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ショートストーリー  戦わずしして敗れし不運な選手達

作者: 夢前孝行

戦わずして敗れし不運な選手達




この世の中で世界選手権の決勝戦を戦わずして、棄権して日本に帰国してきた不運な選手たちがいる。


どんなスポーツでも世界選手権の決勝進出を果たすということは名誉であり、誇りであり 賞賛を贈られるのが普通である。

ところがである。

ワールドカップ日韓共催が行われた年の三月ドイツでバトミントンのジュニア大会が開催された。

日本選手団は強敵中国ペアを破って決勝進出を決めた。

そんな記事などワールドカップ関連記事で新聞に大々的に報道されなかった。

決勝進出なんて思ってもみなかった。

快挙である。

下馬評にも上がらなかったので、まさかまさかの連続であれよあれよいうまの決勝進出だ。


選手達はうれしくて心弾んで歓喜した


ところがだ、日本に帰る団体航空券は格安な航空券を予約していて、決勝に進んで戦って帰る日の航空券は手に入らなかった。

決勝に進むなんて考えてもみなかった。

団長は勝ち進んだ選手と監督の三人だけ残すことも考えた。

ドイツの事務局に聞くと日本行きの飛行機は満席で、それ以上手は打てなかった。

その上遠征費も底をついていた。

全員決勝戦を戦わず棄権して泣く泣く日本に予定とおり帰国した。

帰国後団長は『それでも指導者か』とおしかりを受けたそうな。

団長だって選手以上に無念だったにちがいない。

サッカーのワールドカップの陰に隠れて、うら寂しいスポーツの世界もあるのだ。

団長や監督それに選手達が決勝戦を棄権したことを誰も非難はしないだろう。

むしろよくやった! 

と拍手の嵐が鳴り止まないにちがいない。

それにしても経済大国日本のやることじゃない。

汚職に明け暮れている永田町の大先生達よ!

少しはポケットマネーでも出して援助してやってもらいたいものだ。

                    (朝日新聞の天声人語から)

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