表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/46

第四十二話『弟』

部屋の中で揺れる人影。血が滴り落ち無数の包丁が体を突き刺さる


部屋は荒らされておらず、自殺にも他殺にも見えない不可思議で異質な死体。発見した父母は訳も分からず……


未解決でありながら解決してる正体不明な死体


理由は不明で遺書も見つからず、都市伝説扱いすらされる死体


ただその正体は自分で自分を殺した自殺者。それも体を包丁で突き刺さりながらも死ねない苦しみの与える死だった


苦しみではなく、自分の為の苦しみだった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ここは捨てますか」


そう言って行こうとしたのを剣を投げて防ぐ


「終わってないぞ?」


空が黒く染まり、無数の羽が空から降ってくる


「……


全くめんどくさいですね。


貴方には関係ない事ですよ?。何故そこまで?」


……


「さぁな。ただ、お前の望む世界は不要だ。俺はそう思って止めるだけ。


それに……こんな状態にしてくれた責任を取ってもらわないとな」


一気に走り出して、そのまま殴り倒す


「……はぁ。興醒めですね」


そのまま、消えようとするのを胸ぐらを掴み、そのまま顔を何度も殴りつける


「この力の世界はお前程つまらない事は無いからな!」


そのまま地面へと叩き落として、顔に思いっきり踏み抜き潰す


恨みこそ無いが……それでも、俺にとってはくだらん世界で生きたくはなかったからだ


「戻ってもいいが……それじゃ、報われねぇよな?」


俺はそう呟いて床の下と降りた


そのまま地面へと降りたって、スライムを頼りに彼女を探す。まぁ、壁にもたれ掛かり目を瞑っていたのを見て


「来てくれたね。取り敢えず……疲れた」


そう言って目を開けていた。ボロボロで血だらけだけど元気そのもの……流石に心配したから声をかけようとしたら


「私の血じゃない。まぁ、流石に昔の事を思い出したから気が参ったけどね」


……


「それはお前が死んだ理由か?」


彼女は悲しげに……そして俺を見てから


「さぁね。それよりも……面倒になる前に逃げるか?」


話を無理やりそらされてからそう言う。俺は彼女を見てから目を伏せて、そのまま


「だな。面倒事になるし……そろそろ、キレられる前にな?」


旧支配者(グレート・オールド・ワン)に無断に使用したからな……


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


呼び出されて向かう


「今か……」


弟のゲームに入る準備が出来たと連絡来たけど……まさかとは……


「遅かったね。と言っても何となく分かるけど……それで……」


彼女から条件を……


「一つは。この『The・end』のゲームの首謀者の確保


もう一つは……弟君に見つからないようにしてください」


は……?


「理由は……過去に自殺した少女が確認出来たのです。それだけなら良かったのですが……


確認した能力が……彼、リチャードの必要とする能力を持つ為と、その能力は弟くんの為にしか使わない……


弟君に害なす存在に使う可能性がある。勿論……彗星さんには無いとは思いますけど、万が一の為です」


困惑した……けど、彼女は理由を……


「簡単な話……人間そのもの能力です。人間関係を壊す能力です


問題は……君が、彗星さんが受けた場合です。想像もつかないですから……だから決して」


私は机を叩いて


「それは無理な相談よ」


それだけ答えると


「……そうですね。死者ですもの。有り得ないですものね」


そう言って話を止めた


「ですが……気を付けてください。これは何が起こるか分からない不可視ゲームですから」


私は頷いた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ゲームのログイン準備する。真っさらな空間の中で待ってると粒子が目の前に……


ゲームのタイトルかと思って静観してると……


「君が大好きな彼のお姉さんか」


少女が私の前に出て来た。流石に……演出じゃないと理解して警戒してると


「警戒しないで欲しい。ゲームの方の私は今は動けないからね


ここに居るのは……君にお願いと私の事を知ってる前提で話すから」


一方通行……?


それにしては不自然な話だけど……


「あー、違和感を感じるのは……この空間自体、用意されていた場所じゃなく……貴女、彗星さんの人間を能力により支配し、あるべき場所……つまりは私がこうして君と話が出来る場所へと呼んだだけ」


……


「どういうつもり?。弟を助けないといけないから、邪魔しないでくれる?」


私が彼女にそういうと彼女は何処から出したかも分からない椅子に座って


「殺したい程愛してる君の弟君は私も同じ。ただ、それが今じゃないし、今の私は幻想でこの世界に存在しか出来ない


取引しようよ」


……


「危険なのは聞いてるしする気は無い」


私は行こうとした時に


「彼、死ぬよ」


私は立ち止まって


「何が言いたい?」


彼女は微笑み


「私が私の手で殺したいけど、今は違う。それはさっき言ったけど……


彼は全てに同調する。深ければ深いほど……適応する。それだけなら問題なけど……


『The・end』のシステムが流用してるのなら……彼は植物状態。つまりは……この状況で適応した上で、外部とVR上の差により壊れてしまうよ


望まない形でね


取り引きは彼を生かす代わりに、私と混じってもらう。勿論全て君で良い。プレイヤーも既にね


その代わりに、貴女には彼を守る事と、私の全て記憶と望みを受け入れて、叶えて貰う


殺す事をね。私と言う化け物を君が引き受ける事


そしたら私の能力で彼を救える」


……


「……殺しは無しよ。私は弟には死んで欲しくないから。それ以外なら……受け入れる。だって、救う為なら何でもする」


それだけ答える


「残念。けど、まぁ、それもそれでアリかな。だって……私が生き地獄を味わうだけだし……何よりも……


殺せないという制限を君に掛けられるのなら問題無いしね」


……は?


「簡単な話。私は私を自ら殺した。生きたいともそもそも思ってない。何故なら……私が化け物になるのを阻止する為に


でも、もう能力で化け物として蘇っちゃったし、最愛の殺したい彼を殺すけど……それだと面白くないからね


だから……君に力を貸す。このVR空間で君は私として全てをあげるから……私の分まで彼を狂う程に愛して欲しい


私の心残りで……私が唯一良心的に叶えたかった夢だから」


彼女は手を伸ばしていた


「……弟は助かるよね?」


彼女は頷いて


「殺すのは無しで構わないわ。それが本来の目的じゃないしね」


私は手に取ると彼女は微笑み消えていく。それと同時に目から涙が零れる


私は……彼女が仕込んだもう一つの罠に引っかかっていた。それも全て……彼女が全てを……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ