プロローグ
私は100kgオーバーのデブだった。
どこからどう見ても贅肉の塊。
彼氏なんかいるはずもない、デブアラサー社畜。
好きだった高校の先輩には「痩せろデブ」と罵られ、街を歩けば「やだーあの人、超デブじゃーん」「ほらお菓子を食べ過ぎちゃいけませんよ、あんなんになってしまいますからね」「あ、白豚だー」等、後ろ指コンプリート。
デブという多大なストレス源を紛らわすため、過食にはしり、さらに贅肉をパワーアップさせるという、エンドレス・デブ・ループ。
そんなある日の業務終わりだった。
こんなどうしようもないデブOLでもご飯に誘ってくれたり仲良くしてくれる同期で、一番仲が良いと思っていたチサちゃん。
そのチサちゃんがたまたま、私が当時おこがましくも憧れていた水川先輩と話しているのに出くわしてしまったのだ。
「チサ、また合コン協力してくれねー?大学の時の同期で、〇〇社の経理で働いてる奴がいて、うちと合コンどうかなーって」
「良いですよー、水川先輩が好きそうな綺麗系の女の子集めときますねー」
「それはありがてー。あ、例のネタ枠引き立て役もいつも通り、お願いするわw」
「了解でーすwあの子いたら自分が細く見えるって他の女の子からも好評なんですよ、コミュ障ですし一次会だけおいとけば勝手にすぐ帰りますし、お金も言い値で二次会分まで出してくれるから重宝してるんですよw」
「うわ、いじめじゃん、かわいそーw」
「本人誘われていつも喜んでますし、気付いてなきゃ、いじめじゃありませんってー」
ハハハッ、と笑いながら廊下を歩いていったチサちゃんと水川先輩。
涙も出なかった。
ただ、悔しくて。
チサちゃんや水川先輩に、そしてあんな人たちに憧れ、まんまと騙されていた自分。
何よりもこうなってしまうまでデブを改善しようとしなかった自分の怠慢さ。
やりどころのない悔しさを感じた。
よし、ダイエットだ。
何年かかってもいい、誰もが羨む健康的スリム体型になってやる!
小説投稿始めてみました。
右も左も分からない新参者ですがこれから宜しくお願い致します。