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旭日の帝国、異界にて復活す。

 お待たせしました、今回が一応の最終回となっております。何とも尻切れトンボなラストになってしまいましたが、現在の私の力ではこね最後しか書けませんでした。申し訳ありません。それでは最終回お楽しみ下さい。

 日本とロマルーシの講和が合意し、発表された講和条約の内容は世界中に衝撃を与えた。シベリアの割譲や責任者の処罰等はともかく、ロマルーシ帝国が日本主導の多国間防衛機構に加入する事はその他の列強に大きな衝撃を与えた。

 この事は即ちロマルーシ帝国が日本側の勢力に付くことを意味する。そうなると世界の勢力圏が大きく変化する。

 これは日本がはるか極東に存在するだけの勢力では無く、中央世界と考えられていた欧州にまでおよび、直接勢力圏を接することを意味していた。

 もし、日本が更なる勢力圏拡大を夢見て西進を目論んだらどうなるのか?日本の強さは今次戦争で満天下に示された。それにどう対抗するのかを考えた場合、答えは既に出ている。対抗不可能であると。現状の兵器の改良型では到底対抗不可能である、既存技術の改良を行ったとしても、日本には遠く及ばない。

 防衛に徹してもロマルーシすら下して見せた日本を捌ききれるとは思えない。

 ここに至って各国は正面からの対抗は不可能と判断、日本への外交方針を融和方針へと転換したのであった。

 尤も、日本は新たな戦争等望んでおらず、諸外国が積極的な融和外交を行い始めたことからこれ幸いとばかりに経済協定を始めとする外交を展開することとなる。

 日本は今回の戦争で多くの成果を挙げたが、同時に非常に多くの問題も得た。また、日本の方針は転移以後一貫して自国勢力圏の繁栄とその維持であり、それ以外のものはどうでも良かったのだ。そして繁栄は十分に得られた、ならばわざわざ他国と戦争をやる必要は無いとの判断からであった。

 一方、今回の講和を受けて一番貧乏クジを引いたのはシノセント帝国であった。ロマルーシ帝国に最初に侵攻されたのは自国であるにも関わらず、講和条約における取り分は最小限に留まってしまったからである。

 領土の割譲は無し、賠償金は損害補填が可能な額である程度の額は受け取ったものの苦しい国庫を慰めるには至らなかった。シノセント帝国の講和会議における発言力は実質的な派兵を行っていない為非常に弱く、日本のおまけ程度に留まっていたからであった、しかしこれには流石にシノセント帝国も不服とし、出兵を行っていないとはいえ戦争当事国の権利として賠償金の増額を要求した。

 これに日本側は不快感を示した。戦争当事国と言うが日本と共同戦線を張った訳では無く、ロマルーシ帝国もシノセント帝国に対して負けた訳ではないとしていたからだ。

 ロマルーシ帝国はこの事を受けてシノセント帝国との講和交渉を止め、日本との単独講和とすることをにおわせる等し、シノセント帝国を牽制した。しかし、日本は勢力圏内で戦争が続くことを恐れ、単独講和とすることを拒否。

 結局、日本が一部賠償金の肩代わりとして借款の棒引き等を行うとしてシノセント帝国を納得させることとなった。


 この戦争が終了した時、世界は日本側とそれ以外の勢力と形で色分けされた一種の冷戦状態と化していた。

 日本の領有する地域は北はシベリア、南は南洋諸島にまで及び、事実上の太平洋帝国となっていたからだ。その域内総生産は将来的にはアメリカにすら匹敵すると考えられる程であった。

 日本は余りに強大化し過ぎ、正面から喧嘩を売る国家は存在しなかった。しかし、代理戦争という形で世界に火種は蒔かれ続け戦争は終わることは無かった。

 また、日本と言う搾取的植民地支配を行わない大国の存在と列強各国の相対的な弱体化は植民地に独立の意志を持たせ、その独立派が日本への支援を求める等日本が紛争へ巻き込まれる事もあった。

 しかし、日本はあくまでも武力による短絡的な解決は最後まで採ろうとはせず、極力対話による交渉を行い続けた。

 この後、日本は自国から積極的な融和外交を展開しつつも一度自国勢力圏に手出しされれば容赦はせず、その態度は友好国や同盟国からは好意的に写る事となった。


 嘗ての世界で戦争を嫌った日本は転移という未曾有の国難、そしてその後の二度の戦争を通じて自らを守るのは自らの力のみであること、そして自らの理想を真の意味で実現させるには力が必要であることに気付いた。そして力とは無闇に振るうものでは無いことも。

 この後に、日本は世界で唯一侵略戦争を禁じた超大国として世界に君臨することとなる。それは世界に正負両面で大きな効果を与えた。だが、この後長くに渡り列強間の大戦争は発生しなかった。

 後にこれは日本による平和、パクス・ジャポニカと呼ばれる事となる。

 日本は長きに渡って望み続けていた誇りを持った平和を漸く手に入れることとなった。それを維持するには多大な労力と犠牲が必要であった、だが本来平和とは誇りと不断の努力によってのみ得られるものである。故に、この平和を真に誇りある平和とする為に日本は奮闘して行くのであった。

 旭日の帝国、異界にて復活すはこれで一応閉めます。ですがかねてから言っているようにこの経験を生かして改定・旭日の帝国、異界にて復活すを構想しております。勉強等の事情があるので投稿はかなり後になりますが戦艦や空母、強化装甲服等を出す予定です。

 この作品を今まで応援して下さりありがとうございました。重ね重ね感謝を申し上げます。

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