空挺作戦からの戦闘終結
ようやく終わった・・・。早足で駆けてしまったせいで穴だらけの作品になってしまった。
帝都は混乱の最中にあった。短期間に日本侵攻部隊が駆逐され、帝国最大の軍港が破壊された上に帝都から僅か300キロメートルしか離れていないシンタオに敵軍の上陸を許した為である。
一体全体何処が攻めて来たのかと混乱していたが国籍マークを確認した所、上陸部隊および軍港を襲撃した艦には白地に赤丸と星とストライプの旗が上げられていたとの報告が上がった。
後者は不明であったが、前者は外務担当が入手していた情報に一つだけ該当する国家があった。
それは蛮族と蔑み、帝国が自らの版図に加えるべく侵攻を行った日本であった。後者も日本と同時行動をとっている以上、同勢力の軍と考えられた。
軍港のことも衝撃であったが、帝都にほど近い場所に敵が上陸したことの方が脅威であった。特に軍の部隊の大半を軍港に増援として派遣してしまった以上、直近の部隊をかき集めても僅か5個歩兵師団しか存在しないからだ。
無論それでも、上陸部隊よりは圧倒的な数的優勢を誇っている。しかしその敵の進撃速度が異常であった。僅か五日の間に200キロメートルも距離を詰めて来たのである。途中数度の阻止戦闘があったにも関わらず、この速度は自軍の常識を超えていた。
帝都皇帝居城では大急ぎで皇帝以下の逃亡準備がされていた。他の街や要塞に目もくれずに一直線に帝都を目指して進撃している以上、敵の目標は皇帝の確保であることが嫌でもわかったからである。
昨日は遂に帝都周辺の飛竜基地への空爆がなされ、事実上帝都の空の守りは命中率の低い対空砲と少数の魔導誘導弾のみとなった。
魔導誘導弾は生命反応を目指して飛び、目標付近で爆発する対飛竜用の兵器であるが、人間の大きさでは生命反応を捉えられず、素通りしてしまうという結果が出ていた。
帝国軍は集められるだけ集めた軍を帝都郊外に布陣させ、足止めを行わせる間に皇帝を逃がすと言う計画を立てていた。
その時、遠くから多数轟音が聞こえて来た。また空爆かと思った矢先、宮城の上を何機もの巨大な機体が通り過ぎて行く。
そしてその機体の後ろから連続して花が開いた。最初はその意味を理解できなかった彼らであったが一人がその花の下と人間が吊されているのに気づき、この行動の意味を理解した。
「敵襲!」
この叫びを合図として全ての人間があわただしく動き始めた。しかし衛兵はこのような状況等想定しておらず、また逃げ惑う人のせいで効果的な迎撃ができなかった。
やがて降り立った空挺団は敵兵を各個撃破しつつ城内を捜索し始めた。
そして後宮にて衛兵を従え、豪奢な装いをした若い男を発見した。
「な、何だ貴様等!神聖なるシノセント帝国の宮城にてこの様な振る舞い!更には朕にこの様な狼藉!許されると思っているのか!」
衛兵を排除した空挺団の高波二尉はその装いと朕と言う自称からこの男こそ皇帝であると感じ、尋ねた。
「あなたはシノセント帝国皇帝でありますか?」
この質問の意味が一瞬判らず、きょとんとした男であったが、虚勢を張りその回答の意味を良く考えずに言った。
「当たり前であろう!朕こそがシノセント帝国皇帝、シノス三世である!」
この回答こそ望んだ回答であった。二尉はにやりと笑い無線を取り出して司令部へと報告を行った。
「こちら高波二尉、司令部へ報告。対象を発見、直ちに回収地点にヘリを回せ。」
「皇帝陛下、ご同行して頂きます。」
皇帝は混乱していたが同行してもらうとの言葉を聞いて事態を理解した。
「止めろ!そんなことをしてただで済むと思っているのか!?」
「手荒な真似をしたくありませんが、仕方ありませんね。」
二尉は皇帝をできるだけ傷つけないように気絶させ、捕縛を行った。この後、皇帝他政府上層部の人間を捕縛、この三日後に急行した部隊が帝都に入城し帝都を占領。空爆と砲撃の弾幕の前には突貫で造られた陣地に籠もる部隊等、何の役にも立たなかった。
この後、日本政府は皇帝に対して戦闘停止命令と降伏を要求、当初は渋っていたものの民間人虐殺の戦争犯罪を仄めかすと自らの命と国家の存続を代償に全軍に対する戦闘停止命令と降伏を受け入れた。
ここに二月近く続いた戦争は一応の終結を見たのであった。
これで書きだめは本当に最後です。これからアルバイトや試験で忙しくなるので遅くなります。すいません。