第四十話『能力』
立とうとしたら
「さて、じゃ、私は……」
俺を抱き締めると俺の中へと消えていく。それと同時に目を見開いて頭を抑えて
「おまっ……!」
意識が遠のいて……
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ゆっくりと立ち上がる
「なるほど……君の力がそれだからね。元々か今かは知らないけど……」
扱い易い……適応が能力とは思わなかったけど、なるほど。確かにこれは……
「お前……」
私は彼を見て手を地面にかざしながら
「貴方は理解してない。私はあの時から……会った時から私はこの体……彼しか私は見てない事を
それに……」
胸元に手を添え、そのまま抉るように引き抜き血を吹き出させる
手には……人間には本来無い器官がある
私も理解出来なかったが……リチャードの言う事と、隠し消されていた情報でようやく理解出来たレベルの異物……
「能力を持つ人間には普通の臓器では不可能。体は……病気と同じように新たな異物を作り、自らの力を役割として自身の臓器の一部にし違和感無く、始めから存在してたかのように活動させる……
貴方から聞いた話が嘘だと思ったが……なるほど。リチャード……
ようやく分かったよ」
その異物を見てから再び体内へと戻す。生死に関わる訳じゃないが……これで死ぬのは私にとっては興ざめになるから
目を伏せて
「お前……不老だろ?。いや、違う……死ねない様な能力……理由は知らんが……この時代の人間じゃないよね?」
指をさしてカッコをつけた。まぁ、意味の無いやり口だけど……
「……だとしたら?。お前には関係ない。俺がお前を生かしてるの忘れてるのか?」
……
「そっちこそ……もう手出は出来ない所まで、私の力は及んだからね
だから……」
かざしていた手を下ろすのと同時にリチャードの足元に無数の腕が伸びて掴み引きずり込もうとする
「良いのか!。お前はそれで!」
……
「どうせ死人。お前はどうせ蘇る。なら……さっさと終わらせた方がいいでしょ?」
そのまま歩いて、再び手をかざす。クトュルフ神話……死者を甦らせる……
忌み嫌われ一人の力を君は……
「ようやく一つになれたね……」
再び下ろすとリチャードは引きずり込まれ飲み込まれていった
「まぁ……どの道……」
彼を受け止める。まぁ、クトュルフのせいで女性だけど……
「それも殺したいくらいに可愛いのがムカつく……」
そのまま地面に落として座り込み
「はぁ、上手くいったけど……後は……面倒だなぁ」
空を見上げてそう呟いた
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ログアウトして確認したが……
「やってくれたな……真白那由多……」
既に消えていた……と言うよりかは、維持が出来なくなったが妥当か……
「だが、情報はこっちだ……問題無い」
やられたのは仕方が無い……とにかく進めようか……カウントダウンを……実現する為の花火を……
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ゆっくりと目を開けると俺を見ている那由多……
「お前……」
俺が言いかけた時に人差し指で口元を押さえつけられ
「安心して。あの頃の私のままよ。現実の体は、維持出来なくなって消滅。元々はクローンの体に私が入っていただけだしね
意味の無い体よ」
……
「で、消えるのか?」
彼女が微笑むと
「君に寄生した。一心同体よ」
……
「殺してやろうか?」
スライムが剣になろうとしたのを、手をかざして
「無駄よ。貴方が死なない限りはね」
諦めて寝転がり……
「で、これを見せてお前は何がしたかった?」
彼女は空を見て
「第二次を止める為のヒントよ。私は君と行くけど、君はどうする?。依頼的には達成したよ?」
……
確かに……だけど……
「いや、このまま止めに行く。お前が協力してくれるなら……
クトュルフ時代の時はチャラにするし、勝手に死んだ事には目を瞑る」
彼女は微笑みを……いや、不敵な笑みを浮かべて
「なら、始めよっか」
そう言って立ち上がり手をかざしていた
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骨の龍……正確には骨が剥き出しの屍の龍の上に。流石に道徳に反してるが……
性格が終わってる上に倫理の欠けらも無い那由多だからこそ許されてる能力……
「話をすると。リチャードは一つの街……聖騎士に最も近くて聖騎士の癒着が強い街に仕掛ける可能性がある
君に見せた物語はその街の悲劇を体験したくて見せてたの。あの少女は私の言わば案内人で私はその子を介して君を見ていた
で、私は君の命に私の命を預けて私は君を強化する。クトュルフ時代の時の完全系をね
私は完全に死者として能力により生きてる状態。君の適応する力で私に強制的に適応して、あの時の最強だった君を戻すの」
……
「アレは彼奴の力でだろ?。出来るのか?」
彼女は頷いた
「倫理を無視すればね」
……
聞きたくは無いけど……
「簡単な話。この地の無数の魂を利用する。それと宙の神……クトュルフ……旧支配者……つまりは私を使ってね」
……
「それは知らんが?」
彼女は平然と
「言ってないからね。まぁ、どうでもいいや。取り敢えず……街に着いたから……始めるよ」
立ち上がるのと同時に、彼女は手をかざすのを止めると上空へと放り投げられる
屍の龍は消えて、そのまま自由落下のまま落ちていく
「学校内の何処かよ 」
目の前まで地面が迫っていたのと同時にスライムにより着地した……
「流石に街に落とすわけないじゃない。さて、私は限界に近いし、君の中に戻るとする。常に君の視界を通して見てるから好き勝手していいよ」
そう言うと消えていく。本当に……縛られない辺り……本物だな
「で、どうしろと……て、彼処に侵入出来れば良いのか」
そのまま、遠くの方の大きな大聖堂の様な建物を見た。流石にとは思わなかったけど……
「結構関わり深いな……」
中に入ろうにも……邪神は流石に駄目とは……
「入れるのかい……」
目は節穴なのかとツッコミたくなるほどにすんなりと……ただ、流石に聖騎士で聖教会。精神が削られるのと同時に若干の加護的な何かを付与されてる
まぁ、見られたら問題だし……平然とするべきか……
てか、触手引っ込んでるし、普通の男としての姿に戻ってるし……
「どうなってるんだ?」
クトュルフとしての意思が抑えられてる……?。て事は……那由多か?
まぁ、すんなりと入れた理由は分かったけど……流石に武器まで没収無しは良く分からん……
こう言うのは大抵は没収されるとかじゃないのか?
他の街なら分かるけど……ここは聖教会……聖騎士の国だろ?。安全なら……されない理由が分からん……
「……」
と思ったけど……騎士が囲む辺り……
「ご同行願おうか?」
……
これ、面倒になりそうだな……
「私だよ。リチャードに報告の為に来たのよ」
急に真白が出て来て、そのまま俺の前に立つ。騎士が真白を見てから
「だが、彼は始末する話だったのでは?」
は?
「気が変わったのよ。確かに殺したい程、愛してるけど……
こんなくだらない事で殺すのは私にとっては無意味で、殺るのなら……他の君達の様な人間よ」
それだけ答えると俺の手を引いて歩いていく
「おまっ!」
彼女は人差し指で口を近づけていた。黙ってろの意味だろうな……
暫くして人気の無い宿?の場所へと入り
「リチャードの報告なんて嘘よ。だって、アレ、人間じゃないし、何なら……本物かも怪しい
私は本物で且つ、君が好きだからね」
……
「で、どうするんだ?」
俺が聞くと
「取り敢えず……明日まで持てば良いけど……無理なら今よ」
……
本当に大丈夫なのか?
「簡単に言うと……戦争をする。私と君とで。で、私のクトュルフを教えると……
『最古・新人類種』よ」
……
「知らんけど!?。てか、聞いた事ないし……お前、死者を操るんじゃなかったのか!?」
彼女は笑みを浮かべて
「それは能力の一部よ。私根本は人間を自在にする事。命令も死者も……洗脳も催眠も道徳、倫理、人間のありとあらゆる全てを思考支配し人間そのものを操る力よ
人間に関わる全ての現象もね
君に教えたのは飽くまで一部よ」
マジかよ……
「お前倫理どうなってるんだ?」
彼女は肩を竦めて
「公園で野良猫を愛でていたの。最初こそは普通にね
ただ、ある日……
その野良猫を解剖した。肉体の造りや構造、やがて全ての動物の解剖をね
ふとしたのよ
人間の造りはどうなのかてね?。まぁ、犯罪だからしなかったしやれなかったけどね
ただ、あのゲームで……私の望みは全てを叶えて、人間の全てを理解したつもりだった
出来なかったのは……君みたいな予想外のことをする事よ」
……
「つまらない話しだし終わり。因みに……動物を虐めたら駄目だからね
犯罪になるし、組織に怒られる。私は壊れてるから」
出来ないし……しようとも思わない……




