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24話 ~メルクリウス・ゴーレム~ 水銀の魔人形、あるいは超乳ぷにゅぷにゅゴーレム娘

 水銀は人型になっていき、その姿は明らかに女性だ。

 何故って? それは……


「おっぱいデカいな」


 そうなのです。

 たわわなおっぱいがあるからです!


「これは期待できそうだな」


 いくら魔人形ゴーレムが上手く出来上がっても、超乳でなければ意味はない。

 だけどたわわなおっぱいは、いい感じに仕上がっている。


 水銀は、見る間にナイスバディな女性に変化した。


 メタル感たっぷりの銀髪、顔は村にあった食堂の看板娘に似ている。

 ボンキュボンなスタイルのその肌は、滑らかでどことなく光沢を帯びているような気もする。

 そしてたわわなおっぱい。

 まさにぷにゅぷにゅとしたそのおっぴぱいは、超乳と呼ぶに相応しい……と、いいなぁ。

 判定するのは僕じゃなく魔剣だからね。


 ところで、なぜそこまで詳しく説明できるかと言うと……


 そう……

 すっぽんぽんの素っ裸なのだ。



「服着てませんね」


「当たり前だな」


 当たり前らしい。

 そう言われれば、よく本でみる岩や土の魔人形ゴーレムは、服なんか着てないよな。

 そもそも女性の魔人形ゴーレムっていうのも見たことない。


 まあ、実際に魔人形ゴーレムを見るのは、今が初めてなんだけど……



「服より先に名前だな。名付けによって魔人形ゴーレムとしての命が吹き込まれるんだ」


 名前は考えてなかったな。

 でも、何だか食堂で働いていたメルモさんに似てるし……


「メルでいいかな?」


「いいんじゃないか。錬金術師は水銀をメルクリウスと呼ぶんだが、もしかして知ってたのか?」


 もちろん!


 ……知りませんよ、そんな事。

 錬金術師に知り合いなんていないし、見たことすらないしね。



「じゃあ、その名前で呼んで“動け”と命令してみな! それで動き出せば、成功だぞ」


 動かなければ失敗か。

 そうしたらまた最初からやり直しって事かな?

 それはそれで面倒だな。

 まあ、やってみるしかないか……


「メルよ、動け!」


 ……

 …………

 ……………………


 あれ? 動かないぞ。失敗かな?



「ぷゎあぁー! ……ふう」


 突然、息を吹き返したように魔人形ゴーレムが動き出した。

 なんとか成功したみたいだ。


「アタシは……メル?!」


「そうだよ、メル。僕はフィル、よろしくね」


「フィルが主人マスター?」


「そうなるみたいだね」


 一応僕が作ったことになるからね。


「わかった。それでアタシは何をすればいいの?」


「魔王を倒しに行くんだ。メルは……まあ、一緒に付いてくればいいだけかな?」


「うん、わかった。簡単だね!」


 これでメルは仲間に認定されるはずだ。

 あとは超乳かどうかだけど……


「ゾーイ、とにかく服を着せようよ。何かないかな?」


「服か……まさかオレの魔道服って訳にはいかんしなぁ。アリスにでも借りるか?」


 ゾーイの魔道服同様、アリスがメイド服以外を持ってるかどうかも怪しいけどね。


「最悪、買えば済むだろ」


 いやぁ……

 それまでこの、ぷにゅぷにゅのたわわなおっぱいを晒したままにしろと?


「おっ! きたきた。魔剣が光ったぞ」


 なぜか変なタイミングで腰の魔剣が光り出した。


《超乳》


 脳内に聞こえる声は、予想通りと言うか予定通りと言うか“超乳”だった。


 実際のところ呪いの影響なのか、魔剣のおっぱい基準のイメージがわかるようになってきた。 

 その通りに超乳のイメージを魔魂へ送りこんだのだから、メルが超乳判定されない方がおかしいのだ。


「どうだった、フィル? 超乳か?」


 さすがのゾーイも、今回は割と真面目に聞いてきた。

 超乳じゃなければ、やり直しという事になるからだろう。


「ええ、問題なく超乳でしたよ」


「よし! これで難関突破だ。あとは普乳だけだな」


 ある意味おっぱいを揃える方が、魔王を倒すより困難という、変な呪いだからね。



「おっ! やっと魔人形ゴーレムが出来たな」


 ヴァニラが様子を見に、隣の部屋からやって来た。


「超乳だったのか?」


「はい。大丈夫でした」


 ヴァニラの後から、他のみんなも部屋に入ってきた。


「なんじゃ? 裸ではないか」

「フィルの……スケベ」


 いや、だってしょうがないじゃない。


「そういう顔がご主人様の趣味なのですか?」


 そういう訳でもないんだけど、何となくね。

 みんなの他には見知った女性もいないから、イメージなんて湧かないし……


「服は無いのかニャ?」

「あたいのじゃ、ちょっと胸が苦しそうだしねぇ」


「ワタシの服でよかったら、あげてもいいわよ?」


 たしかにグレモリーの服なら問題なさそうだ。

 特に胸が……


 でも、妖魔って他にも服持ってるものなの?


「この間、次元の狭間にある何でも屋さんで、異世界の服を買ったのよ♪」


 次元の狭間?

 何でも屋??

 異世界の服???


 さすが妖魔で魔王……全然意味が分からないよ。


「チャイナドレスとかいうやつなんだけど……でも、ちょびっと胸が苦しくてね」


 そう言って目の前に出した服は、ちょっと変わったデザインの、シルバーのタイトなワンピース。

 しかも何故かとても丈が短い……


「でも下着は無いわよ。ワタシは履かないから♪」


 ああ、うん。

 それなら仕方ないね……

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