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俺の青春:RE  作者: キレ症の弟
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0話 後悔

あの時こうしていれば、

ああしていればというのは過ぎてからではもう遅い。

今それを俺は噛みしめている。

俺の人生は青春という箱の中で折れてしまった。



小学校から中学校へ進学するとき。

俺は三年生の時までいじめられ転校した。

転校先ではいつも一人だった。

だから小学校時代は諦め中学校に賭けた。

俺はどんな明るい青春が待ち構えているのかと歓喜していた。

それからは彼女はできなかったがそこそこ楽しんでいた。

オタ友も何人かできた。

でも二年の一学期、オタ友の達也がいじめられているのを知った。

俺はその時小学校のころとの違いに全能感を感じていた。

まぁぶっちゃけ調子に乗っていたのだ。

だから助けようとした。

そしたら立場逆転。

今度は俺がいじめられることになった。

いじめたやつらの中には達也も含まれていた。

俺の青春は二年と持たずに終了した。




中学校から高校へ進学するとき。

今度こそはとみんなが受けなさそうなところを選んだ。

ところがそこはとんだ馬鹿校。

小学校のころから俺は太り気味だった、いや結構太っていた。

そのせいでデブや豚など散々に罵られ俺の高校生活終了。



最後の希望 高校から大学へ進学するときだ。

高校生活の終了を一年の一学期で感じ取った俺はそこから変わろうとするのをやめた。

そのせいで二回目と同じ、むしろ完全シカトだったのでもっとひどい。

俺は孤独な大学生活を終えた。





そして今。

とうとう人生にも夢がなくなってしまった。

俺は三十七歳住所不定無職、もちろん童貞。

あの時達也を助けなければとどれだけ思ったか。

だが悲しいことに過去は変えられない。


そんな思いとは裏腹に俺はエ〇本とキスをする毎日だ

大学を何とか卒業してからずっと実家の自室にこもっている。

そのせいか俺の体には十五年分の脂肪が溜まり体重は優に百キロを超えている。

そんな生活をずっと続けてきたがもうそれも限界らしい。

両親が俺の部屋に入ってきてアルバイト募集のに応募したと言った。

うちの両親は優しい。

こんなにクズでデブで出来損ないの俺でさえ決して見捨てたりしない。

イケメンで出来の良い弟と比べることもしない。

少しずつでもいいから社会復帰をしなさいと言ってくれる。


アルバイト先は少し離れたところにあるファミレスだそうだ。

しかし俺はそんなダルいことはしたくないので拒否った。

しかしもう応募してしまったと仕方なく受けさせられた。




もちろん面接の対策なんてこっぽちもしてなかったから落ちた。

俺は今のままでいいとは思わない。

変わりたいとも思った。

でも俺より下の人なんていっぱいいる。


そう思いながら面接から駅前の人ごみの中を歩いていた。

そんな時女性の悲鳴が聞こえた。

なんだなんだ。

そう思った次の瞬間、刃渡りに十センチ以上あるナイフが俺の首を貫いた。

これは十五年ため続けた脂肪があろうとなかろうと関係ない。


熱い。

首のあたりがとてつもなく熱い。

俺の首から血が噴水のように出ているのが見える。

目の前が赤い―――。

あ、俺死ぬな。

クッソ。

やっぱり達也を助けたのは間違えだったな。

助けてなければ俺には晴れ晴れとした人生が。


いや違うな。

変わろうとしなかったのは俺自身だ。

全部人や物のせいにして。

自分は一番下ではないと。

自分を安堵させていた。

俺が少しでも変わろうとしていたら。

ああもう一回やり直したい。

でもすでに起こったことは変えられない。


クソがぁ。

そう思いながら俺は息を引き取った。

俺はこの日通り魔に首を刺されて死んでこの世から消えるはずだった。





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