第四十四話『支配』
小屋が爆発する前に地下へと落ちた。背中を強打しつつ、炎が上へと舞い上がるのを、スライムを使って防ぐのと同時に何かが貫く
それと同時にスライムが膨れ上がり人の姿……それも異形の形で目の前……俺の上へと俺を見ていた
無数の目が俺を見ていて、2点の目が俺を捉える
「旧支配者……」
俺がそう言うと目の前の存在は微笑み、そのまま周囲を乱雑に攻撃をして、目の前の魔物を突き刺していた
「キレてるのか?」
俺がそう呟くと存在は破壊しながら上へと上がって何処かへと
「……クソ。考えてる暇無いか」
立ち上がり走った
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何かが飛び出すと吹き飛ばされ気が付くと目の前の異形の姿が私の上に
震える手で優しく頬に触れるが振り払おうとしたが、手を止められ繋ぐと何かが突き刺さる
「離せ……」
だけど異形は私の首を手に添えるとゆっくりと締めて息が出来なくなる
意識が遠のくのと同時にゆっくりと顔が近づき、足をばたつかせ、振り払おうがもうゆっくりと意識が堕ちて……
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ゆっくりと目を開ける。白銀の髪……真白の姿……でも……胸元の目と腕に無数の目が開き、引き裂かれたドレスワンピースを着ていた
ゆっくりと立ち上がり
「真白も君も……私を利用する。私の感情を黒く染める……戻れなくしないで欲しい……好き……なのに、殺したい程愛してる……か……」
はぁ……あのスライムを飲み込んだせいか……真白の意識と混濁したのか……
結局は分からない……
ただ分かるのは……戻れなくなってきてるかもしれない事だった
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走った先で目の前に広がるのは……
「……」
無数のリチャードの複製体……ただ、未完成でほぼ完成しかけてる状態……
アイリスが味方なのかも怪しくなってくる……
「どうなってるんだ?。これ……ゲームだよな?」
訳が分からくなってきた……
能力にしては人工的で、ゲームにしてはリアル過ぎる……アイリスに教えられた場所が……
「……」
机を見てから紙に目を通した……
そして再び走り出した。止めないと……駄目な気がしたから
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目をゆっくりと開ける
「来たね。リチャード……」
扉の前に立つリチャード。剣を握られ
「ゲームマスターだったですよね?。アイリスさん」
私は目を伏せて、メールを送ってから
「全てを偽るのは難しかったけど……どうやら成功していたみたいね」
私は机に手を添えた
「……君はどっちですかね?」
私は笑って
「彼の味方よ。ただ、リチャード……君は危険な存在。だからこのゲームを用意した。全てNPC。君が見ていた全てが……私と君と彼と……
たった今ログインしてきた彼女以外全て嘘のゲーム
どうだったかしら?」
リチャードは目を伏せていた
「全く……俺を騙せる程の精度……能力持ちですか」
……
「『遊戯創作』。このゲームの認識は全てを持つ。まぁ、もうじき無くなるがね。私の命と引き換えに君を止めるには」
私は操作した
「全てを終わらせても意味は無いですよ?」
剣を向けて振り上げていたが……
「……何故だ?」
私は扉の先の彼を見た。そして笑みを浮かべ
「楽しかったわよ。クトュルフ神話。偽りの世界」
リチャードは私を引き裂いて、そのままログアウトしていく。私は傷口を抑えて椅子に倒れ込む
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彼女……イリアスの元へと行くが血塗れで彼女の傍に。俺の後ろからは彗星が……どうなったかは分からないがそれよりも……
「お前……どういうつもりだ?。何でリチャードの……あの場所を教えた。そして……このゲームは何だ!?」
彼女は微笑み
「……一つは君が……彼を止めれるかを……
もう一つは……純粋に……このゲームはお蔵入りになったのを……もう一度……蘇らせただけ……
全く……上手くいかないものね……」
そう言って俺の頬に触れる
「彼は危険……誰も居ない……誰も存在しないゲームに……閉じ込める……つもりだった……
けど……破られ……他の一般ゲームになれば……話は変わる……
君は……いや……野暮だね……
楽しかったよ……この偽りの世界で……」
そう言って目を閉じたのと同時にゲーム世界が崩壊し始めていた
不完全となったゲーム……俺は彗星に手を引っ張られる事に……
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崩壊したゲーム……
戻って来た数ヶ月ぶりに……流石に適応でも厳しく、彗星が受け取っていた真白の能力でどうにか保てている……
一応現実に居つつもログインが多い日となってしまってる
が、彼女の紹介された人に話を聞いた
リチャードと言う人物は行方不明。イリアスと言うプレイヤーは自宅で死んでるのを発見
外傷なく、『The・end』と同じと判断されていた
結局見つからず……分からない事で不完全となってこのゲームは終わってしまった
彗星は配信活動しつつ、俺にベッタリ……あのゲームの影響と真白とクトュルフがこっちに引っ張られたせいで余計に拗らせたらしい……
意味は分からんが……
で、俺は現実はたまに帰ってくるだけでほぼゲーム内の俺が作り上げた部屋で過ごしてる
何故かて?
簡単な話……慣れてしまったから。まぁ、ほぼ保ててもどうにもならない事はあるからこっちの方が都合は良いし……
「弟君。良い?」
彗星が来ては襲われる関係にまで……勿論、クトュルフの彗星としてずっと引っ付き、この空間に来る時は暇の時だけ
「勘弁してくれ……て……」
メールが届いた。それはイリアスから……時間差のメールで二人で確認をした
「ねぇ、これ遺書的な?」
俺は読み進める
「……ようやく足取りが掴めたな。リチャード……」
俺は彗星を見て
「付き合ってくれるか?。ネタにしても良いが……こっちは無理だけどな?」
彗星は考えてから
「勿論。そのための配信者だから。と、告知とかいいかな?。そこの所……決めないと」
俺は頷いて操作をして決めていった




