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瑠璃色の催眠  作者: オリーブ
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艶女



私は今日も全裸。


目が覚めたら、

海に身体が浮かんでたらどうする?


空の上だったらどうする?



眠りから覚めたくなる理由が欲しいんだ。



現実じゃない現実が欲しい。

目が覚めるのが怖いのはもういやだ。

かといっていつもの日常もいやだ。

無い物ねだり過ぎる自分を責めるのももういやだ。



今日もゆっくり目が覚めていく。

浮遊感をこのまま楽しめたらいいけど、

やっぱり今日も、目が覚めてしまうのがこわいんだ。


覚悟を決めて目を開ければ、

キラキラした太陽光がカーテンの隙間から射し込んでくるのを感じる。



海でも空でもない。

大きなベッドの上で仰向けな自分。


こんなことを考えてる自分は、

もう十分な大人。


華やかな場面も、

真っ暗闇のような場面も、

激しい愛の交換も、

経験値を大分積んできたんだ。


だからもう十分じゃないか、って、

もう時間を進めたくなくなるから、

目が覚めるのがこわい。



そんな日々を繰り返している。




身体を起こしてカーテンを開けられたら、

今日は神様がくれたラッキーな日。




向かい側のマンションから見られているかもしれないと思うと少しだけテンションが上がる。


少しだけだけど。



シャワーを浴びて、

濡れた身体を隅々まで拭いて髪を乾かしたら、

またベッドに転がる。



朝。

さあこれから、私は私を、

深い深い瑠璃色の催眠の世界へ沈めていく。
















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