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自分ご褒美チョコレート(そして明日も頑張れる)

作者: 猫乃つづり

チョコレート、今日も疲れた体に効く回復薬


俺こと真昼田一郎太まひるだいちろうたはそんな風に思う


バレンタインとかを連想させる人もいるけど、そんな人は爆ぜてしまえばいいのに(笑)


爆発魔法とかそんなもので倒していって懲らしめてやりたいぐらいに


いや、現実世界だからそんなもの無理か、もし、魔法が使えたらって考えてみただけである。


とりあえず、今日の学校も終わり、俺はそそくさと帰りの支度をする。

あぁ早く帰ってゲームしてぇー今日はバレタインイベなんだ、架空の女の子だから別に問題ない、だって2次元だし、むしろ俺はどっちかって言われたら2次元というかその次元にいきつつある。

しかし、その思いとは裏腹なのがこれまた人生である。

聞き馴染みのある声が俺の耳に入ってくるのだった。

よって、俺の帰り支度は一時中断のホイッスルが上がる。


「あのさー今日ってバレタインだよな」

「うん、そうだけど、どした?」


そういえば今日はバレタインの日だということにいつも仲のいい数少ない友人に言われて思い出す。

しかし、ここは男子校、まぁそんな話題が出るのには何か理由があるのだろうか?

というか、もしかしてもらったのか、だとしたらキレる。


まぁ仕方ないか、ここで聞かないのもアレだからとため息がつく感じで言ってみせる。

こころなしソイツはちょっと明るい感じである。

見間違いかな?


「それがさぁ、俺、今日もらっちゃたんだよね」


……


「は?」


友人が照れながらいうのであった。

対する俺は祝うこともなく驚きの声を上げる、まさに例えるなら人間から機械に変化したかの様に……


わかりにくいか?ごめんね?


まぁ、自慢とも言える話をされて喜ぶ奴なんていないだろう


要するに当然の反応だ。


もし、仮にいたとするならば、それはどこぞのパリピーか幸せものの偽善者野郎なのだろう……

だから、俺は祝う奴に対しては疑いをもって、接するのである。


うん、この言葉からして俺は捻くれ者にカテゴライズされてしまうだろう。

しかし、これは俺にとってのアイデンティティ、治す気はない


「で、それを俺に言ってなんになんの、もしかして彼女とかいたらぶち殺すぞ」


俺はグルルというのかという感じで犬の威嚇する感じで目を尖らせて怒る


犬だったらコイツに噛み付いてやりたいぐらいだ。

人間だから出来ないし、つかしたら駄目だよな俺の人生オワルよ?マジで


「ごめん、ごめん、いやーなんかさーこの喜びをさ、自慢したくさぁ」


でへへへとでれながらいうあたりがたちが悪い、なんだお前はどこぞの煽りプレイヤーかなんかなのか?

と思ってしまう。

しかも、悪意がないのがこれまた達が悪い

分かるよ、その自慢したい気持ち俺だって、ゲームで大好きなキャラが当たった時は自慢してるもんな。


しかし、今回は話は別だ何しろその物がチョコレートしかもバレタインときた


「はぁ〜」


俺は気を落ち着かせようと頭を抑えてため息を吐く


「まっ分かるよその気持ちというか、もう帰ろう」


俺は素早く気持ちを転換させて家に帰る方向へと突き進む

正直、他人の幸せなんて耳をかすことなんてどこぞの脳内ハッピー野郎かよと思ってしまう。

まぁ帰ったら?別に母チョコあるし別にいいけどねー


「おっそうだな、じゃあさ自分に対してのご褒美チョコはどうかな?コンビニなんだけど」

「えっ?別にいいよそんなの」


実際早く帰ってバレタインイベを消化したい気分だ。

2次元はいい、3次元のようにドロドロとしたものがないから。

俺の場合はもらうこともなかったけど。

ある意味仕方ない事かもしれない、県外から来たわけだし、共学だったら貰える可能性はあったかもしれない、まぁその場合はキョドッてしまって、何こいつキモいと言われて不登校エンドになるな、あぁ哀しき人生……


どうして女子とはこうドロドロしたものが好きなのかね、チョコフォンデュかよと思ってしまう。

あぁだからそういう甘いものとかで食べながらドロドロとした話をするのかなぁと思ってしまう。


だから、男子校に進学したわけだけど、行きたい大学とかに近いし、進学校だし、女子いないし。

そのおかげで2次元と出会えるきっかけができたからよしとするか!いやダメだろ

危うくオタク軍団の一翼を担うとこだったっぜと心の中で安堵する。

ちなみに俺の友達はオタク仲間が多い、しかし、案ずるなかれ、2次元にちょっとときめきかけたけどまだ見えてるからな、あぁ早く帰って親密度上げてイチャイチャしたい


「まぁそんなこと言わずに!なっ」


そう言って肩を叩いてニッコリ笑う友人、心なしか温かい目で見られてる気がする。


例えるなら捨て猫に慈悲を送るようなそんな目で、なんか釈然としないがまぁいい、ゲームをしたりとか脳を働かせる時にはご褒美も必要だからな


「まぁ仕方ないな、わかったよ」

「そして帰りにラノベを買う」

「そう来たか」


あっコイツも思えばオタク軍団に洗脳されてたんだったなと今更ながらに思う俺。

まぁいいんだけどね俺も買いたいラノベあったし


「よーし、今日は奢りだ好きなだけ買ってもいいぞ」

「おっマジっすかあざーす、じゃあマイケルジャクソン買いしてもいいっすか」


おっなんか気前がいいな、まっこれでプラマイゼロにしたいのだろう。

なんて心優しい友人なのだ。

思わずニヤリと笑い冗談交じりにこんなことを言って見た。

奢るということはそういうことだ、俺の場合はしないけど


「一個だけな一個だけ!俺はセレブじゃねーぞ!たくっ」

「セレブじゃないの……えっ」

「違うわ!」


そう言ってプンスカプンスカ怒ってみせる。

しかし、心なしか彼も冗談だとわかってるのか目は笑っていた。

俺も思わず笑ってしまう。


そうか、これもいわばバレタインのイベントごとかもしれない。

だってチョコレートとは自分に対するご褒美とも言えるのだから



「よーし、なん閃○カグラやりたくなって来たなー」

「むむ、お主もやっと我らの軍団の一員として風格を現して来たじゃないか」

「ちげーよ」


また余計な奴が増えてしまったと俺は後悔する。

思わず口にしてしまった時はもう遅かった。

多分帰りは遅くなるの確定だ、だってそのボスが現れたのだから。

やっぱり雑念ぽくなってモヤモヤしてしまうバレタインなんて嫌いだ。


そして、これからも俺の大好きなラブコメとは程遠い青春ライフは続いていく……





















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