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大きなかぶ

作者: 星乃だーつ
掲載日:2025/05/21

「むかしむかしの おはなしです。

 おじいさんが かぶの たねを うえました。

 『おおきくなあれ あまくなあれ』

 かぶは ぐんぐん そだち、おじいさんより おおきく なりました。」


ただし計算を簡略化するため、この時、かぶの直径は1mになったものとします。


「おじいさんは かぶを ぬくことに しました。

 『よいしょ』

 ところが、びくとも しません。

 『おーい、おばあさん てつだってくれ』

 おじいさんと おばあさんは かぶを ひっぱりました。

 『よいしょ よいしょ』

 やっぱり ぬけません。」


かぶは2mにまで成長していました。

かぶは1時間ごとに100%大きく、つまり倍になるようです。


「『JAを呼ぼう』おじいさんは農協に電話しました。」


かぶ、4m。


「『かぶデカすぎ。マジで抜けない』」

孫がやってきました。手伝う気はありませんでしたが、とりあえずインスタにアップしました。

かぶ、8m。


そんなこんなで、5時間後。スマホ片手のインフルエンサー、テレビ局が物見に集まったときにはかぶは32mにまで成長していました。



9時間後。

かぶは512 mに到達。ドローンで撮影された映像には、かぶの表面が均一な曲面を描きながらも、重さゆえに周囲の地面に微細な亀裂が入る様子が映し出された。地域の地質観測所では、かぶが与える局所的な圧力により、わずかな地震的揺れが検知される。東京でドラマを見ていた会社員Aは、奇妙なニュース速報に首をかしげた。


10時間後。

成長は留まるところを知らず、次の1時間で直径は約1kmに達した。市街地の輪郭すらかぶが覆い隠すほどのスケールにまで拡大し、建物や道路にもその重力の影響が現れ始めた。インフラの応力センサーは、急激な圧力増大によるひび割れや、橋梁の変形を記録し、専門家たちは「局所的な地盤の再編成が進行中」と警告を発する。ほとんどの日本国民は不安と驚嘆の入り混じった表情でニュース映像を見守っている。


11時間後。

かぶの直径は約2km、体積は地質学的な水準へと到達。巨体のかぶは周囲に独自の空気の流れを作り出し、風速の急激な変動と局所的な低気圧域を引き起こす。気象衛星は、従来の天候パターンが乱れ、突発的な強風や渦を確認。

地上では、巨大質量が大地に急激な荷重を与えることで、地中の応力が一気に蓄積され、既存の活断層が一斉に滑り出す。この結果、マグニチュード8以上の超巨大地震が局所的に発生し、建造物の急激な崩壊、地面の大規模な隆起・陥没、ひいては土壌の液状化などが発生した。


12時間後。

かぶの直径は約4kmに拡大。富士山を越える。周辺の地形はかぶの影に完全に飲み込まれ、数キロ先の街並み…あるいはかつて街並みだった瓦礫群が、その巨大なシルエットに隠れていく。いまだ活動している

地中センサーがあったとしたら、かぶの重さによる地盤の急激な圧縮を記録しただろう。地下水の流れが変化し、往年の地質構造も新たなひずみを伴いながら変容を始め、日本全体で地すべりや土石流が発生。さらには数十メートル級の津波が発生。すべての都市が壊滅的ダメージを受け、日本は再起不能となった。


13時間後。

かぶの直系は約8km。威容はエベレストに迫る。

広大な面積にわたるかぶは、重力による圧力の偏りで地下の断層や溶岩管、さらには古い地殻構造の再編成を強制的に行わせ、超巨大地震が断続的に続く。さらに、急激に圧迫を受けた環太平洋火山帯のマグマ溜まりが決壊。日本列島の多くの火山が連動し、広域的な火山災害が発生。


14時間後。かぶ16㎞。

大津波がアメリカ西海岸に到達。


15時間後。かぶ32㎞。

全世界でインフラが崩壊。都市機能が麻痺し、通信網や電力供給も途絶える。

人類の被った災禍は筆舌に尽くしがたく、多くを語ることは忍びない。


16時間後。かぶ約65km。

かぶは成層圏を突破。その重さは地盤のみならず大気や近隣の気候系にまで深刻な影響を及ぼす。巨大物体が作り出す局所的な重力異常によって、周辺の大気は通常の循環パターンを失い、急激な気温差や突風、さらには局地的な竜巻が発生する。


17時間後。かぶ約130km。


18時間後。かぶ約262km。


19時間後。かぶ約524㎞。


20時間後。かぶ約1048㎞。

かぶの大きさは天文学的スケールへ達し、周辺の大地はその重量に押しつぶされるかのように激しく変形。地殻が弾性限界を超え、地中での圧縮力が一気に解放されることで、世界中でこれまでにない規模の地震および火山活動が誘発される。


21時間後。かぶ約2097㎞。

かぶは冥王星に迫る大きさとなり、自身の質量が地球の自転速度や極性に影響を及ぼし始める。


22時間後。かぶ約4194㎞。

かぶは月を越える大きさとなり、その重力と体積は地球を再構築しはじめる。


23時間後。かぶ約8388㎞。


24時間後。かぶ約16777km。

かぶの大きさが地球の直径を越える。ただし、主成分が鉄である地球に比べると、ほぼ水であるかぶの質量は20%程度。この段階に至り、月が落下をはじめる。しかし、地上にそれを恐れる人間はもういない。


28時間後。かぶ268435km。

月は地球に落下する前にかぶに呑み込まれる。


30時間後。かぶ約100万km。

かぶの直径は太陽を越え、質量は惑星の公転を乱し始める。


37時間後。かぶ約1.5憶km。

おおよそ1AU=地球の公転半径に達する。つまり、かぶが太陽を呑み込む。かぶは太陽と拮抗する太陽系の重力中心となり、太陽系の再構成を開始する。


42時間後、かぶ約32AU=44億km。

かぶが海王星軌道に達し、すべての惑星を呑み込む。


47時間後、かぶ1.4光年

かぶの外縁は太陽系、あるいは"かぶ系"の最外縁である「オールトの雲」に到達。

近隣星間空間との境界線が曖昧となり、局所的な重力平衡が大きく乱れる。


48時間後、かぶ2.8光年

かぶの半径が自身のシュワルツシルト半径を越える。つまり、かぶはブラックホールとなる。

ブラックホールからは光も素粒子も脱出できないため、一切の情報を引き出すことができない。よって、この先を記述することはできず、ここで筆をおくこととする。

あとがき・注釈


ブラックホールというと超重い・超高密度のイメージがありますが、実は超重いことだけが重要で、で密度は関係ありません。軽い素材、ガスでもティッシュでも。全体としてすごく大量にあればブラックホールになります。それに必要な素材ごとの大きさがシュワルツシルト半径です。


調査にAIを使用しています。文章そのままは使っていません。

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