表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/33

21話 ~クリムゾン・デヴィル~ 深紅の艶魔、あるいは魔乳の魔王


「準備は……こんなもんだな、っと!」


 なんか怪しいものがいろいろ並んでるし、黒いニワトリがグロい事になってるし……


「フィル! これから呪文を教えるから、ちゃんと覚えろよ」


 やっぱり僕がやらなきゃないのか。

 でも……

 これで僕も、使い魔の契約者になれるって事だな!


「呪文はこうだ。“エロエロエロクサイッス、エロエロエロクサイッス、我は求め訴えたり”これを三回……簡単だろ?」


 思ってたのと、ちょっと違う気がする。

 いや、だいぶ違うような気がするけど……


「後は魔法陣の前に跪いて、呪文を唱えるだけだぞ」


「じゃあ……この辺でいいかな?」


 とりあえず祭壇側に向いて、魔法陣の前に跪いてみた。


「そこでいいぞ。それから、っと……」


 ええっとですね……

 何で僕の肩に爆乳を乗せてるのかな?


「あの……ゾーイ? これは……」


「ん? ああ。フィルの魔力じゃしょぼい使い魔しか召喚出来ないからな! オレの魔力を伝えるんだよ」


「で……なんでおっぱいなんです?」


「おっぱい? 体を寄せてるだけだぞ!」


「……そうなんだ」


 どうやら位置的に、肩におっぱいが乗ってるだけのようだ。

 

「よし、準備はいいな! フィル、呪文を唱えろ。三回だぞ!」


 えっ? もうやるの?


「フィル、凄いのを期待してるぞ!」

「ヴァニラはまさか、おっぱいの事を言ってるんじゃなかろうな」

「凄い、おっぱい……」

「期待してますよ、ご主人様」

「何が来るのかニャー」

「失敗はしないようにね♪」


 みんな勝手な事を言ってるな。

 変な期待はされてるし……


「じゃあ、やりますよ。ええっと……“エロエロエロクサイッス、エロエロエロクサイッス、我は求め訴えたり”――」


 教えてもらった呪文を三回唱える。

 ゾーイの爆乳を肩に乗せながら……


「おっ! いい感じだな」


 ゾーイの声で顔を上げると、魔法陣から赤い煙が湧き出してきた。

 赤い煙は魔法陣の中央に集まり、徐々に人型になっていく。


 見ているうちに、それは唐突に実体化し、美しい女性の姿となった。


「アタシを呼んだのはお前かぇ?」


 えーっと……何?

 使い魔なの? 人じゃなくて?


「あ……はい」


 深紅の髪のセクシーな女性が出現した。

 真っ赤な革のビスチェのような物を着ていて、露出度はビキニアーマー級だ。

 そしてなにより、色気が凄い。

 踊り子ダンサーのクレオより遥かにエロい雰囲気を醸し出している。


「あんたがねぇ……そんな魔力があるようには見えないけどねぇ」


 あるように見えないのではなく、無いのである。


「残念ながら、お前を呼び出した魔力はオレのもんだ。そいつに魔力なんてほとんど無いぞ」


 そういうのってバラしていいの?

 じゃあ帰りますとか、ならないのかな? 


「あら、やっぱりそうなの? まあ、そんなのよくあるしねぇ」


 よくあるんだ。

 みんなやってる事なんだ。


「まあいいわ。ところで対価は何で、何をいつまでどうすればいい訳?」


「えーっとですね……」


「フィルの使い魔になって、魔王討伐パーティーに参加する事。期間は魔王を倒すまでだ。対価は……これだ」


 ゾーイは家から持ってきた瓶を目の前に差し出した。

 中には心臓らしきものが入っている。


「それは……もしかして、ドラゴンの?」


「そうだ。ドラゴンの心臓だ。契約するならこれをやろう」


 ドラゴンの心臓がどれほど珍しいのか、はたまたどんな用途があるのかは僕には分からない。

 分からないけど、使い魔の彼女が目を輝かせている所を見ると、対価としては充分なのだろう。


「あともうひとつ、お前が魔乳か超乳であることが条件だな」


「……なにそれぇ? まにゅう? ちょうにゅう??」


「おっぱいの種類、まあ大きさだな」


「あら! おっぱいなら負けないわよ!!」


 たしかに言うだけのことはある。

 爆乳のゾーイより大きそうだ。

 これなら魔乳か超乳くらいはありそうだ。

 いや、使い魔だから魔乳なのかな?


「全てのおっぱいをメンバーにして、魔王を倒しに行かなきゃならん理由があるからな」


「そうなの? でもねぇ……ドラゴンの心臓も欲しいけど、魔王討伐でしょ? 魔王の誰を倒すのよ」


「西の森の魔王、ドールだ」


「ああ、そう。でも、困ったわねぇ……」


「何が困るんだ? 別に、お前がそこまで強い必要は無いぞ」


「周りは全部パーティーのメンバーなんでしょ? これなら確かにドールなんて三回は倒せそうね」


 やっぱり三回倒せるんだ。


「じゃあ何が困るんだよ!」


「だって……ワタシも魔王なのよねぇ」


 え?

 今……何とおっしゃいました?


「魔王だって? もしかしてお前……深紅の艶魔クリムゾン・デヴィルグレモリーなのか?」


「あら、ワタシも案外有名なのね」


「当たり前だろ、魔王だぞ! しかし、なんで……」


「なんでって言われてもねぇ……暇だったからよ♪」


 魔王って、暇なら使い魔として召喚されるものなの?

 しかもその理由が“暇だから”って……

 意味が分からないよ。


「うーん……まあいいわ! 契約しましょ♪ 別にドールとお友達って訳でもないしねぇ!」

 

 魔王が別の魔王の討伐に参加するとか、いいのかな?

 まあ、いいんだろうね、本人がそう言ってるし。


「そう言う訳で、よろしくね! フィルちゃん♪ ワタシの事は呼び捨てでいいわよ。あなたの使い魔なんだから♪」


 ちゃん付けって……まあいいけど。


「じゃあよろしく、グレモリー」


 僕の挨拶と同時に魔剣が光り、頭の中に例の如く声が響いた。


《魔乳》


 うん、知ってた。


「魔乳か、フィル? 魔乳なんだろ?」


 いつもの如く、ゾーイは楽しそうに聞いてくる。


「そうだね、ゾーイ」


 とりあえず、あとは超乳と、普乳か……


「じゃあ作るのは超乳だな!」


 次は超乳の魔人形ゴーレム作りらしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ