Digital25.悲劇の事件前編
俺達は急いでお仕置き部屋に向かう中で、一体の兵士心の影が前に遮って立ちはだかる。
兵士心の影はさび鉄のブレードになって叫ぶ。
『貴様ら、いつの間に――』
「邪魔するんじゃねぇ!」
しかし兵士心の影は白夜の爪で引き裂かれ、言い終える前に切り裂かれて消滅する。
悪いが俺達は急がないといけないんでね。だからこのまま強行突破させてもらうぞ!
俺はそうおみながら走り、次から出てくる兵士心の影は皆で倒していく。
しかしその中の兵士心の影は見た事無い姿になる。
見た限り妖精に近い。だがその妖精は仮面を着け、赤く染まった弓を構えていた。
視界に求愛のパピヨンと表示され、求愛のパピヨンは俺に向けて矢を射抜く。
俺は求愛のパピヨンが撃ってきた矢を〈コルトM1900〉の.38ACP弾で弾き飛ばす。
クソ、新手の心の影か!? こいつの弱点はまだ未明……だから――。
「式神、ヒート!」
手あたり次第属性を食らわせる!
俺は式神を召喚してヒートを放つ。しかし求愛のパピヨンはヒートを食らっても少しだけダメージを食らった。
ヒート属性に耐性があるのなら……これならどうだ! 今度はゴーストに変えてスキルを放つ。
「ゴースト、アーク!」
俺はゴーストに変えて求愛のパピヨンに向けてアークを放つ。求愛のパピヨンはアークを食らっても倒れずにいる。
アーク属性も弱点じゃないだろう。そう思っているとイザナがスライムを召喚する。
「まずはパワーアップで攻撃力を上げて……激突だ!」
イザナはスキルで攻撃力を上げ、スライムは求愛のパピヨンに向けて激突する。
求愛のパピヨンはスライムの激突を食らい、吹き飛ばされながら消滅する。
求愛のパピヨンの弱点は分からずにいるが、このまま進める事ができるな。
俺達は他の心の影を倒しながら突き進んでいく。
▲▽▲▽▲▽
この城のとある場部屋に四人いる。一人は中世ヨーロッパで黄金の鎧を着ており、他は軽い服装を着ている。
だが黒髪が腰まで届きそうな少女は白く輝く大理石の十字架に磔られている。
しかし問題はそこじゃない。磔にされている少女と同じ姿をした少女が王冠と紅いマントを付けたパンイチの男の腕に抱き着いていた。
少女は磔にされている少女と同じ顔立ちになっている。だが恰好は黒と白のチェック柄で猫の尻尾が付いているボンテージを着ており、頭には猫耳のカチューシャの上に煌びやかなティアラをのせている。
ティアラをのせた少女は王冠の男に艶やかな声で聴く。
「ねぇ~? 私と似ているなんて、アスモデウス様はどうするのですかー?」
アスモデウスと呼ばれた男はニヤニヤと笑いながらティアラの少女を落ち着かせる。
「落ち着くんだ、俺の愛しい子猫ちゃん。仮にあいつ等が来たらこの偽物を人質として扱うんだよ」
「キャァァ! アスモデウス様その発想悪すぎー」
ティアラの少女は黄色い悲鳴を上げながらアスモデウスの腕に抱きしめる。
アスモデウスは腕に伝わる柔らかい感触に鼻の下を長くする。そのまま鼻の下を伸ばしながらティアラの少女の頭をなでながら言う。
「お前はいい子だなぁ……」
アスモデウスはティアラの少女の頭をながら言うと、磔にされている少女が少しずつ目覚める。
一体何だろうと思いながら起き上がると、そこには自分と同じ少女がパンツ一丁の変態親父になついていた。
それだけでも驚きだ、しかし少女の恰好はとてもきわどく、とてもスタイルを強調させるようなものであった。
磔にされている少女はそっくりさんの恰好を見て、瞬時に湯沸かし器のように顔を赤くして叫ぶ。
「エェェ! 何なのこれ!?」
少女もとい霊は今起きている事に驚き出すが、アスモデウスは開いている方で頭を掻きながら呟く。
「何だ……って、もう起きたのか?」
「オォォ、思ったより早いなー」
アスモデウスとティアラの少女は霊が予定より早く起きた事に感心するが、当の本人は一体何が起きているか分かっていない。
だから少しだけ冷静になって思い出す。
(えっと確か私は変な声でセーフルームって言う部屋から出て、そのまま進んでいたら兵士に連れていかれて……って、まさか!)
少女は一つの考えをまとめてアスモデウスに向けて聞く。
「もしかしてクロード君達が言ってた危険な人って――!」
「はーい、放すのはそこまで」
霊はクロード君達が言っていた事に言おうとしたら、ティアラの少女は霊の口を塞いで黙らせる。
霊はいきなり何をするか言おうとするが、口に布を塞がれているからまともな言葉を発せずにいる。
その様子を見ていたティアラの少女は霊に耳打ちする。
「それよりも……あなたは親友を見捨てた事があるでしょ?」
「――!?」
霊はその事を聞いて驚愕する。どうしてこの事を知っているか聞こうとする。だが突如大きな音が響き、そこからクロード君達がやって来た。
▲▽▲▽▲▽
俺達はお楽しみ部屋らしき扉を蹴り破る。するとそこにはバスケ部の女子部員が床に転がりながらおねだりしている。
その様子を見た白夜は歯を強くかみ締めて呟く。
「アイツ……女子部員の事をそんな目で見たいたのかよ……!」
先ほど聞いた宮崎壮一とは同じ人物だとしたら、これは俺でも許せられないな。
俺は磔にされている霊を見る。するとそこには格好は違うけど、顔や姿が霊とそっくりな少女が霊の横にいた。
少女は俺達に気付くと、霊の口を塞ぐ布を外す。霊はようやく喋れるようになって俺達に聞く。
「白夜にクロード君達……何で武装しているの!? それにこの兵士様子がおかしいし……」
霊はこの状況について聞くが、白夜は声を荒げながら聞く。
「それはこっちのセリフだ! 気絶させた上に置手紙しておいたのに何で兵士心の影に捕まっているんだよ!」
「えっと……それは、その……」
霊は白夜の質問を聞いて気まずそうに目をそらす。
しかし少女は手をブレード状にして霊の首に当てる。俺は慌てて制止する。
「止めろ! お前らの目的は俺達だろ? だったら俺達を殺し――」
「アスモデウス様はそうだけど……私はこの子の記憶と形が欲しいから無理そー」
俺は少女が言った言葉に首を傾げる。
記憶と形? 一見すれば霊とそっくりな少女だけど、相手は心の影だ。だけどどうして記憶と形を欲しているんだ?
そう思っていると映像越しでイズナさんが説明する。
『あの心の影の目的は彼女と入れ替わる……つまり双陰化を狙っているんだ』
「双陰化?」
俺はその言葉を呟くと少女もとい姫様心の影は双陰化について説明する。
「双陰化は元のなる人物が絶望してその記憶と形を自分の者になれる。マァ、分かりやすく言うならウ●ードに出てくるフ●ムに似ているよ」
姫様心の影は説明し終えると、ブレード状になっている手から注射針に近い針が霊の頸動脈に深く刺さる。
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