第十五話『元教祖』
『十五話だと思う……』
『それでは本編へどうぞ』
急に飛び出したと思ったら彗星を抱えて戻ってきて
「……スクランブルエッグ……壊死……ほぼ……生きてるのが……奇跡……」
何の事かと思ったけど……見てみると……
「同時に使うとは思わないだろ……これは俺が悪かった」
それだけ言うと
「……罵詈雑言……」
俺は深々と頭を下げてしまった
「で、大丈夫なの?。彗星は……」
寝かせると優しく撫でていて
「……
もう一回……
内蔵……スクランブルエッグ……
片腕片足……壊死……
視力……ほぼ失明……
……結論……
生きてる……のが……奇跡……
次……使えば……死ぬ……」
二回も言わんで良いんだが……分かってるし……誰が見てもだ……
にしても……無茶も良いところだし、自殺する様なもんの攻撃の仕方だったからな
その時に彼女が触手を生やしていて
「だから……治す……」
そう言うと彼女の触手が彗星の中へと入り、彗星の内臓が吐き出されていく
全ての触手が彗星へと入ると彗星の体に触手の這いずりが見えて、やがて見えなくなると、彗星はゆっくりと目を開けていて
「……最悪」
それだけ言って不機嫌そうに起き上がっていた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
歩く歩く。血が周囲に飛び散り、人間や化け物とも分からない肉塊だけが転がる
臭いも酷く一部は腐ってる
それを踏み潰しながら歩く
突き刺すような音が響く。やがてそれが鮮明になった時に
「やはり、やっていたんですね。それに……この状況理解して殺してるのですか?」
私が聞くと、その存在は振り返り
「えぇ。分かってる。分かってるし、これは救済」
……
「どういう意味ですか?」
その存在に聞くと、興味を無くしたのか立ち上がり……私の前へと来ていて
「どういう意味も無く救済。人間の器からの救済。それに、君がどうこう言おうが関係無い
私の救済を邪魔するのなら殺す」
私は手を挙げて
「するつもりは無いですよ。運営を見たのなら理解してるですよね?。今の君なら……」
そう言うと
「えぇ。ただそれがどうしたの?。あっ、病気で感染したプレイヤーが死ぬと現実の死ですか?
アハハ……そんな馬鹿げた発想。誰が信じる?」
……
「私と君の仲だ。教えてあげるし、はやく、私を貴女が保護する彼女へと合わせて?
私を殺し殺す事が出来る彼女だからなんだし、愛してるのよ?」
……
「分かった。けど、約束して欲しい事があります」
存在は面倒くさそうに頷くと
「仲間の安全を保証してください」
彼女は笑みを浮かべ嬉しそうに
「えー、どうしよっかなぁー」
……
「君の条件を飲む。それで」
彼女は私を見て
「良いわ。それを飲んであげる代わりに……私からは一つ。彼女……
中身を私の手で殺させる事」
そう来たか……
でも、この状況でひっくり返せるのはこれしかない……
「冗談冗談。殺したいの山々だけど……私もこの状況面白くないのよねぇー
だからさ、君がした禁忌を私にして、彼女に移して欲しい。出来るでしょ?。何せ……別々の魂と体を一つにした君なら……それとも無理?
なら、彼女を殺す
私は彼女の存在そのものが欲しいし、彼女の体で彼女が壊れるまで暴れたいのよ
それこそ……君が私にしたように……ね?……
元宗教のお偉いさんの茜ちゃん」
……
「彼女に裏切れと?」
存在は首を横に振り
「違う違う。君が大切にしてる彼女をもっともっと理念に近しい形で作り上げてあげるのよ?
不死で望む形の兵器へとね?」
此奴は……
「交渉決裂ですね」
私が振り返り歩いた
「えー。私が居ないと駄目なのに?」
無視してその場を立ち去ろうとした時に
「なら、私のパレードを見ていこうね!」
殺気で振り返るのと同時に思いっきり殴られて意識が遠のいていく
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そう言えば……
「情報屋遅くないか?」
俺が聞くのと同時に彼女に突き飛ばされて、彗星に受け止められる
「あは。久しぶりぃ。会いたかったよー。月雫」
優しそうな声をした少女が出てくると何かを地面に落として
「……私もよ…………朔夜……」
そう言って目線を落としていて
「あー、安心して。生きてるから。でもぉ、交渉して来たのに……私の出す条件を受け入れられなくてね。だからこうして……実力行使しに来たのよ」
そう言って蹴りを入れて俺達の見える場所へと押し出していた
「……何が目的……」
触手が攻撃を仕掛ける為に……
目の前が……情報屋で傷だらけで気絶してるのだから、彼女は切れてるのは分かる
「目的も何も……簡単。殺しに来た。けど、それじゃ、面白くないからさ……
私と一つになって、君をもっともっともっともっと……救済する神へとなり、全ての人間を救済する為の存在へとなってもらいたい
それが、私が君への最大限の譲歩よ」
何の話……?
「……変わらない……いや……変わろうとしない……
でも……私は……昔と……違い……弱い……」
そう言って歩き出して彼女の前へと立つと
「……やってみろ……」
その瞬間に周囲が黒いモヤと共に爆風で全てが吹き溢れ目の前が見えなくなる
「アハハ!。やってやる!。分かってんだろ?」
その声と共に俺と彗星は吹き飛ばされ、無数の触手が周囲を破壊し壊していく
やがて全てが晴れると……月雫だけが残って立っていた。ゆっくりと立ち上がり近づこうとしたら
肩を震わせ
「アハハ……手に入れた……やはり、弱いから負けた……」
その言葉で、俺は変幻して攻撃を仕掛けようとしたら
「あー……なるほど……」
振り下げた剣と刀を素手で受け止められる、刃渡りを握ると地面へと叩きつけられ、思いっきり踏みつけられる抉られる
痛みで朦朧とするのを彼女を見た時に彗星が斧で攻撃しようとしていたのを
「無駄……それに……戦う気ないのになぁ」
その裏拳で弾くと、腕を掴んでそのまま俺の上へと叩きつけられ、俺は息が出来ないほどに蹲る
「さて……生き残りの体、最愛の月雫、そして、私……フフ
茜ぇ
分かるよね。この意味……?」
俺と彗星の前に、腕を抑えながら情報屋が前へと立っていて
「……君は何がしたいのですか?
それと、私の患者を返してください」
そう言うと彼女は笑って笑って……無表情になると
「言ったまんまよ。君達も……救済してやろうか?
いや、面白くないし……このゲームを利用して、新たな神を生み出そうとしてるの、やっぱり気に食わないわ」
そう言って歩いて……情報屋のや前へと立つと
「守りたければ……私をどう扱う?
フフ……勿論……無げにすれば……
私が私を殺し……次は君に伝染る……
分かるよね?。私をこのままにして引き止めておいた方が、メリットもあるし、結構……融通きくよ?」
そう言って首を掴み地面へと叩きつけたのを、俺は動こうとしたら、触手が俺の首ギリギリまで迫っていた
彼女のスカートの中から伸びていて、彼女の力を利用して動かしてる……
「……あの時に君は死ぬべきだった」
そう言うと彼女は笑いが堪えれなかったのは声無き声で笑い優しく頬を撫でると
「死んでるよ。そして、私はこの電子の世界で蘇ったのよ」
そう言って、立ち上がり手を挙げて笑い笑いだし
「凄く気分が良い。死を超え……死んだ人格と死んだ体の混じったこの体を私が使う
彼女をようやく殺し私が彼女になれた
これで、人類の救済が出来る」
そう言って睨みつけていて
「……狂ってる」
彗星が立ち上がり斧を手にしようとした時に
「狂ってる?。違う違う
私はこの女に狂わさせられたのよ。この女が居なければ……このゲームは生まれなかったのだから!」
そう言って首を掴むと一気に岩に叩きつけ
「どういう意味……だ?」
彼女は俺を見て
「この女は宗教の元教祖。確か……理念は世界平和だったけ?。その結果がこのザマ
乗っ取られ、追われ、挙句は私やこの体……大切にしてる子さえ実験材料となり、生かすには混ぜるしか方法の出来ない力を持つ
ただの犯罪者。狂ってるのはどっちかなぁ?」
そのまま、投げ飛ばして俺の方に歩いて
「でも、それももうお終い。私は彼女の彼女の為に救済をする
だって、もう馴染んだ。後は……執行するだけなのだから」
支離滅裂過ぎる発言だった……
『今更ながら十五話のストックが真っさら……多分合ってるはず……』
『それでは今回はここまで。次の話まで……またね!』