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21.

 (※ローマン視点)


「写真を処分していないだと!? いったい、どういうことなんだ!?」


 僕はクリスタに問い詰めた。


「どういうことと言われても、言葉通りの意味よ。写真は回収したけれど、処分はしていないわ」


「じゃあ、その写真はいったい、どこにあるんだ!? お前は持っていないんだろう?」


「ええ、私は持っていないわ。あれは、あなたの弱みでしょう? どうしてそれを、あなたに渡さなければいけないの?」


「お、お前……」


 なんなんだ、いったい……。

 今まで僕が知っているクリスタの表情ではない。

 お前は僕に脅されて、従順な女だったはずだ。

 それがどうして、こんなことに……。


「私、いろいろと考えたの……。あなたに脅されて、ひどい目にあわされて……、このままで、本当にいいのかって。そしてある日、こう思うようになったの。周りのことなんて、どうでもいい。いえ、周りだけじゃない。私自身のことさえも、どうでもいい。私はただ、あなたの苦しむ姿が見たい。……でも、あなたは相変わらず、浮気がバレることを恐れているようね。だからあなたは、私に逆らうことができない。私があの写真をお義父様に送ったら、あなたは終わりよ。この意味、わかる?」


「ふ、ふざけるなよ……」


 僕の声は、震えていた。

 まさか、こんなことになるなんて……。

 確かにあの写真をお父様に送られたら、僕はお終いだ。


 あの写真を脅しの道具に使ってくるなんて……。


 これで立場は、完全に逆転したということか……。

 彼女は僕の奴隷だったはずなのに、いつの間にか僕が彼女の奴隷になってしまった……。


「これからも、幸せな結婚生活を送りましょうね」


 そう言って彼女は、ゆがんだ笑みを浮かべていた。

 今までの彼女からは、想像もできない表情だった。

 僕はこのまま、彼女の言いなりになるしかないのか?

 こぶしを握り締め、僕の体は震えていた。


 いや、そんなことになるくらいなら、僕がクリスタを……。

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