第四十七話『面倒事』
結局はあの話自体は本音だけど不可能と分かっていたから俺を試す為に利用したとの事。まぁ、信用はある程度してくれてるのなら俺的にはどうでも良いけど……
流石に面倒な事をしたなと……
「……それじゃ、本当の事をしに行こ?」
彼女がそう言うが……流石に警戒してしまう。けど彼女は呆れた顔をして
「……別に殺ろうて話じゃない。どの道……私のクトュルフはもうすぐ消えるしね」
……は?
「どういう事だ?」
彼女は俺を見て
「……この世界では契約するのに対価を支払う。私の場合は勝ち続ける事。それと引き換えにこの力と契約出来てる
言ったでしょ?
この世界の神でもある
つまりは……貴方と同じだけど違う。ただ、同じ名の神が存在する平行世界。それだけの事よ」
……そういう事か。彼奴はそんなの望まずにただ気に入ったという理由だけで契約して来たから……
ただ、俺とは違う……この世界のクトュルフは契約を望む……意思の……我の強い方と言うことか。流石は邪神だ
「……で、負けた場合は勝った方と強制契約」
……
「悪ぃけど……」
言いかけた時に旧支配者の意思が働いたのか、強制契約に応じた
割と……本体は彗星の方に行った筈なのに……そこはシステムが働くのか……それに……
「面倒だな。で、どうするんだ?」
彼女は歩き始めて
「……無くても強いから」
はぁ……まぁ、そう言うのなら構わないけど……
で、改めて向かう事にしようとした時に
「……兄に連絡してくる」
それだけ言うと連絡始めていた。そう言えば……まぁ、彗星なら勝手に勘づいてくれるだろうし……適当にしておこ
それよりも……リチャードが一線越えた事だった。それも……もう俺の手で手に負えない程の……
この世界の能力は……そう言えば能力と言う能力を見てない気が……
「……お待たせ」
アヤメが戻って来たから……
「なぁ、この世界の事よく分からないが……能力て、有るのか?」
アヤメは俺を見てから
「……無い。具体的には契約しないとダメだけど……契約自体もかなり人を選ぶ
私の場合は偶然。ただこの世界の魔物……まぁ、簡単に言うと化け物は普通の人間では勝てない
違うね……
一部は人間……プレイヤーでも勝てる。問題は……化け物の方
ゾンビは分かる?」
俺は頷いた。アレだろ?。有名なゾンビ映画とかゲームとかに出てくる基本的な化け物……
「……この世界にプレイヤー以外の人間が居ないのはそれが基本的な化け物。その分岐と派生が化け物」
でも、魔物としての気配は何も無い……
「……プレイヤーが現れたら即だからね。このゲーム……人間の闇が主軸のゲームだから派閥とか組織とかかなり多い
私や兄は何処にも属さない強いプレイヤーの部類になる。入った方が有利になるけど……
上納とか何かしらの制約とかあるから……メリットよりもデメリットが大きい場合があるから……人によりけり」
なるほど……となると……
「……私と兄はなる気は無いよ。そっちでもしょ?」
……
「考えたけどな。確かに……ギルドの方を見たら納得だわな。で、今何処向かってるんだ?」
彼女が立ち止まると銃を手にしていた
「……特攻任せていい?」
そう言うと銃を向けて引き金を引いていた。弾丸は軌道上を向かって目標物の頭を直撃
直後に目標物……化け物は動き出して木々をなぎ払い姿を現していた
「キモ……」
無数の目が俺達を見ていた。巨人だけど無数の手が生えて、お腹は無数の牙を生やした口を開けていて
「……これが成れの果て」
そう言うと銃を投げ捨てて刀を手に走っていく。俺は目を伏せて
「はぁ……殺るか」
剣を手に俺も走った。頭上の旧支配者を利用した俺の攻撃方法……
「変幻か?。でも……そうなると許してくれねぇからな」
様子を見ながらアヤメを見る。攻撃を仕掛けながら躱して有り得ない動きで翻弄していた
これが能力を失った状態……いや、能力を使うのを前提としない動き……
なるほど……初めから能力何て使う気なんてない。ただプレイヤースキルだけで強くなったプレイヤー……
「俺もそうなれば良かったな……」
あのゲームはプレイヤースキルなんて意味をなさなかった。だから……
仕方が無い……もうどうなっても良いや
「アヤメ時間を稼いでくれ!」
俺はそう叫ぶとアヤメは視線だけを向けてそのまま攻撃を仕掛け続けていた。俺は立ち止まって深く息を吸ってから剣を自分の首に当てて引き裂く
血飛沫が舞い上がるのと同時に羽が空から降ってくる
地面に堕ちる瞬間に俺を飲み込むように闇が広がり全てを黒く染めていた
そのまま、晴れると黒い羽根が八枚、髪が黒から白く染まり両手に剣と氷
異形の姿のまま人間を維持した姿。時間制限は無いが……
「早く終わらせる為だ」
一気に踏み込むと飛び出して化け物の腕を数本吹き飛ばして反転したが手が迫ってくるのを、剣で弾き飛ばしてから、胴体を引き裂く
そのまま、アヤメを見るとアヤメは頭の首を斬り裂いたが浅く止まっていたのを、俺は羽を集めて、一気に押し抜いて、そのまま蹴りで刀を貫通させ引き抜いた
そのまま頭が落ちたが動くのを、空中を舞う刀をアヤメが手に取って真っ二つに斬り裂いた
そのまま、羽が弾き飛ぶと俺の肩に目玉の……旧支配者が居て
「お前……初めからそうしろよ」
撫でつつアヤメを見る
「……あっさりと……ただ、それは止めておいた方が良い。化け物扱いされる
私もそうしたから」
なるほど……このゲームはプレイヤースキルが高いようだな……
「……戻ろ……とは行かないかもしれない」
そう言うと空が赤くなっていた。それに気が付かない訳が無いけど分からない
ただ……
「……暫く戻れないから」
首を傾げると
「……裏世界。ゾンビだけど、ゾンビよりも化け物が多いかな
まぁ、裏世界でもプレイヤーは居るけど……時間は疎ら……となると、拠点を取らないといけない」
はぁ……厄介な事になったなぁ
「取り敢えず……把握したから落ち着きたい」
俺がそう言うと
「……いつ戻れるか分からないし……探そ」
それだけ言って歩いていく
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適当な屋内に入るとアヤメは武器を机に並べていた。近代兵器が多い
「つまりは……表の世界はゾンビが徘徊する化け物の世界
裏世界は化け物しか居ない世界
世界としては崩壊していて、戦争が原因だが直接的なのはバイオテロて事か?」
アヤメは頷いていた
「……裏世界はそれが起きた原因となった世界。言わば、異空間のような場所
戦争の後始末で、契約する存在が居る世界」
なるほど……
「化け物だけど上手く行けば契約が出来ると?」
アヤメは頷いていた
「……これも崩壊後の実験の延長線上。まぁ、ここらへんは非現実的だから無視しても大丈夫
ただ……現実の表世界だけは絶対に無視したら駄目。取り返しがつかなくなるイベントがあるから」
なるほど……
「姉はログアウト状態て事は仕事か。まぁ、戻れないのなら適当に過ごすしかないか……」
撫でつつ考えていた
「……気になったけど大切な人……居ないの?。家族や身内で」
突然聞かれて首を傾げる
「……もし、現実に起きたら……このゲームしてるとそう考えてしまうの
貴方ならどうする?」
……
「大切な人か。居たが死んだ。姉だけかな……」
彼女は俺を見て
「……そう。幸せな人だったのね」
俺は笑って首を横に振って
「最悪の女性だよ。俺を殺したいくらいに愛してる程の重たい女性。まぁ、今となっちゃ……理由を聞いたら確かに、幸せを願う人かもな」
真白を思うとそう思ってしまう……
「……そう」
それだけ答えるとログアウトして行った。何だったんだろと……思いつつも適当に過ごす事にした




