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講和条約締結

ブックマーク登録数が150件を超えるとは・・・皆様応援ありがとうございます。しかし今回は時間かけた割には内容が薄くてすみません。

 講和会議は日本の下関にて行われた。一応の戦勝国となった日本が帝国に対して行った要求は大まかには次の通りである。


1、シノセント帝国は日本を対等な国家として認識し、対等な国交を持つこと。

2、シノセント帝国は日本の東シナ、日本海に置ける漁業、資源採掘の優先権を認める。

3、シノセント帝国は今次紛争において日本側が被った被害を兼ねて賠償を行う。その額はテール金貨15億テールとし、返済期限は二年とする。また、これは金貨以外での返済も可とする。

4、シノセント帝国は今後域内の鉄道敷設を行う場合は日本と合弁の企業の元で敷設を行う。

5、シノセント帝国はリュージュ軍港を非武装化すること、また他国への租借、譲渡を禁止する。

6、シノセント帝国は日本と通商条約を締結する。内容については別途交渉とする。

7、シノセント帝国は日本に対し、宣戦布告無く侵略を行ったことを公的に謝罪する。

 

 この内容を一読したシノセント帝国側は目を剥いたと言う。1と2、4、6は良いだろう。5、7もまあ頷ける。

 しかしこの賠償金の額はなんだ!帝国の年間歳入の15倍ではないか!


 テール金貨は帝国で貯蓄等に使われている金貨であり、重量はおよそ40g、金の含有量は9割の良質な金貨である。これを金相場、金1g=4900円として換算すると1テール=176400円、15億テールは26兆4600億円、僅か日本の一般会計予算の3割に満たない。


 帝国側の交渉団は自国の年間歳入の15倍もの金額が日本にとっては僅か国家予算の3割に満たないことを聞き、自らが対峙していた国家の強大さを知って青ざめると同時に何とかして賠償金の減額と返済期限の延長を申し出た。

 日本としては、寧ろ金相場に破滅的な打撃を受けることになる為、逆にこんな額を素直に払ってもらっては困るのだ。

 日本の真の狙いはこの賠償金の減額案として食料等による物納、そして帝国が保有する南洋諸島の割譲等を申し出ることにより、譲歩したと言う姿勢を見せて食料と土地を買い叩くことであった。

 食料は緊急に必要としている。しかしそれを全面に押し出せば食料と言う国家の命綱にして交渉のカードを向こうに渡すことになる。 

 南洋諸島は史実のフィリピンの位置に存在する島嶼群であり、この島には調査により鉄鉱山、天然ゴム等の存在が示唆されていた為、有力な資源地帯と考えられていた。

 また、転移してきた外国人のこともある。共に転移してきた外国人の数は観光客だけでもおよそ1000万人にもなる。ロシア、韓国は一部領土が転移したものの、それ以外の外国人は祖国を完全に失ったのである。それらの外国人の処遇としてこの南洋諸島に自治領や国を創る予定だったからだ。

 特に開拓者の国、アメリカは積極的で日本政府に在日米軍の保有兵器の技術情報(なんとニミッツ級原子力空母や原潜の技術情報を)と引き換えにアメリカ合衆国の建国支援を申し出る程であった。

 結局帝国は賠償金を1/5に減額、返済期間を15年にする代わり、食料による物納と南洋諸島の割譲、更にこの後に締結する通商条約における大幅な譲歩を選択せざるを得なかった。 

 こうして2021年1月13日、下関講和条約が締結。正式に戦争は終了した。

 この条約の締結は日本と言う無名の国家が落ち目ではあったものの、列強に名を連ねるシノセント帝国を打ち破ったとして衝撃を与え、日本の名は世界中に広がることとなった。

 それは日本がこの世界における新たな列強として歩み出した瞬間でもあった。

 

 もしあの時、皇帝を取り逃がしていたらば長期戦となり、間違い無くボロが出ていただろう。そうすればここまで有利な講和は不可能であった。

 日本は、寸前の所でその苦しい実状を隠しきることに成功したのであった。

作中の金相場は3月2日に調べた際のものです。現在の値とは異なります。

追記。シノセント帝国の年間歳入を清国と比較して説明していた部分に誤りが存在していた為、削除しました。誠に申し訳ありません。

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