Ep;3 人衛鬼神
状況が理解できず腰を抜かす宗樹。
その背後から顔色ひとつ変えず歩いてくるスーツの女。
「アレが私たち人類の脅威…SUOです。」
「は?なんでそんな事しってんだよ!」
顔をグッと近付けるスーツの女。
「アレと戦って、殺して下さい。」
「ハァ!?」
なにを言ってるのか、さっぱりわからない。
この状況もそうだし、スーツの女の言ってる事も。
凄まじい音をたててビルや道路などの構造物が崩壊していく。
その崩壊の波は宗樹の近くまで迫っていた。
「ここは危険です。私たちと一緒に避難しましょう。」
この女が信用できなくても頼らざる終えない状況だった。
狭い路地に戻って反対側に抜けると、車が一台待っていた。
それに乗り、SUOから離れようとするが、大通りに出たときに背後を振り向いた宗樹は絶望した。
30階近いビルをなぎ倒し、車めがけてSUOが追ってくる。
「ね、ねぇ!アイツ、この車のこと狙ってないか!?」
「車というより貴方ですけどね。」
「ハァ!?なんで!?」
「決まっているでしょう、天敵なのだから。」
宗樹は不思議そうな顔して言う
「ホームレスに怪獣がなんの用だよ!車止めてくれよ、逃げるからさ!」
「今止めたらSUOの足裏で永眠ですよ。」
「ふざけんな!俺だって死にたくねぇんだよ!」
混乱する車内の状況に衝撃が走る。
前方に瓦礫の山、車で行くことは困難に見えた。
「これはまずいですね。」
「アンタ肝座ってんな………ど、どうすりゃいいんだよ…」
「ようやくやる気になりましたか…」
やれやれと言った表情を見せるスーツの女の手にはゴツい銃に似たものをあった。
「なんだ…それ。」
「貴方の力を目覚めさせる道具です。」
その瞬間胸にチクリとした痛みが走った。
「注射かよ、コレェ…ッ!!!」
ありあえないとが起こった。
胸のコブを中心に筋肉が湧き水のように溢れ出したのである。
次第にそれは巨大な人の姿を形成し、SUOに並び立つほどの体躯となった。
縦筋の入った強靭な黒い筋肉に鎧のような赤い光沢をもつ外殻。
眩しく閃光を放つ緑色の二つの瞳。
その巨人を見上げスーツの女はこう呟いた。
「これが…人を衛し鬼神…アスラ。」