彼と○○○○○
今日も起きる
つまらない今日は始まる
いつもの流れに身を任せ一日をいつものように生きるなぜ生きるかも何をして生きるのかもわからず生きる。
いつものように起きてけだるげに準備をして
なんとなく学校に行き、友達とだべり、将来を心配して、たまにバイトして、家に帰り、飯を食べ、風呂に入り、眠り、そして起きる。
少しずつ違う毎日を生きる。
僕は多分そうして死んでいく。何のために生きるのかもわからず
なんとなく生き何をなすかもわからず僕は生き死んでいく
そんな死すらもなんとなく受け入れて死んでいくのだ。
こんなくだらないことを哲学者ぽく、考えている僕は自分のことをかっこいいと思っている。と思う
かっこいいな、自分は、とか考えながら山手線に乗って大学にドナドナされていくのだ。
暇つぶしにTwitterという独り言の投稿アプリをみると世の中にはほんとにいろいろな人間がいると僕は思う。そして一人一人に色があり混ざり合いそれがとても美しく感じ素晴らしいとも感じるが残念ながら僕は絵の鑑賞者であっても、絵の具ではないし芸術家でもないただ見るだけの鑑賞者なのだ。また哲学者ぽいことを考えてしまった。
(次は田端 The next station is 田端 )
ようやく田端だ、僕はあと二駅で電車を降り大学に行く
最近田端から乗ってくる人がいる。
その人はとても色白で黒い帽子を深めにかぶっているさらに花粉症なのかいつもマスクをしている。そしてガラガラではないけれども椅子がぽつぽつと空いてるこの電車の中で僕の隣に座る。彼女からほのかに消毒液のにおいがするいわゆる病院のにおいというやつだ、
この病院のにおいをかぐととても落ち着くとともにどうしようもなく一人を感じるのだ。
このほのかな病院のにおいをかぎながら二駅という短い時間を過ごす。彼女を見ないようにしながらも彼女を感じようとする。Twitterを見ながら視界の端に彼女を捉えながら落ち着き一人を感じるのだ。
まるで変態みたいだ彼女に恋をしてしまっているのだろうか?自分は変態ではないと否定しながらもやはり落ち着きかいでしまうやはり自分は変態だ
(日暮里 日暮里 常磐線、京成線はお乗り換えです)
ああ終わってしまうと思いながら電車を降りる、
降りる時に彼女を見る彼女の瞳を見るのだ
そして‘‘つらい悲しい‘‘と思いながら電車を降りる
降りたら大学に行き寝る。
まどろみの中で考える山手線の彼女のことを
あの‘‘悲しくつらい‘‘気持ちは何なのかと
考えるのだ、そして答えは出ずにそしてまどろみから深い眠りに落ちていく
「おきろ、おきろ」
気持ち良いとても気持ち良い
「おきろ、ばか!!昼くうぞ」
気持ち良い世界から急に引き戻される起床だ
「昼食べるぞ」
「わかったもうあと5分寝る」
仕方がなく昼飯を食べる
僕は学食で起こしてきた馬鹿は弁当だ
ここの学食はまずい
目の前の貧乳くそ女にたたき起こされたからだ
「いつも寝てるけど平気なのか?」
現実とは無情だ、三大欲求の睡眠を満たすだけで怒られる動物として当たり前のことなのに
「平気って単位か?、貧乳と違って僕は頭いいから」
「貧乳、言うなし殺すぞ」
「事実貧乳だろ?それともぺちゃぱいの方が良かったか?」
「あんなのたれるだけだろ?それより変態君、匂いはどうだった?」
「今日も落ち着いた」
「そうか今日もね…」
「というか変態じゃないから」
「変態だよ」
そのあといつものように他愛もない話をしていつものように帰った。
何も変わらない毎日の中僕はいつもと違い寝坊をした完璧な僕にあるまじき行為だ
そしてなんと山手線にメモ帳を落としてしまった。
そのメモ帳の中には僕の思ったことを乱雑に書いてあるのだ。つまり僕の心そのものであるともいえる。
なくしてしまったものはしょうがない今日も寝よう
「おきろ、おきろ」
眠い
「おきろ、ばか!!昼くうぞ」
起きたくない意気消沈してるのだ眠らしてほしい
「昼食べるぞ」
「わかったもうあと5分寝る」
叩かれた
起きて昼飯を食べる
「なんで叩くんだ痛いだろ僕は今日落ち込んでいるのだ」
「お前が起きないと飯食えないだろ。で、なんで落ち込んでるんだよ」
「飯ぐらい勝手に食えよ。落ち込んでるのはノートなくしたんだよいつも持ってる小さいやつ」
「悪い…それでノートってあの日記みたいなやつ?」
「そうそれほんとショックでさ」
「どこでなくしたのかな?」
「さーみつかるといいな」
「なんだよ気持ち悪い」
ぺちゃぱいがやけに気持ち悪いなんかいつもよりにやにやしてるし
そしていつものようにまた眠る。
その日の夜なくしたはずのノートがポケットから出てきた。
なんだ、俺の勘違いかと思いつつノートを開いてみるそうすると、ノートには僕じゃない文字があった。
―――はじめまして私は かめの ゆな と申します
いつもあなたの隣に座っています。良かったら私と友達になりませんか?
驚いたぼくの中に電流が走ったあの子だ!あの落ち着くにおいの子だ
ぼくはぜひ友達になりたいとノートに書き下手なナンパかよと思いながらも好きなものを聞いた。
―――はじめまして、ぜひ友達になりましょう。好きなものはなんですか?
きもいなと思いながらも返事を書いて僕は寝た
いつもより早かったが明日が楽しみだったから寝たのだ
次の日学校でぼくはいつものごとくぺちゃぱいに起こされた
「おきろおきろ昼飯だぞ」
眠い、話がつまらないのだ、先生がいけない
「たくいつまで寝てるんだよ」
「ふぁああ、よく寝た昼飯かよし食べよう」
「なんだよお前気持ち悪いな、そういやノート見つかったの?」
そうだノートポケットを探るがないきっと彼女が返事を書いてくれているのだろう
「ノートは昨日見つかったけどまたなくした」
「なんだよそれへんな奴だな」
そうして今日もまた他愛もない会話をして昼飯が終わると眠りにつく
そして夜
―――お返事ありがとうございます。私の好きなものはいっぱいあります。アニメやゲームも好きですし小説も好きです。
ほお僕と同じ趣味じゃないか
―――そうなんですね、僕も小説とかアニメゲームが好きです。
具体的にはどんなアニメが好きですか?
こんな風に僕とゆなさんの文通ははじまった
もちろん毎日返事が来ることはなく時には2,3日ノートが返ってこず2,3日分いっぺんに来るときもあったけどそれでも1年、2年と文通は続いたその間もなんだかんだでぺちゃぱいとも昼飯を食う仲が続いた。
僕は多分いま恋をしてるゆなさんにでも不思議なのがぺちゃぱいにもたまにどきどきすることがあるのだ、これは女慣れしてないので仕方ないことだといつも思うことにしていた。
そこで僕ははっきりさせようと告白をすることにした。
―――ゆなさん
この前進めてもらった話とても好きでした
あのふと彼女が消えてしまうシーンはとても胸に来ました
自分もいつかふと消えるように死んでしまうかと思うととても胸にきました
ふと消えるかもしれないのでその前に伝えときます
ゆなさん・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そのあと書いたことは恥ずかしくて覚えていない
さて明日の返事がとても楽しみだいや怖くもあるな
消してしまおうか、いやなんとなくどうせ人は死ぬんだそれなら伝いといてもいいじゃないか。
さてもうそろそろ眠りにつこうか。
みーんと蝉が鳴いた8月
私はボロボロのノートをもって彼に会いに来ている
このノートは彼と私の架け橋
彼はとてもかっこよかった、いつも私を馬鹿にしていたけど
彼の瞳のなかの優しげな光は私を虜にした
彼は私のことを馬鹿にしながらも優しかったそして彼は本当に強かった
そんな大好きな彼を冷たくなってしまった彼を私はおこしに行くこれは若いころからの習慣だから
幸せな私の習慣だから
私は若いころ
彼を起こしに隣まで会いに行っていた
彼はいつも寝ていた、私は彼とお昼を食べるために彼を起こすこれはもう3年前からの習慣だ、しかし今日彼はおきなかった。冷たくなって起きなかった。
彼との出会いは彼が隣のベットに引っ越してきたからだ、彼は毎日面白い話を私にしてくれた。
だけど彼と話すとき私はいつも自己紹介をする
彼は私のことを覚えてはいないのだ
彼は原因不明の脳病気で入院している
彼は大学の入学式に倒れて運ばれた
彼にとっては毎日が通学初日なのだ
彼は私のことを大学の友達と勘違いしている
彼はここを大学だと思っている
彼は私をぺちゃぱいという
私は中学生だ、ぺちゃでもなんでもなくただ発育途中なだけだ
彼が何かノートを書き出した
自分の思ったことを書くノートだそうだ
そこから彼の毎日は進んでいったそのノートのおかげだと
奇跡だと医者の先生はいっていた
彼は起きると不思議なことを言い出した
なんでも彼は山手線に乗ってここにきて授業がはじまりつまらなくて寝てるという
私は彼の話が聞きたくて昼ごはんの時に起こしているが彼からすると授業が終わって起こされてるらしい
私はいつの間にか彼を好きになっていた
私は彼の隣に座り彼が寝てる時小説を読む
時折近くの電車の音が聞こえ
彼の夢見る世界に私はいるかと想像しながら小説を楽しむ
そんな時彼が急にノートをかけないと言い出した
あせった本当に焦ったまた彼の中から私が消えるという日々が続くかと思うと耐えられなく心が締め付けられる
しかしかれはノートを失くしたという
よく見るとベットとのしたにノートがあった
私は閃いた
彼の夢の中の女性になって文通をしようと
そうすれば彼の夢の中でも私がいられると
そして私は彼が寝てるときにノートを取り
彼を起こして彼が眠るとノートを戻した
彼は昼に1時間と夜中に30分起きる習慣があった
そこから彼との文通が始まったいろんなことを
話した。深い部分も話したつらいこと悲しいこと
そしてお互いに好きな作品を紹介した
私はもうすぐ彼が死ぬのだろうなとおもった
それがいつになるかは分からないが無視の知らせというやつだ
だからとにかく私は彼の中にい続けたかった
そして彼との最後の文通はとても悲しくけれど幸せなものだった
ゆなさんぺちゃぱいでしょ、わかるんだよな
好きな人のことくらい
僕はさぺたんこな貧乳なぺちゃぱいが大好きだよ
ゆなさん幸せになってよ
ってこの作品みて思ったんだよ
私は彼が馬鹿だと思う
幸せだよもう
悲しくつらいけど幸せだよ
私はボロボロのノートともに生きる
短編小説「彼とぺちゃぱい」〜完〜