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日本海海戦

 遅くなりました。だんだんと皆様の評価が結構なレベルにまで達してきたことに驚きを感じます。皆様ありがとうございます。

 今回は初めての海戦です、書いてみて思いましたが空母は本当に万能ですね。ありとあらゆる戦局に対応できるのではないかと言うレベルで万能です。軍艦同士の砲撃戦をさせる為に今回は空母は出ません。空母の出番は次の海戦までお待ち下さい。

 開戦を受けて真っ先に動き出したのは海軍であった。日本もロマルーシ帝国も制海権をとる事で陸上の戦いを優位に進めることを目論んだのである。

 ロマルーシ帝国軍はウラジヴォストークからロマルーシ帝国極東艦隊は戦艦6、装甲巡洋艦5、仮装巡洋艦4、水雷艇32を含む艦隊を出撃させた。これは主力艦のほぼ全てを出した全力出撃であり、如何にこの戦いが重要なものと位置付けでいるかがわかった。

 対して日本海軍は敵艦隊出撃の報告を受けて現在フリーハンドを与えられている第一艦隊を主力とする艦隊を編成、赤城型装甲巡洋艦3、イージス艦3、汎用護衛艦8、潜水艦5を含む艦隊を出撃させた。

 史上稀に見る海戦が始まることを両軍共に感じるに十分な威容を持つ鋼鉄の艨艟達が集ったのであった。

 先手をとったのは日本海軍であった。SSM-2、SSM-3といった対艦誘導弾によって付近の水雷艇や巡洋艦を先に撃破することで戦いのイニシアティブをとろうと考えたのであった。

 艦隊から対艦誘導弾が次々と発射され、ロマルーシ帝国艦隊へと襲いかかった。ロマルーシ帝国艦隊は比我の相対距離が未だ70キロメートルも離れている以上、攻撃はまだ先と考えていた。

 しかしいきなり50発近いミサイルが襲いかかったのである。命中した水雷艇は跡形も無く吹き飛び、大型艦でも装甲の薄いものは一撃で大破にまで追い込まれた。

 突然の出来事に驚くも、艦隊司令官は事態の報告を命じた。そして報告された事実は頭を抱えるに十分であった。32隻存在した水雷艇は僅かに3隻にまで減少、防御の薄い仮装巡洋艦4隻は全滅、装甲巡洋艦5隻も2隻が大破し、残った3隻も当たり所が良かった為に誘導弾が貫通したり被害が少なかっただけであり小破、あるいは中破の判定が下るほどには打撃を受けていた。

 戦艦は重装甲だけあり、轟沈したものこそ無かったものの、新鋭戦艦ガングートを始めとしてド級戦艦2隻が小破、前ド級戦艦3隻が中破する打撃を受けていた。

 艦隊司令官は即時に反転して軍港に戻るべきと考えた。戦艦こそ被害は少ないが既に艦隊は壊滅状態、勝てるとは考えられない。しかし速力で圧倒的に劣る自分達が逃げきれるとは考えられない。どうせ負ける可能性が高いならば、死中に活を見出すしか無い。

 それに敵の軍艦は思いも寄らぬ牙を持っていることがわかったが、各艦せいぜい砲が1、2門しか存在しない以上、近距離の砲戦では此方が有利と考えた為である。

 日本艦隊に対し、全速で突進するロマルーシ帝国艦隊。日本艦隊は敵艦隊を撃滅し、航路の安全を確保する為に彼らを逃がす訳には行かない。両軍とも40ノット以上の相対速度で距離を詰めていく。此方は赤城型の主砲、20.3センチ砲の射程圏、およそ20キロメートルに入った所で砲撃を開始した。

 このとき、ロマルーシ帝国艦隊は単縦陣をとる日本艦隊の前を横切る形で布陣を行った。赤城以下3隻の装甲巡洋艦は前部に二門存在する20.3センチ砲を交互撃ち方にて発射、初弾にて至近弾を出すに至る。

 これにはロマルーシ帝国艦隊も非常に驚いた。先ほどの誘導弾よりも砲術と言う自らが親しんでいる技術である分、その異常さが理解できたからだ。このときに至って自らが近距離砲戦を行えば有利になると言う考えはただの都合の良い妄想に過ぎないことに気がついた。

 しかし、既に離脱することは適わない距離まで接近してしまっている。せめて一矢報いる為に敵を捉えた左舷側の砲を撃ち始めた。

 しかし、その砲弾は日本艦隊に何の意味もなさなかった。日本艦隊は単縦陣で直角に近い角度でロマルーシ帝国艦隊に接近していた。即ち前面投影面積が最小となっていたのである。これに命中させるのは現代でも非常に難しい。

 対してロマルーシ帝国艦隊は側面の火力を最大とする為に艦の横側を曝していた。その為、投影面積が最大となっており、日本艦隊は最も命中させることが容易い条件となっていた。

 更に、赤城型の主砲は分間12発の発射速度を誇る砲である。まさにロマルーシ艦隊は大きな一つの太鼓と化したかの様に砲弾によって叩き続けられた。

 砲戦が始まって僅か30分、ロマルーシ艦隊はしぶとく浮き続いていたものの艦は燃え上がり、当に陥落寸前の城塞の如くであった。

 ことここに至って艦隊司令官は総員退艦を命じた。日本艦隊は発光信号による


「我、降伏す。」


との通信を見届けると攻撃を中止。溺者救助に方針を切り替えた。

 その後未だに浮き続いている艦を魚雷による処分を行った日本艦隊は補給を行う為に舞鶴へと帰投。ここに第二次日本海海戦は幕を閉じた。

 この戦いにより、ロマルーシ極東艦隊は事実上壊滅。日本は制海権を完全に握り、大陸に反抗作戦を本格的に行う為の戦力を派遣することが可能となった。

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