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第三十四話『楔』

国王様に話すと


「お前……そっちの方が重要だろ?」


ご最も……


「まぁ、離さないよ。だって、こんな事になるのなら初めから巻き込まずに破壊した方がいい


ただ、今は話すしかないだけ


問題なのは……その楔が人間にも及ぶとなると……」


もう、個人問題じゃなくなってくる……面倒な事をしてくれる。本当に……


「ふむ。まぁ、やらかした訳じゃないのなら問題無い。死人もまだ出てない。街は復興すれば問題ない


問題なのは……」


悪魔だよなぁ……


「で、気になったがその子は?」


聞いてくるから


「あー、フェンリル。と言ってもクトュルフ神話の狼、ミゼーアだけど


俺の眷属だな」


そう答えると


「なるほど……て、おい!」


俺が首を傾げると


「神獣に何してるんだ!?」


そっちか……


「楔を回避するにはそうするしか無かった。問題が無ければそのまま戻すつもりだったけど……


こうなってしまってはどうにもならないな」


本当に厄介な事をしてくれたよ。リチャード……


「出来るのか?」


俺は首を横に振って


「短期間ならな。問題はフェンリルがこっち側に完全に来てしまったからもう不可能だな


さて、それを踏まえて……フェンリルには、クトュルフの力を引き出さないとな。悪魔と戦いながらな」


そう答えた。まぁ、簡単な話……この世界にクトュルフを無理やり食い込ませる


「さっきから言うが……クトュルフ神話とは何ぞ?」


あっ……


「簡単に言うと邪神だな。まぁ、少なからず……俺はその神に愛されてしまった哀れな不死者だな


と、そんなのはどうでもいい。取り敢えず……フェンリル。やれるか?」


手を握る。喋れはしないが……触れれば意思疎通は出来る


『やるしかない……』


そう落ち込むなよ……


「じゃ、国王。タイミングは俺がするから……先に送ってくれ」


国王は渋々な顔をして俺を悪魔の居る街へと飛ばし、それとと同時に剣を抜いて、瓦礫の山を蹴って一気に悪魔の前へと出た


悪魔は反応して防ごうとするのを、蹴りで弾いて、手を地面について一回転しながら、悪魔の腕の骨を折る


そのまま、起き上がり、悪魔の首を跳ねるつもりで斬ったが……勿論、躱され、弾き飛ばされる


何回か地面に打ち付けられながら体勢を立て直し、悪魔を見る


「流石に……か」


剣を地面へと突き刺して


「スライム!」


俺が叫ぶとスライムが剣へと重なり元の姿へと。そのまま、手を翳し


「『赤女王(レッドクイーン・ファルシオン)』!!!」


無数の血の炎が剣に絡みつくと、柄の部分が変化し鎌のような姿へと変わる


そのまま構えて一気に振り下げると、炎が舞い上がり悪魔を包み込む


その炎が血のように、周囲へと撒き散らし引火し更なる炎が周囲を燃やし尽くしていた


そのまま走り出し


「やれるか?」


スライムに聞くと震えて、その反応で俺は、一気に悪魔の懐へと潜り込み、下から鎌を一気に振り上げて引き裂く


炎が傷を焼き付くし、舞い上がった血が一気に爆発すると


「国王!!!」


俺が叫ぶとフェンリルが飛び出し、炎の中に手を突っ込んで何かを破壊したのと同時に炎事凍らせて周囲に根を張るように食い込ませていた


俺とフェンリルは後ろへと下がり、剣は元の姿へと戻り、スライムはフェンリルの肩へと引いていた


「流石に核を破壊すれば問題無いだろ?」


フェンリルは手を広げると粉々になった楔が地面へと落ちていき


『だと……いいけ……不味い!』


フェンリルがそう避けるのと同座に氷が砕け散り悪魔が再生しきっていて


「……マジか」


そのまま剣を抜こうとしたら時に、悪魔が明後日の方向を見たのと同時に飛び去って行ってしまう


俺とフェンリルは唖然として


『終わり所か……逃げた?』


あの感じ……


「呼ばれたから向かった感じだな」


問題はその先の方角。イリアスによって教えられた聖騎士の国……リチャードが居る場所……


データを取られたか……?


いや、まだ出してないから大丈夫……けど、面倒になった……


追うにしてももう不可能だし……


「国王」


俺がそう判断すると転移した


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「そうか。まぁ、一時しのぎなら……どうするか決まってるだろ?」


まぁ……考えが無いわけじゃないけど……


「フェンリル。お前と同レベルで、相手にするのが厄介なのは何か分かるか?」


まぁ、フェンリルじゃないけど……フェンリルで良いか


『居ない事は無い。ただ、本当にそうだとしたら、面倒になる』


……


「確認がてら行ってみるか」


俺とフェンリルが行こうとした時に


「待て。今から行くのは遅いだろ」


そう言って手をかざすと


「マジ……」


気が付くと転移していた。国王……便利移動装置になってる……不味い気がするけど……緊急自体だし……仕方が無いか


『この先……だと思うけど……』


うん。暗い……俺でもこれは気付く。完全に何かあった。フェンリルの方を見るとファイナルは頷いていて、俺とフェンリルは走った


暫くすると燃え広がる森の中心に楔が胸元に打ち込まれた炎の鳥とその横にあの悪魔……


剣を抜こうとしたら


『子供』


フェンリルは指を差した。その方向を見ると子供が火の鳥に縋るように泣いてる感じだった


「……やってくれたな」


剣を抜いたのと同時に飛び出した。その時に悪魔が火の鳥を取り込む様にして飲み込むと、無数の炎が周囲を広げて爆発させていた


そのまま、俺は受け止めるの同時に地面へと落下していき、体を捻り触手で受身を取りつつ、そのまま地面へ転がりながら、剣を突き刺して、木に叩き付けられる


「はぁ、取り敢えず……」


炎が目の前に降り注ぐのと同時に、抱えてるものを庇った。その瞬間に爆発し一気に吹き飛ばされ、視界の先に……蹴りが目の前まで迫って受けるが……


『殺らせない……』


受けた蹴りが弾き飛ばされ、そのまま抱えられる感じで飛んでいた


そのまま、距離が離れると、俺は抱えていた子をそっと様子を見ると


ずっと泣いている。俺はフェンリルを見ると


『フェニックスの子供。多分、あの炎はこの子の親……厄介な事になった』


優しく撫でつつ悪魔の方を見ると、炎を纏って動かずに俺達の様子を見てる


試そうとしてるのが見えてる


「楔は手遅れ……となると、次もか?」


立ち上がり、フェンリルの後ろに引くと


『かも。ただ……今はこの状況をどうにかしないとな』


……


「なぁ、お前。取り戻さないか?」


……


「取り戻す力を貸すから……お前は俺に力を貸してくれ」


炎が舞い上がり、俺の肩に乗る。その方が黒く染ってやがて俺とフェンリルを包み込む


それと同時に赤い炎を飲み込み全てを覆い尽くして、悪魔へと飲み込もうとしていた


その炎が赤い炎を盾とし防いでいて、全てが消えると黒く染った地面と木々が姿を現していた


「お前の親を取り戻す」


フェニックスを思いっきり飛ばして、フェンリルを見てから一気に走った


フェンリルは分かったのか飛び上がってフェニックスの上へと飛び乗って一気に進んでいた


「面倒だけど……」


悪魔の前へと飛び出して、胸元を思いっきり殴るのと同時に剣で引き裂くが……


悪魔はそれをただ受けた上で、そのまま俺の腕と足を吹き飛ばし、顔面に向かって……


「スライム!」


攻撃がスライムにより防がれ、そのまま、足と腕を回収した上で、無理矢理引っつけて、蹴りで遠くの方へと吹き飛ばす


勝てないのは分かりきってる


なら……


やるのは……


「お前の言葉で届けろ」


俺は悪魔を掴み、そのまま更に距離を引き伸ばした。それと同時に赤い炎と黒い炎が舞い上がり周囲の温度が上がり高温へと上昇していた


それを見た悪魔が炎で俺を引き裂き、そのまま炎へと向かっていく


「此奴……!」


俺は行こうとした時に膝を着いてしまう。お腹を見ると赤く染っていて、傷口を抑えながら


「……クソ……フェンリル……頼むぞ……」


俺はフラフラとなりながら立ち上がり歩いた

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