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1000文字小説

缶コーヒーが導く時空旅行

作者: 赤月白羽

書くのがなかなか難しい(?)1000文字制限の小説を書く練習をしようと思って書いてみました。

内容、テーマはその都度変わり、基本的に作品同士のつながりはありません。

 夏の暑いある日、のどか乾い飲み物でも買おうと、目についた自販機で買い物をしようとするが、その自販機は珈琲以外は売り切れだった。

 大手飲料メーカーに似て非なる奇妙なデザインのロゴの入った自販機を奇妙に感じながらも、とにかくのどが渇いていたのでコインを入れて缶コーヒーのボタンを押す。

 出てきたコーヒーを手に取りタブを開けて飲み始めた時、自販機からにぎやかにビープ音が鳴り響く。当たりを引いたと思った俺は嬉々として缶コーヒーのボタンを押したが珈琲は出てこない。なんだか騙された気分で自販機を後にしようとして振り返って目を見張る。視界に見知った景色はなく、目の前に広がるのは見たことない景色だった。

 困惑しながら町(?)をさまよっていくうち、そこが昭和の景色だと知る。どうしてこうなったのかを考え、真っ先にあの奇妙な自販機のことが頭に浮かんだ。自販機のところに戻って改めてコーヒーを買おうとしたら売り切れだったコーヒー以外の飲み物も販売されていた。軽く驚いたが、それよりもとコインを入れてコーヒーを買う。出てきた缶を取り出しながら辺りの景色を見るが何も変わった様子はない。落胆したが、とりあえずあの時の再現を続けようと手に持ったコーヒーを飲んでいると、自販機で例のビープ音が鳴った。

 早速コーヒーのボタンを押そうとしたが、今度はコーヒーのボタンに売り切れの表示があり、仕方なく恐る恐る他の飲み物のボタンを押して後ろを振り返ると先ほどまでの景色は消えたが元の見慣れた景色ではなく、また知らない景色になっていた。

 そうやって時空を旅するうちに、別の時空に移動するのは自分だけなこと、自販機を作ったのはどうやら自分のいた時代より後の人間が作ったのを知る。自販機を作った人間たちが、自分たちの時代の危機的状況を回避するために自販機を作り、そのために自分が選ばれたことを知る。

そして俺は、未来のために過去、もしくは自分の時代を、変えるかどうかの選択を迫られることになる。


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