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魔法使いと繋がる世界EP3~Clover destiny & World end archive~  作者: shiori


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第十二話「Clover Point」7

 ―――内藤達也×永弥音唯花SIDE


 上機嫌な様子で日差しの強い中、唯花が先導して休みことなく土産屋を回る、僕はその後を付いていく。


 両親や舞、ファミリアの人たちに感謝の印にお土産を買って帰りたいらしい。

 唯花と一緒に京都を回れることになったのは幸運なことだけど、唯花はゆっくり僕と話す様子はなく、なんとか気を紛らわせようと時間を潰しているようだった。


 食事は露店で済ませ、ゆっくりする間もなく次の場所へと移動する、そんなことを繰り返していると唯花は唐突に口を開いた。


「―――カラオケにでもいこっか? 私、歌いたくなってきちゃった」


「いいのか? せっかく京都まで来たのに」


「いいでしょ? 最近、ずっと部屋の中に籠ってばっかりだったから、カラオケ行ってなかったのよ」

 

 明るい調子で暗いところを一切見せることなく唯花は言った。

 それが、無理をしていることは嫌でも分かった。

 でも、僕には唯花のしたいことを止める、そんな勇気はなかった。

 

 京都まで来たのだから行きたいところがある、唯花と見たい景色がある、そう伝える勇気が僕にあれば、どれだけ救われただろうか。


 今の状況を自分の意志で変えることが出来ない、それは悲しいことだった。

 そんなことを思いながら、僕は唯花の言葉に頷いて、カラオケボックスへと向かった。


 いや、それでも僕は幸せでいっぱいなのだ。


 唯花と一緒にいられること


 唯花の歌を一番近くで生で聞けること


 唯花が露店で買ったきゅうりの一本漬けを、無邪気な姿で笑いながら食べるのも


 全部、神から与えられた一時の幸福と思えるほどに、幸せなんだ。


 だから、僕にはこうすることしか出来ないと、認めるしかなかった。

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