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電界異聞禄アルターエゴ  作者: 佐々牙嵯峨兎
1章 The hierarchy of lust
9/25

Digital9.才能ある問題児

「ウ、ウゥ……あれ? ココって自室か?」


 俺は少し首をさすりながら周りを見る。そこはいつも通り俺の自室だった。

 しかしなぜか首に何かを叩かれたような痛みがある。俺は少し洗面台の鏡で見る、するとそこには蒼い痣があって驚いてしまう。


「「な、なんじゃこりゃー!?」」


 俺は驚きのあまり、寮に響くほど叫んでしまう。だがなぜか声が重なったような……?

 そう思っていると誰かがドアを強く叩いている。

 俺は痣の事が気になるが、急いでいるかもしれないから俺はドアの所に早歩きで向かう。


「はいはい、今開きますよ~ってイザナ!?」


 俺は少し落ち着きながら扉を開ける。するとそこには俺と同じ首をさすっているイザナがいた。

 俺はどうして首をさすっているのか聞くと、どうやら起きたら出来ていて、心当たりがないから俺に相談してきたと。

 う~ん、それ絶対マリアさんの所為がするかも。俺は少しパワードメイドの顔をもい浮かべる。

 するとマリアさんは少し首を傾げながら、ピースしている。

 いや、何でピース!? それにやっぱりあんたかよ! 通りで首が痛いわけだ。

 マリアさんのパワーに呆れていると、一階で寮長が俺とイザナを呼び掛ける。


「おーい、お前達そろそろ降りてこーい!」


 寮長は何かを叩きながら俺達を呼んでくる。そう言えばそろそろ朝食の時間だな。

 首の痛みは後にするか。そう思いながらイザナと一階に降りる。

 一階に降りると食堂に量が多い料理が置かれて、一品に一つのトングを置いてある。

 俺らはトングを使って料理を皿に盛り、それを元の場所に戻して椅子に座って食事する。

 俺が取ったのは唐揚げとエビフライ、あとはサラダと塩鮭だ。イザナはハンバーグとエビフライ、それにハンバーグやミートソーススパゲティだ。

 俺は「少し栄養面に気を付けたほうが良いんじゃないか?」と言おうとした時に怒号が響く。


「何すんだよ! 後輩のくせによぉ!」

「あぁ? 他人が取ったものを奪っているくせに何言ってんすか?」


 突然の怒号に驚きながら声の主の方に向く、茶髪の先輩に文句言っているのは目つきの悪い同じ生徒だった。

 その姿はこげ茶のロングの上に赤のメッシュで、目つきは吊り目のクリムゾンで、体格は細マッチョである。

 その生徒は先輩の脅しに臆さずに言う。


「何で自分から取りにいかないんすか? もしかして目が悪いんすか?」

「こ、こいつ……!」


 茶髪の先輩は青筋を込み上げながら、拳を強く握ってギリギリと歯を鳴らす。

 あれはかなり怒っているな。他の人がこげ茶の生徒に指しながら小声で話している。


「オイオイ、朝っぱらから喧嘩かよ……できれば別の場所でやってくれよ」

「ホントだよな~。なんでも一年の頃は部活に熱を入れていたのに、廃部になってあんなにグレちまったしな」


 生徒が小声で話し合っている間に茶髪の先輩が拳を強く握って、こげ茶の生徒に殴り掛かろうとした時に寮長が止めに入る。


「少し落ち着け。一体何が起きたか知らんが、ここ喧嘩沙汰を起こすな」

「アッ!? こいつが俺の飯を奪ってんのに黙っていろと言うんすか!」

「ケッ……下らねぇ」


 こげ茶の生徒は茶髪の先輩の態度に呆れて、サンドイッチを二個とってこの場から去る。

 寮長はこげ茶の生徒を呼び止めるが、当の本人はサンドイッチを頬張りながらこの場から去る。


「朝からあまり良くないものを見たな」

「そうだねー」


 俺はイザナにさっきの事を言う。しかしイザナは軽く答えながらエビフライにかじりつく。

 その後は朝食を食べ終え、そのまま学校に登校した。

 そして授業を終えて今は――。


「オラッ!」


 俺は片手剣で心の影(シャドウ)を倒しまくっている。霊気アルカナを宿すには大量のコンパクを入手するためと、経験値でレベルアップをするためだ。

 小型心の影(シャドウ)は五コンパクで、中型心の影(シャドウ)は50コンパクだ。

 経験値も心の影(シャドウ)のレベルで決められている。沈黙のマーヤーが1、根暗なスウォローが2だ。

 それと稀に出会う子悪党のラットはレベル1だが十倍の経験値を入手する事ができる。

 しかし子悪党のラットを倒せたのは一体だけであった。その理由は物凄く素早くて、ある程度時間が経つと瞬時に逃げられてしまうからだ。

 それからずっと時々アルターエゴを召喚しつつ、心理之迷宮(アルファポリス)を探索していると、二つ目のセーフルームを見つけて一時休憩する事になる。

 俺はリュックサックに入れてある菓子パンとジュースを飲み、ステータスを展開して今の状況を確認する。


【名前】  クロード・夜神やがみ

【レベル】 4


【HP】   241

【SP】   78


【攻撃力】 24

【防御力】 28

【魔力】  27

【素早さ】 32

【運】   23


 レベル1~4になっただけだが、これならこの層の心の影(シャドウ)をサクサク倒せるほど、能力がアップしているし、コンパクが1500までたまっている。

 それにこの層の探索率が95パーセントだし、100パーセントになったら探索を終えるか。

 そう思っていると一人の青年が俺達の方にやって来る。

 俺はそれを見て驚く。


「だ、誰か助けてくれ~!」

「ッテ、朝見た茶髪先輩!?」


 朝で見た茶髪先輩は大粒の涙を流しながらこっちにやって来る。

 茶髪先輩は俺達に気付くと一気にやってきて、俺に抱き着いて頼む。


「た、頼む! ダチと変なドアに入ったら、訳分かんねぇところに飛ばされて、向こうで白夜がダチを守りながら戦ってくれてんだ。だから助けてくれ!」

「わ、分かったから近くにあるセーフルームに言ってくれ!」


 俺は少し驚きつつも近くにあるセーフルームを教え、茶髪先輩はセーフルームに向かって走り、俺達は白夜と呼ばれた青年と茶髪先輩の友人を救出する。


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