第四十五話『適応』
ログイン。まぁ、適応のせいでログアウトはしない方向になってるが……姉は準備やらで後で
で、姉と混じってるスライムは俺の隣で俺の腕を組んで擦り寄ってる……
「マジで訳が分からんぞ……」
まぁ、ファンタジーだけど、文明崩壊した世界が舞台のオープンワールド。それも人間と全て種族が一括りになった魔物が敵という珍しいゲーム
まぁ、のんびりしてても仕方が無いし、取り敢えず依頼とかから始めるか……?
「と、言いたいけど……彼奴……イリアスの遺品でも取りに行くか」
スライムに指示をしつつ向かう事に
暫く歩く。周囲は崩落した世界が広がっている。リアル……が混じってるのは分かるけど……
「流石に人気が少なくなると阿呆がいっぱいだな」
立ち止まるのと同時に周囲のプレイヤーの存在を。本物なのは分かるし、あのゲームだけは例外なのは分かるけど……
「一人じゃ危ないぞ。お嬢ちゃん?」
男共……まぁ、多分一人になるように待っていたんだろうな。俺のスライムより弱い俺を狙う為に
俺は手を伸ばして
「一人じゃねぇよ」
無数の格子状に触手が伸びて男共を絡めて、俺の手の中へと。剣状の刀を地面に突き刺して
「初心者じゃねぇ……それもこれは……」
俺は歩いてくる存在に指を指した
「俺自身の能力だ」
そのまま引き裂くと、残りの男共が向かってくるのを剣で引き裂きながら、持ち替え全てを切り裂いた
スライムは俺の方まで歩くと死んだフリした男がスライムを掴むが……
「マスター……殺していい?。良いよね?。だって……すっごく弱そうだもん。マスターよりも……
でも、殺すのも勿体ないよね?。だから……生き地獄味わせていい?
駄目?
駄目?
違う?
どうしたらいい?」
此奴……喋れるのかよ……
「楽にしてやれ」
それだけ言うとつまんなそうに、首を捻りちぎって地面に落とす
「つまんない。本体と別となると不便。マスター!」
……
「お前……話せるのか?」
スライムは俺を見て抱き締めて擦り寄る。幻覚……では無く触手が振ってるのは無視して
「簡単に言うと真白お姉ちゃんのお陰。後、彗星お姉ちゃんは普通の人間。私が真白お姉ちゃんの能力を食べて、真白お姉ちゃんが私に居るから。この目で真白お姉ちゃんは見てる
ただ、能力が能力として居れるのは……彗星お姉ちゃんが居ないと駄目
だからあの時に彗星お姉ちゃんを選んだの。使い方も全て含めて……彗星お姉ちゃんなら真っ当に使ってくれると信じて」
その結果があのヤンデレ……?気味になったのかよ……
「で、私はどうすればいい?」
俺は消えていくプレイヤーを見て
「コイツらのアジト?。拠点を潰しこい」
彼女は微笑み消えようとするのを呼び止めて
「好きにしていいし、惨たらしくもどうするかは任せる」
それだけ聞くとスライム……彼女は消えてた。俺はイリアスの遺品を取りに向かう事にした
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燃え盛る炎。人を引き裂きつつ、転がる死体を足で回し蹴りながら周囲を見る
血塗れの裸足で死体の肉を踏みつつ
「ねぇ、どうしてだと思う?」
頭だけの人間に聞く
「答えれないもんね。だって……全て死んだもんね」
頭を優しく撫でて、血を舐めて
「マスターが邪魔と。多分、いっぱい迷惑かけて……いっぱい悪い事して褒めてあげる
でも、それはこれまでね
だって、もう二度と出来ないもの
深く深く生きたまま頭だけでずっと見ていたものね
まぁ、聞こえてないと思うけど……それじゃ……終わろっか?」
周囲の人間が自害した。血が広がるのと同時に
「ここにログインさせられるとは思わなかったけど……派手にやってるね。真白」
振り返り
「あー、やっと来た」
私は抱き締めて彼女の中へと戻る
「さて、何がしたかったのか分からないけど……まぁ、戻るかぁ」
伝えなくてもいいか。私がストッパーだし……
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人気の無い家の中へと。床が軋み長らく使われてない感じ。ただ、このゲーム自体は最近のゲームだけど……
「なるほど……現実との時間が違うか」
当たり前だけど……納得した。取り敢えず……周囲を見てから階段の方を見た
「準備しておくか?」
窓の外を見ると旧支配者が浮かんでいた
それも……軍王機を取り込み支配し混じった姿。彗星から引き渡された兵器……
クトュルフに近しい兵器で気に入ったが為に取り込んだのがアレの結末だけど……
まぁ、クトュルフの宇宙の神話。こう言うのもあって不思議じゃないからな
「と、見つけた」
机に置かれた箱を見て、手に取って来た場所から戻ることにした
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欠伸をしながら待ってると
「お待たせ弟君。ようやく準備が終わって、取り敢えず試験的にしてるけど大丈夫?」
彗星が来た。新しく作ったのか、真白の見た目にロングコートを羽織って黒のスカートを履いていた
気に入ってるのか……それとも……分からんが別に姉は姉だしな
「構わん」
俺は眠そうにしながらギルドの方へと歩く。流石に眠いし……ログアウト……
「の訳には行かないか」
ギルドの中へと入ると騒ぎが大きく何時もの普通のゲームと実感した
流石にデスゲームと試運転に近いゲームをやらされていたから……
と言っても話を聞いた感じは嘘なのは分かっていたが……それでもそうしたのが分からない
本物のプレイヤーは確かに居た……けど、何処までが嘘で何処までが本当なのか分からない
ただ、彼女が関わる辺りは嘘だと思う……けど……分からんし、答えは彼女しか知らないのがなぁ……
「登録を……」
その時に腕を急に掴まれて
「お嬢ちゃん。こんな所に居たら危ないぞ?」
ニタニタした顔をして俺を見ていた。酔ってるのか?。姉は……逃げてるし、仕方が無い……
「黙れ」
腕を掴んでそのまま投げ飛ばして、俺は剣を抜いた。スライムは姉の方に着いてしまったから……一人でどうにかするしかないけど……
「痛て……やってくれたな!」
銃を取り出して撃ってくるのを躱し、そのまま剣で懐まで潜り込んで剣を突き付けて
「このまま殺っても良いが……動きやすい方が良いからな?」
剣を納めてそのまま受付に戻ろうとしたら背後の殺気で振り返ろうとしたら、その男は急に吹き飛ばされ壁に叩き付けられていた
「お嬢……いや、彼か。大丈夫か?」
白銀の髪をした軽装な少女と少し体つきが小柄な少年が立っていて
白銀の少女は俺の頭を撫でていた。で、気が付くと姉が帰ってきていて、固まってるしで……
「何か騒ぎになってるし、一旦座るか?。出るでも構わないが……」
……
「任せる」
それだけ答えると机に。ただ本当に眠いし早く終わらせ……
「で、何で助けた?」
一瞬意識が飛びかけた……割と眠いしヤバいな……
「……君が眠そうにしてるからだと思う」
……
「どういう事?」
彼は俺を見てから姉を見て
「デメリットだろ?。分からないけど今までの何かしらの疲労が来てるんだろ?」
……
「多分な……
実際眠いしな」
目を瞑ると意識が遠のいていく
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弟が寝たのを見て
「話出来なくなったね」
私がそう言うと手を振り
「構わん。それにここで殺してしまったら面倒になるからな。俺の妹がいい例だから」
……?
「数ヶ月の出禁と一時的に指名手配になり懸賞金がな……
この妹……一時は有名人だったからなぁ」
遠い目をしていて、彼女は目を伏せていた
「で、目的は?」
彼等はお互いを見てから
「仲間が欲しかったから。正確には……信用出来る人だな。お姉さんの方はまぁ、だけど、彼は出来ると信じただけ」
……酷いな……てか、何したのよ……
「……気に入らない奴を吹っ飛ばしただけ……そしたら勝手に死んで、それに続いたプレイヤーが向かってきただけ」
……
「……そういう訳だ。で、さっきの話を戻すけど、どうだ?。そっちの信用が出来ないなら適当なクエスト受けて考えるのも良いけど……」
私は暫く考えてから
「弟が起きたらね」
それだけ答えてこの日は解散する事にした。起きなかったからね




