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味わい深い青年マイケル  作者: ホナウド
2/8

第2話

マイケルくんは盆栽に話かけ始めた。

「友達になってよ」

マイケルくんは私にそう言った。

それからマイケルくんは小7日間くらいひたすら私にお話してくれた。その間に私の名前は「沖縄」に決まった。理由を問うとマイケルくんは「この世の中、理由があるものだけじゃないよ」と屁をこきながら言っていた。屁が出た。

その7日間、マイケルくんはずっと家にいた。一歩も外に出ていない。食べたものと言えば、ずっと家にあったエイヒレをしゃぶってたのみだ。

マイケルくんはこの7日間でかなり痩せたし焦燥しきっていた。そんな時に電話が掛かってきた。

「姉ちゃんだ…」

マイケルくんには8歳年上のお姉さんがいる。マイケルくんが中3時に両親が交通事故で死んでから実質親の役目を果たしてきたお姉さん。そんなお姉さんから電話が掛かってきた。

マイケルくんは出た。いや屁ではなく電話に。

「何?」

「何ってあんた、バイトの履歴書に私の連絡先書いたでしょ?」

「いやだって緊急連絡先書いてって言われたから」

「まあそれはいいんだけど、何でバイトサボってんの?」

「いや、クビになったんだよ」

「は?店長さんは来ないから心配してるって言ってたわよ?電話も出ないしって」

「クビじゃなかったの?」

「え?何したのあんた」

「ビール持ってった時屁こいてキレられた」

お姉さんの笑いはしばらく収まらなかった

「マジウケるんだけど我が弟…とにかく店長さんに連絡してまたバイト行きなさいよ?わかった?」

「行かないよもう…」

「は?行かないってどうすんの?無職でしょ?お金は?支払いものとかどうすんの?」

「友達が出来たからこれからのことは友達と相談して決めるよ」

「は?友達?怪しくないの?大丈夫?」

「大丈夫だよ。髪はトゲトゲしてて肌は木目調で信頼できる沖縄です」

「言ってる意味が全く解らないけど、とにかくちゃんとしなさいよ。このままだと飢え死ぬんだからね!」

「わかってる」

お姉さんとの電話は終わった。

「俺クビじゃなかったんだってよ沖縄」

私は、どうするの?とマイケルくんに問いかけた

「とりあえずまだお金あるから、映画見に行こうか沖縄」

そう言うとマイケルくんは支度をして私を抱えて外に出た。

桜が満開になっていた。


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