホークが楽しそうに微笑する。

「……あなたが見落としているもの、それを探しに行くのですよ」

本当はこの章もかなり長いお話でした。

しかし、元々はコンテスト用だったので短くまとめられています。


次回は、やっと彼女たちと合流するお話です。

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