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【本編完結】神様のうっかりで転生時のチートスキルと装備をもらい損ねたけど、魔力だけは無駄にあるので無理せずにやっていきたいです【修正版】  作者: きちのん
最終章

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602 私、待ってますから

 母艦に戻るなり、乗組員達に歓声で出迎えられる。

 敵の排除はおろか、攻撃艦も沈めてきたのだ。そりゃ盛り上がるってものよ。


「やはり、吾輩の作戦は完璧だったのであーる!!」


 いやいや、頑張ったのは俺達だからね?

 予想以上の戦果を挙げてしまったものだから、テンションが上がるのは仕方ないけど。


「ふおー! セキこちゃんやるじゃん!」


「凄かったですよ、セキこちゃん」


 セーマルミさんとルリさんが揉みくちゃにしてくるが、甘んじて受け入れよう。

 断じて下心がある訳じゃないからな!

 フェルティアさんが遠くから羨ましそうに見てるので、手招きしたら寄ってきた。


「副艦長もセキこちゃんを褒めてあげてー!」


「セキこちゃん、すっごく手触りがいいんですよ」


「なるほど。……では、失礼して。……ほほう、これはこれは!」


 この光景をリリナさんや他のみんなに見られたら、なんて言われるのだろうな。

 怖いので、ここだけの秘密にしておきたい。


「オホホ、吾輩にも触らせるのであーる!!」


「黒タイツはどっか行け!」


「気持ち悪いです!」


「痛い! 痛い! 蹴らないであーる!!」


 セーマルミさんとルリさんに蹴り飛ばされる艦長を横目に、機関士のロベルトさんがやってきた。

 フェルティアさんは我に返ったのか、さっと俺から離れてしまう。

 もっと抱きついててもいいのですよ?


あんちゃん……じゃなくて今は、嬢ちゃんか。さっきは大活躍だったな」


「おかげさまで。と言っても、武器が凄かっただけですけどね」


「まあ、そう謙遜するな。あんな未知の武器を使いこなす嬢ちゃんも凄いぞ」


 そんなもんですかねえ。

 ゲームやアニメとかで、色々な武器を見てきたから使い方がなんとなく分かるだけなので申し訳ない。


「それとは別な話なんだが、先程の敵艦の主砲をシールドで防いだところ、動力炉がダメージを受けてしまってな。このままだと、次の攻撃をしのげる分からんぞ」


 ロベルトさんの言葉に、浮かれていた人達が一気に黙り込んでしまった。

 だが、黒タイツの艦長がニヤリと笑う。


「オホホホ! 吾輩達は負けないのであーる!! 見るがいい!! ここに猫耳の守り神がいるのであーる!! 彼女がいれば、この艦は沈む事は無いのであーる!!」


 空気を読まない艦長だが、妙な力強さで宣言するものだから、黙り込んでいた人達が再度盛り上がり始める。


「そうだ! 我らがセキこ様! この艦を守ってくれ!!」


「セキこ様!! 最高だ!!」


「サインくれ!!」


「セキこー愛してるぞー!!」


「貢がせてくれ!!」


「添い寝してくれ!!」


 なんか後半ヤバくなってきたが、沈んでいた空気が一転してアゲアゲになってしまった。

 艦長って、実は魅了とかのスキルを持ってるんじゃないか?


 この騒ぎにはフェルティアさん達も困惑しきりである。

 そんな中、神様と女神様の表情が浮かない。

 せっかく、デカい口を叩いていたデラスヴァとやらを撃破したのに、何が不安なのだろう。


「奴がこんな事で死ぬはずが無い。死神の名は伊達じゃないんだ……」


「私も彼がこのまま見逃してくれるとは思いません」


 おいおい、敵艦を沈めたんだぞ。そのまま吹っ飛んだんじゃないのか?

 そう思った矢先だ。



 ザッ……ザザ……


 ノイズ交じりの音声が艦内に流れてきた。


『私も諸君らを甘くみていたようだ。まさか、艦を沈められるとは思いもよらなかったよ。……次は本気でお相手しよう』


 なんだか、毎回主人公にやられるライバルみたいな奴だなあ。

 そんな事を考えてると、神様達は真っ青な顔で震えている。


「も、もう駄目だ! 僕達は完全に狙われている!」


「セキさんが挑発するからですよ! どうするんですか!?」


 ええー、俺のせいなの?

 流石にそれはどうなのよ。


「オホホホ! 吾輩達には猫耳セッキーがいるのであーる!! 何も心配する事はないのであーる!!」


 誰が猫耳セッキーだ。

 変な名前つけるな、黒タイツ艦長。

 呆れていると、ディナントさんとユキヒロさんに肩をポンと叩かれる。


「先程の戦闘の分析と今後の対策だ」


「あの凄い兵器はもう使えないから、戦艦クラスとの戦闘の対処法を考えよう」


 おお、やっとマトモな話ができる。

 そんなこんなで、短い休息の後にシミュレーションマシンで機体の連携等を再確認した。


 ちなみにだが、多数の武器を持つのは俺の機体だけらしい。

 普通の機体は、異次元空間に武器の格納なんてできないそうだ。

 それ以前に使いこなすのも、まず無理との事。

 俺の場合、オームラさん達のアシストあってこそ可能なのだろう。


 ディナントさんの兵装は、両肩に格納された小型の自律型攻撃兵器を展開しての全方位攻撃がメインだ。

 ゴーレムを操るスキルを活かしているようだ。


 ユキヒロさんの場合は、オーソドックスにビームライフルとビームソードだ。

 本人曰く、奇をてらうよりシンプルなのが使いやすいとの事。

 だけど、左手にドリルを仕込んでるし、他にも色々と隠し武器がありそうだ。


 二人はそれぞれ遠距離攻撃と白兵戦に特化しているが、俺は器用貧乏タイプなのかも。

 そこはオームラさん達の働きに期待しよう。





 それから仮眠を取る暇もなく月の表側に到着。

 そこには巨大な球体があった。これが目標の人工衛星らしい。

 しかし、まるでデ〇スターみたいだな。こんなのが月の近くに浮いていたかと思うと、なんだか恐ろしくなってくる。

 衛星の一部が破損しているが、『神代戦争』の際に古龍が自らの命と引き換えに破壊したとシーラが言っていたのを思い出した。


 はるか前方に花火みたいなのが見えるが、友軍と衛星守備艦隊との戦闘の様子だ。

 あちらで敵を引きつけている間、一気に突撃する作戦なのだが……。


「デラスヴァってやつ、また攻めてきますかね?」


 格納庫で待機するディナントさんとユキヒロさんに尋ねてみる。


「さあな。俺達は俺達の仕事をするだけだ。早く帰って、にゃんにゃんキュートのショーを見たい」


「そんな事よりさ、猫耳美少女と戦闘ロボのプラモデルを商品化してみようかと思うんだ。これは売れるかもしれないよ!」


 この二人にとって、どうでもいい事らしい。

 顔も見た事のないデラスヴァに思わず同情してしまうや。


『これより衛星に突撃します。総員、指定の場所に退避後、衝撃に備えてください。繰り返します──』


 ルリさんの声で艦内放送が流れる。

 さて、俺達も行きますか。



 機体に乗り込み、甲板で待機する。

 この強襲揚陸艦ゴータで文字通り衛星に突撃するのだ。

 そのまま内部に侵入して、一気にコントロール室を奪取するのが大まかな作戦である。


 ん? プライベート通信か? こんな時に誰だろう?


『……あの、セキこちゃん。絶対に生きて帰ってきてくださいね。私、待ってますから』


 通信はルリさんだった。

 返事をしようと思ったら、共有通信が割り込んできた。


『三人とも、準備はいいのであーる? トップスピードで突っ込むので、振り落とされないのであーる!!』


 相変わらず空気を読まない黒タイツ艦長だな……。


 準備は整った。

 左右の僚艦が動き出し、俺達の艦も発進する。




「ご主人さま、十時の方向に敵機の反応多数です!」


 早速、オーちゃんレーダーに反応あり。

 やっぱり、作戦はデラスヴァにバレバレだったみたいだな。すぐに敵の情報を艦に伝え、僚艦にも共有する。


 甲板の左右に設置された無数の機銃が敵方向に向いて撃ち始める。

 敵ミサイルなのか、次々と爆発していく。

 それに混じって大型機械人も攻撃してくるが、すぐに対空砲火の餌食だ。


『あたいがいる限り、この艦に攻撃は当てさせないよー!!』


 若干フラグにも思えるセーマルミさんの発言だが、敵機はことごとく撃ち落とされている。

 このまま速度を上げて、一気に突っ込むぞ。



「ご主人さま! 三時方向から敵機! 物凄い速度です!!」


 オーちゃんが叫ぶのと同時に右側の僚艦に被弾したのか、側面が爆発するのが見えた。

 すると、今度は左側の僚艦の甲板が爆発している。



『三番艦被弾! エンジン出力低下! 航行不能です!』


『一番艦攻撃を受けている! 退避行動に移る! 五番艦、後を任せる! 武運を──!!』


 おいおいおい……なんてこった!

 結局全滅する勢いじゃんかよ。くそ、最初からこんな作戦無謀だったんだよ!!


 左の一番艦が光線に貫かれたのが見えた。

 ビーム兵器を撃ったのは他の機械人より、はるかに大型の機体だ。

 その機体が自由に飛び回るビーム砲を複数操っている。


 ビーム砲のいくつかが、こちらに狙いを定める。

 このままじゃ撃たれる!

 そう思った瞬間、こちらを狙っていたビーム砲が吹き飛んだ。


『ここは俺の出番だな。二人とも、後は任せたぞ』


 ディナントさんが機体に格納されていた自律型攻撃兵器を展開しつつ、甲板から飛び立ってしまう。

 すぐに敵機のビーム砲との撃ち合いが始まるが、艦のスピードは増していき、ディナントさんの機体はすぐに見えなくなってしまった。


「ディナントさん!」


『セキこちゃん、ディナントの事を信じよう』


「だけど、一人じゃ無理ですよ!! 助けないと!!」


『もう間に合わないよ。それより突入に備えて!』


 え?


 衛星は既に目の前に迫っていたのだった。

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[一言] さぁセッキーの運命はいかに
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