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これからも僕が幸せにしましょう

※本日3話目の投稿です。

※最終話になります。

「他にも命令があれば言えよ? 気が向いたら聞いてやるから」


そう言って、ルイスは僕のベッドの端に腰掛けた。

なんて偉そうな従魔なんだ……。


その時、またまた扉をノックする音が聞こえ、ファニーが扉を開けると、そこにはフェリシアが立っていた。


「アイセル様っ!」


ぎゅっと眉間にシワを寄せ、今にも泣きだしそうな表情で僕の名前を呼ぶ。


すると、ファニーがダナとレナードとルイスの三人を引っ張り、無理やり部屋から追い出した。

どうやら、家族水入らずの状況を作ろうと気を利かせてくれたようだ。


「よかった。あなたが無事で……本当によかった」


クレイブがフェリシアを支えるように寄り添い、二人が並んで僕のベッドの側に立つ。


「誘拐されたと聞いた時は、もう本当に心臓が止まるかと思いました」

「ご心配をおかけしました。ですが、安心してください。フェリシア様を娶るまで死ぬつもりはありませんから」

「…………」


いつもならここでクレイブが怒りを(あらわ)にし、僕と言い争いになり、フェリシアがそんな僕たちを見ながらクスクスと笑う。

そのはずなのに、今日のフェリシアはなぜだか思いつめた表情をしている。


「あの……アイセル様にお話したいことがあるのです」

「え……?」

「実は、私のお腹の中に新しい生命(いのち)が宿っていることがわかりました」

「なっ!?」


僕は思わずクレイブを睨みつけるが、クレイブは黙ったまま僕を見つめ返すだけ。

そして、フェリシアは自身のお腹に両手を添え、ゆっくりと口を開く。


「クレイブ様との結婚が決まった時、私は生きることに疲れていたんです。家族には疎まれ、家には居場所がなく、私は誰からも必要とされていない人間なのだと……そう思っていました。だから、「愛するつもりはない」とクレイブ様に言われた時だって、怒りの感情すら湧かなかった」


ダルサニア辺境伯家にやってきたばかりの頃の、仄暗いフェリシアの瞳を思い出す。


「そこにアイセル様が現れて、私を「幸せにする」と……そう言ってくださって……。とても驚いたけれど本当に嬉しかった。あの瞬間から、私の人生は変わったのです」


そして、フェリシアが懐かしむように優しく微笑む。


「それからのアイセル様は毎日のように私に愛を伝えてくださいました。最初は私を励ますための冗談だと思っていたのですが……」

「冗談なんかじゃ……!」

「ええ。アイセル様はいつだって真剣でした。それなのに、私は『子供だから』と理由をつけて、あなたの想いに向き合わなかった……」


それは仕方がないことだと思う。

いくら僕の中身が成人であっても、アイセルの姿は(まご)うことなき子供なのだから……。


フェリシアが真っ直ぐに僕の顔を見つめる。


「アイセル様。ごめんなさい。私はあなたの恋人にも伴侶にもなれません」

「…………」

「これからは家族として、あなたと……アイセルと一緒に幸せになりたい! 私もアイセルを幸せにしたい! あなたの母親として……!」


ああ、これはフェリシアなりのけじめなのだろう。


わかっている。

彼女はクレイブを選んだ。

そして、これからは新しい生命とともに新たな家族として僕たちは歩んでいかなければならない。


(わかっていても、キツイな……)


想像していた以上に胸が痛む。

僕が本当に子供だったなら思いっきり泣けるのに……。


だけど、やっぱり僕の中身は大人の男で、好きになった女性の前でカッコ悪い姿は見せたくないんだよね。


「わかりました。これからは家族としてよろしくお願いしますね。母上」

「………っ!」


僕の答えを聞き、フェリシアはポロポロと涙を零す。

すると、バツが悪そうな表情(かお)のクレイブが口を開いた。


「あー……その、お腹の子供が男だったとしても、我が家の次期当主はアイセル……お前だ。それを変えるつもりはない」


どうやらクレイブなりに僕に気を遣っているらしい。


「そんなことより、妊婦を立たせたままはダメでしょう。ほんとに気が利かない……」

「おい! そんなことって……大事なことだろう!?」

「母上とお腹の赤ちゃん以上に大事なことなんてありませんよ。きっと産まれてくる子は母上に似て可愛いんだろうなぁ」

「いや、もしかしたら俺に似る可能性も……」

「ああ、それはあり得ません」

「どうして言い切れるんだ!?」

「僕には未来がわかるんですよ」


そんな僕とクレイブの言い争う姿を見ながら、フェリシアは幸せそうに泣きながら笑う。


──これからも僕があなたを幸せにしましょう。あなたの息子として。

※補足

アイセル……初めて女性からガッツリ振られしばらく傷心だったが、これもハーレムのためのいい経験だったと前向きに消化する。ハーレム志望の女性はなかなか集まらないが、次期領主を支える有能な人材はめちゃくちゃ集まる。やっぱり女の子が大好き。


これにて完結となります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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それではメリークリスマス!皆さまよいお年を!

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― 新着の感想 ―
17歳バージョンも読みたいけど、それこそB達からLされる展開になりそうだな(笑)
男ばっかり集ってきて実はホ○ゲ主人公の疑いあり 完結おめです …タイトル的に7歳以降は描けないよね…残念
完結おめでとうございます! アイセル君のハーレム(願望)物語w面白かったです、次回作も楽しみにしてますね。
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