憲法改正
何だか話が進む程会話が少なくなっていく・・・人間を描写するのは本当に難しいですね。粗の多い作品ですが、皆様応援ありがとうございます。
今回の戦争に勝利したことによって日本は一応、滅亡の運命からは逃れられた。
貿易が停止したことによって経済は低迷し、未だに石油を始めとする物資の統制は続くものの来年を目処に物資の統制が解除できるとの見通しがつく程度には未来が見えていた。
政府が発表した秋津島、南洋諸島への開発、入植計画。また外国人からの有志を募って行われる自治領計画は国民、そして何より外国人に大きな希望を抱かせた。
気が早い企業は既にその一大プロジェクトに参入しようと考えるなど、先の悲惨な戦いを忘れてしまったかのように動いていた。
しかし、政府はそんな明るい未来を見る暇等無かった。
今回の戦争は余りにも不手際が多く、早急に改善する必要がある点が多数存在したからだ。
件の議員、及び自称平和主義者達は自衛隊の対外出兵及び総理の「憲法等捨ててしまえ」発言を利用して糾弾を行い、広く国民に信をとるとして解散総選挙へと持っていこうと考えていた。
彼らは予定通り総理を糾弾しようとしたが、国民は彼らの見通しとは反対に圧倒的な総理支持となっており、野党らの期待を大きく裏切った。
自称平和主義者、団体の抗議デモも参加人数はかつてと比べると少数となっていた。
しかしこの反応は当たり前である。何故なら総理や自衛隊は国を護る為に行動したに過ぎず、それを最初に足を引っ張って余計な被害を出したのは他ならぬ彼ら自身なのだから。
法律上の問題のみを重視し、現実を見なかった彼らの失策であった。
無論、野党の議員も馬鹿ばかりでは無いし、与党の人間も賢明な人間ばかりという訳では無い。
だがしかし今回の一件は平和呆けした国民に、今までのように戦争反対と叫ぶだけでは国を護れないと気づかせるに十分であった。
だが、今回の議員及び自称平和主義者達の態度、行動は国民を怒らせるに十分であった。
その中でも自称愛国者に与えた怒りは常軌を超えたものとなっていた。その結果、反自衛隊デモを行っていた団体が極右勢力に襲われ、死傷者が発生するなどの痛ましい事件も発生していた。
こうした中で、次第に今回の一件を見事に処理した斉藤総理を英雄視する風潮が出てきていた。
これは総理自身も非常に驚いた予想外の事態であった。むしろ総理自身は今回は運が良かった為軟着陸しただけであり、自らのミスで戦争に突入したと考えていた為、落ち着いたら辞職することを考えていた程だったからだ。
総理はこの風潮を危険なものと認識しつつも、この危機感が漂っている内に憲法、そして有事法制を改めることを目論んだ。
そして2021年7月15日、後一月で転移一年という日にいよいよ憲法改正の是か否かを問う投票が開始された。
投票率は近年にしては異例の8割近くにも達し、如何にこの投票に国民が注目しているかが理解できる値となっていた。
投票の結果、全体の実に7割以上が憲法改正に賛成と言う結果が出された。
この結果は対馬や沖縄等の離島で起きた通州事件のごとき惨劇が国民のトラウマとなっていたことも大きいだろうと考えられた。
これにより自衛隊は新たに国防軍とされ、法制も一新されることとなった。再軍備には抵抗も強かったものの、引き続きシビリアンコントロールを徹底させることを明確にしたことにより、徐々に受け入れられていくことになった。
次の話はいきなり2025年まで飛んで日本と外国人国家の独立等の話となる予定です。




