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19話 ~ア・ホワイル・オブ・ザ・アフタヌーン~ 午後のひととき、あるいはスライムの森へ

 えー…………

 昼過ぎなのにお風呂です。

 しかも僕の周りは全員女子です。

 もちろん……裸です。 

 昨日に引き続き、またもやゾーイの発案で“裸の付き合い”だそうです。


 これ、少なくともあと一回あるよね。

 全員揃うまで……



「ニケは微乳なのか? わらわと違いはないような気がするが……」

「おいらより、ニケの方が……ちょびっとだけ大きい」

「二人とも、ボクのおっぱいを触るのはやめるのニャ〜」


 こうして見ると、本物の猫耳族のニケには、おしりから尻尾が生えている。

 呪いで猫耳になった僕には尻尾は無い。

 何故なら“猫耳”の呪いだからだ。


 えっ、何?

 見ているのはニケの尻尾であって、おしりじゃないよ。

 決して……ね!


 しかし何なのかな?

 いつも普乳以下チームと普乳以上チームに分かれているような……

 湯船には、ゾーイ、ヴァニラ、アリス、そしてクレオが入っている。

 しかも何故か僕を囲むように……



「さて、今後の事でも話し合おうか!」


 正面の向かって右にいる爆乳、いやゾーイ。


「残りのおっぱいをどうするか、ということでしょうか?」


 僕の右には巨乳のアリス。


「残りは魔乳、超乳、普乳……だったな」


 左には美乳のヴァニラ。 


「魔乳と超乳って、ゾーイよりデカいってことでしょ? 人外レベルじゃないのさ」


 そして正面の左、ゾーイの隣には、豊乳のクレオ。


 正直、美乳はさておいて、豊乳、巨乳、爆乳にさしたる違いはない気がする。

 実際の大きさは、微々たる違いだ。

 だけど、その言葉のイメージにぴったりのおっぱいだったりもする。


 え……なに?

 まじまじ見てるだろっ、って?

 いやほら、今後の魔乳とか超乳の仲間を誘うためにですね……


「人外レベルって、オレを何だと思ってんだよ!」


 魔力もおっぱいも人外レベルの魔道士、ですよね?


「ですが、確かにそうかも知れませんよ。ゾーイ様以上のおっぱいとなると……簡単に探せるのは牛角族くらいでしょうか?」


 でも牛角族だと魔乳、超乳ってイメージじゃないよね。

 しいて言うなら……牛乳?


「いや待てよ……人外、か……よし!!」


 あぁ……

 僕の目の前で急に立ち上がらないでくれませんか?

 お願いだから。


「フィル、さっさと風呂から上がれ! 今からオレん家に行くぞ」


 強制的に入らされたかと思えば、急に上がれですか?

 まったく、もう……


「なんだ? なんなら私も行こうか?」


 ヴァニラも急に立ち上がらないでってば!

 顔の隣におしりが……


「いや大丈夫だ。ちょっと入り用な物を持ってくるだけだからな」


 入り用な物ね……

 いったい何を始める気なんだろう?


「何やってんだよ、フィル! 早く行くぞ」


 あー、はいはい。

 今上がりますってば!






「準備はいいか? 転移するぞ」


「準備はいいですけど、転移防止の結界は?」


 街中は転移防止の結界が張ってあったんじゃなかったっけ?

 それと転移自体禁止されてるはずじゃ……


「蜘蛛の巣以下だって言っただろ? それにここなら誰も見てないしな」


 そう言えば、そんなこと言ってたっけ。

 まあ、見られなければ咎められることもないしね。


「じゃあ行くぞ。ほら、ちゃんと捕まれって!」


 どうせまた、爆乳を押し付けられるんですよね……






「着いたぞ」


 あっという間に、懐かしのスライムの森に着いた。

 懐かしの、と言っても昨日の朝の事だけど、あまりに激動過ぎて、すでに1週間くらい経った気がする。


「結界は、大丈夫だな。まあ、オレの結界が簡単に破られるわけはない……いや、そうでもないか……なあ、フィル!!」


「え……いや……」


 僕が破ったわけじゃないんですけど。

 ゾーイが適当に結界張ったからじゃないの? 


「冗談だよ。何かの原因で綻んだだけだろ」


 そう言いながら軽く手を動かすと、結界を解除したのだろう、目の前にゾーイの家が出現した。


「それで、何を取りに来たんですか?」


「ああ……召喚儀式の道具と、あとは魔人形ゴーレムを作る物をもろもろだな」


 召喚?

 魔人形ゴーレム

 ゾーイはいったい何する気なんだ?


「えーっと、儀式の道具はどこにやったっけな――」

「ねぇ! 召喚って……」


「召喚と言ったら使い魔の召喚に決まってるだろ?」


 使い魔……? 何の為に?


「じゃあ魔人形ゴーレムは……」


魔人形ゴーレム魔人形ゴーレムだ。それくらいは知ってるだろ?」


 魔人形ゴーレムくらい知ってるけど、だから何の為に??


「使い魔と魔人形ゴーレムって……そんなのいったい何すんのさ?」


「何って、仲間にするんだよ!」


「仲間? マジで?」


「使い魔や魔人形ゴーレムなんて、そこそこ普通だろ?」


 いや、そうじゃなくてさ。

 

「でも、おっぱいが……」


「だーかーらー、だ。普乳はともかく必要なのは魔乳と超乳だぞ? そんなの簡単に探せるわけないだろ?」


 まあ、そうなんだけど……


「それなら、そういう奴を召喚したり、作った方が早いだろ」


 僕が思ってる使い魔とか魔人形ゴーレムと、微妙に違うような気がするんですが……

 ゾーイはいったい、何を召喚して、何を作ろうとしてるんだろうか?

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