契約
女の子の小説書くの楽しい^_^
「……フ、ククク
フハハハハハハハハハハハハ!!!!!!
何だ!!ちゃんと苛立っているじゃないか!!!!」
「当然です。私だって理不尽に殴られたら怒りますし、そんな事する奴は許せません。
でも、弱かったら怒ってももっと殴られちゃうだけですから、殴り返せるようになりたいです」
「ククク、先程とは随分と変わったな。
まぁ良いだろう!!!このバフォメットが貴様に力を貸してやろうではないか!!!」
「力を……貸す?」
「あぁ、そういえば説明してなかったな。
貴様は我の依り代になる為に此処に呼ばれたのだ」
「依り代?」
「神や悪魔や霊等が依り憑く対象物の事だ」
「えーっと……つまり、私の体に山羊さんが入って来るって事ですか?」
「まぁ、そうなるな。
我が先程の貴様の願いを叶える為に、貴様の体を依り代として憑き、力を与える。
我は貴様の願いを叶える代わりに、貴様という新たな依り代を得る事が出来る。
そういう契約だ」
「なるほど……ギブアンドテイクですか」
「貴様年齢の割には随分と賢いな……。
それで、どうする?
我と契約するか?」
「それは、まぁ、はい
断ったって他にやる事も無いですし」
「では、早速契約するとしよう」
そう言うと、山羊さんは私に両手を翳して、
何かを唱えだしました。
その状態で暫くいると、視界が暗転して、私は意識を手放しました。
「………ん、むぅ」
目を覚まして周りを見渡すと、山羊さんの姿が消えてます。
何処に行ったのでしょうか?
『目覚めたか、小娘。
契約は完了だ。
コレで貴様は、痛覚が無く、どんな世界でも遊び回れ、気に入らぬ者を殺せる程の力を得た。
好きに使うと良い』
「うわッ!?山羊さん!?
何処に居るんですか!?」
『貴様の体内だ。
さっきも言ったが、我は貴様の体を依り代としている。
つまり、貴様の体に住むというわけだ』
「でも、私は今死んでるんですよね?
それなら私は今体なんて無いのでは?」
『あぁ、だが貴様の魂は此処にある。
だから、今は貴様の魂に取り憑いている。 肉体は転生後、即構築される為、
その後は我は貴様の体にも住み着くと言う事だ』
「転生……ですか?」
『あぁ、貴様が居た世界とはまた別の世界に転生して貰う。
転生後は自由にしてくれて構わない』
ふむ……色々分からないけれど、別にそこまで気にならない事だし、聞かなくても良いですかね。
『もう特に疑問は無さそうだな。
では、そろそろ行くとしよう』
「はい、お願いしま」
「ちょーッッッと待ッッたーーー!!!!」
「………え?」
「もー!!!バフォってば酷いよ!!!
私の説明一切しないで行くつもりだったでしょ!!!」
『おい、小娘。
今我はお主以外と会話が出来ん。
だから、お主が我の言葉を訳して目の前のアヤツに伝えよ』
「その前に、この人が何なのか説明して貰えませんか?」
『それはアヤツがお主に説明するだろう』
「無視するなぁぁー!!」
『ほらな、喋り出した』
「山羊さんが無視してたからじゃ……」
「あっ!!そういえば、キミにはまだ自己紹介してなかったね!!」
「え?」
「初めまして!!!
私は羊の女神!!
一応貴方と契約したバフォメットの上司に当たる存在だよ!」
「上司?」
『あぁ、一応はな。
そして、コレからお主の上司にもなる女だ』
「そんな重要な人を無視して行こうとしてたんですか?」
『…………』
山羊さんって意外と面倒くさがり屋なんですね……。
「威厳の無い姿だけど、コレから君の上司にもなるから、よろしくね!!」
「あ、はい。それはもう今山羊さんから聞きました」
「ふむ……その様子だと、ちゃんと契約は成功したみたいだね!!」
「はい。今山羊さんは私の中に居ますよ」
「おぉー。じゃあ、異世界に行くって事もバフォから聞いた?」
「はい。今から行く所です」
「うんうん。楽しんで来なさい!!
君は悪魔になった!!たとえ死んでもココに戻って来るだけだから安心したまえ!!」
「初耳の事が二つ程有りましたが、まぁいいでしょう……。
じゃあ、行ってきますね」
「うむ!!
あぁ後、偶にコッチから連絡するかもしれないからー!!」
割と重要な情報を聞く事も無く行く所だったんですけど、山羊さんは何で教えてくれなかったんですか?
『すまぬ……久しぶりの依り代につい興奮しまってな』
「いえ、別に怒ってる訳ではないので良いですよ。
ところで、どうやって転生するんですか?」
『む?もう転生するか?』
「はい」
『良かろう。転生を行うとしよう』
山羊さんがそう言うと、契約した時とはまた違う感覚に襲われて、
意識が暗転した。