表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/22

19.

 私はローマンの言う通り、憲兵を金で買収することにした。


 幸い、まだマリーのことは発覚していない。

 私は憲兵の駐屯所へ向かい、話をすることにした。

 私と会ったのは、なかなか話の分かる人物だった。

 金で何人かを買収することで、計画はスムーズに進行した。


 私は何もかも事情を正直に話し、お金を渡して、そのことを黙っておいてほしい、捜査を攪乱してほしいとお願いした。

 そして、写真の回収も頼んだ。


 さっそく、マリーの事件が捜査され始めた。

 事件は、強盗の仕業に見せかけられた。

 ローマンには、一切疑いの目が向いていない。

 容疑者が一人も捜査線上に浮上せず、事件解決は難航状態となっていた。


 すべては、買収した憲兵たちが、うまく立ち回った結果である。

 捜査が始まる以前に買収できたことも大きい。

 これによって、ローマンは疑われることがなくなったので、私は安心した。


「例のものも、回収しておきましたよ」


 憲兵がそう言って、私に写真を手渡してきた。

 ローマンとマリーが裸で写っている写真である。


「ありがとうございます。これで、安心ですね」


 私は果たすべきことを果たしたので、憲兵の駐屯所をあとにした。

 一人で歩きながら、私はローマンのこと、そして、自分の置かれた状況のことを考えていた。

 私はポケットから、例の写真が入った封筒を取り出す。


 手に持っている封筒を眺めて、私は思わず笑みを浮かべていた。


 まるで、ローマンの心臓を握っているかのような気分だった……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ