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14, 秀恵高等学校の秘密(1)

「なんだと……!? 席に順番なんてあるのか」

「えーっと、教室の黒板に張り紙があってそこに書いてあるよ」


 席順。てっきりどこの席でも大丈夫だと思ったが違ったらしい。施設にいた時も管理しやすいようにとそれぞれ番号が振られていた。それと同じ理屈だろう。


「なるほどな、てっきりどこに座ってもいいものだと考えていた」

「……う、うん。そうだよね、普通はそう考えちゃうもん……ね?」


 『もしかして天然さんなの?』という目を向けられる。


(……やめてくれ、その不思議なものを見る純真な眼差し)


 今度こそしっかりと席順を確認してから席に座る。その時だ。伊織の時とは比べ物にならないほどの歓声が廊下から聞こえてきた。


「あれは………………誰だ?」


 透き通るような金髪に伊織以上に美形な顔立ち。眉目秀麗。そして何よりも奴の雰囲気は他のクラスメイトとは異なり桁違いの重圧感があった。ダンジョンに潜ったことのない伊織にでもその男の強さは分かるほどだ。


「うっそ、あれもしかして天沢英介じゃね?」

「え、もしかしてあの人もこの学園に来たのか」

「あんな実力者がいるなんて、さすが秀恵学院だ」

「にしても、やっぱAクラスだよな」


(……なんだ、有名人なのか?)


 天沢と呼ばれたその男子は前の方の席に座ると周りに人が集まり始める。その人気と注目度は先ほどの伊織を霞ませる。


「はいはい、時間だよー。みんな早く席に座って」


 そんな時に教室に入ってきたのはなんとも個性的な容貌の教師(?)だ。


 口調や制服ではなくスーツ姿なことからも間違いない。紫色の髪色にお団子が二つ、熊の耳のように結われている。だが蓋を開ければ幼顔で背も低くスーツを着ていなければ小学生と見紛うほどだ。


 生徒が席についたことを確認するとその教師は教卓に立つ。高さが微妙に釣り合っていことを除けば普通の光景だ。


「……こほんっ」

「…………」

「……えーっと、まずは何から始めればいいんだっけ?」


 沈黙を貫いていたが教室中が『大丈夫かこの人?』と言わんとする空気が教室中を包み込む。


「あ、そうだ。とりあえずみんな、入学おめでと。気づいていると思うけど、君たちは入学試験の中でも優秀な生徒を集めたAクラス。所謂、エリート集団って事になるね」


 揚々と弾んだ声で『Aクラス』とやらの説明を始める、ロリ教師。


(というかなんだ? エリートとは……)


 その嫌な予感を気づいてないフリをして、ロリ教師の自己紹介に集中する。


「私の名前は星乃初だよっ。1年次のAクラス担任教師を務めることになってるよ。うん、一年間よろしくね」


 伊織がこの学校を選んだ理由は単純に家から近かったという理由だ。それ以外に特に理由はない。だが先ほどから嫌な予感がしていた。

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