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13話 ~レッツ・バス・タイム~ お風呂の時間、あるいはいわゆるサービス回


「わらわが無乳だと?!」

「オイラ、貧乳……だけど、ロッティよりマシ」


「解せぬ、解せぬぞ! 何故リエルが貧乳で、わらわが無乳なのだ!!」


 そんなことを言われても、判定してるのは魔剣だからね。


「ゾーイ! 魔剣が本当にそう言ったのか?」


「いや、魔剣の言葉はフィルにしか聞こえんよ。聞いたのはフィルだな」


「フィル! 答えろ、答えるのじゃ!!」


 僕に振らないでよね。

 だいたいゾーイが口を滑らせるから悪いんだよ。


「まあ、そうですね。確かにロッティが無乳、リエルが貧乳と……」


「むむぅ。こうなったらリエル、おっぱいを出せ! わらわに見せるのじゃ」


「嫌だよ……なんでこんなトコで……」


 ああ、もう……誰か止めてよ。

 アリスは食器を片付けて忙しそうだし、ヴァニラはほろ酔い気分で飲んでるし、やっぱりここはゾーイしか……


「ゾーイ、止めてよ。ゾーイ……?」


 何か考えてるようで、返事もしないな。

 なんだろう……悪い予感しかない。


「おい、アリス!」


「何でしょうか、ゾーイ様」


「ここの風呂は何人では入れるんだ?」


「確か余裕で10人は入れるはず」


「……そうか、それなら大丈夫だな」


 何が“大丈夫”なんだろうか?

 訳が分からないけど、嫌な気配はいっぱいだぞ。


「おい、二人とも! いや……全員だな」


 ロッティとリエルだけじゃなく、全員?


「これから全員で……風呂に入るぞ!」


 ……何で? どういうこと?


「そんなに魔剣の判定が不服なら、全員のおっぱいを見てみればいいだけだろ?」


 いや、まあ、それはそうだけど……


「“こんなトコ”が嫌なら、風呂なら問題ないだろ。幸い、全員入れる大きさらしいからな!」


 正論のような、そうでないような……

 まあ、誰か反論するよな。



「うむ、わらわはそれで構わんぞ」

「オイラも……それなら、いい」


 二人は、まあ……ね。


「ん? 風呂? みんなで入るのか? それもいいな♪」


 ヴァニラはいい感じに酔っていて、テンション高そうだ。

 残りはアリス。

 アリスだけが今日初めて会ったメンバーだから、さすがに断るよね。


「わたくしもですか?」


「もちろんだな」


「わたくしはそのような……そうですか、それではご一緒させて頂きます」

 

 ……断らないんだ。

 むしろ積極的な気もするのは気のせいだろうか?


 まあ、僕は関係ないからいいんだけど。


「じゃあ僕は、リビングでのんびり――」

「何言ってんだ、フィル。お前も入るんだよ・・・・・・・・


 はいぃぃぃ?

 何で? どうして? 意味がわからないよ……


「え、いや僕は男だし……」


「そんなの関係ないだろ! お前もパーティーの仲間、しかもリーダーなんだぞ」


 いや全然関係あるんですけど。


「そもそもおっぱい判定よりも、仲間としての親睦を深めるためにだな……」


 だからって、僕まで風呂で親睦を深めなくてもね……


「僕が良くてもみんなが困るんじゃないかな?」


「ん? そうなのか? オレは構わないけどなぁ」


「ゾーイが構わなくても、他のみんなが困るでしょ?」



「わたしは構わんぞ。仲間同士の親睦は大事だからな♪」


 酔ってるヴァニラに何言っても駄目だ。


「よし! フィルにも判定して貰うぞ!」

「望む……ところ、だ」


 いや、望まないでよ。

 判定なんてしないし……


「パーティー内の決まり事とあれば致し方ありません」


 そんな決まり事なんてないからね。


「みんな問題なさそうだが?」


「いや、でも……」


「いやも何もないだろ! リーダーなんだから仲間と交流を深めろよ!」


 だからそれは、風呂である必要はないのでは?


「それとも、パーティーを解散するか?」


「……入らせて頂きます」


 仕方ない、覚悟を決めよう……







 …………何だこれ?


 湯船には、すっぽんぽんのゾーイとヴァニラとアリス。

 洗い場には、同じくすっぽんぽんのロッティとリエル。

 当たり前だよね。

 お風呂なんだから……


 当たり前じゃないのは、ここに僕がいるって事だけだ。


「フィル、どうじゃ? わらわの方が大きいとは思わんか?」

「オイラの方が……大きい」


 貧乳と無乳を比べても、どっちもどっちなんですけどね。

 正確には“つるぺた”とまで魔剣に言われたロッティが、まさにその通りなおっぱいなんだけど。


 それより、堂々と見せるのはやめて欲しい。

 こっちが恥ずかしくなるからさ。


「ゾーイ様はやはり大きですね」

「そりゃなんたって、爆乳だからな♪」

「大きさの問題ではない! 私のは美しい乳、美乳だぞ!」

「そうですね。ヴァニラ様のおっぱいは、お美しいです」


 こっちはこっちで、何だかね、もう……


「あのう、ゾーイ。そろそろ上がってもいいかな?」


「何だ、フィル。お前、カラスの行水なんだな」


「え、ええ、まあそんなところです」


 別の意味で、のぼせそうだし。


「まあオレもそろそろ上がるけどな」

「私もだ」


なんでゾーイとヴァニラも上がるの?

 もっとゆっくりしててもいいのに。


「それでは、お飲み物を準備致しましょう。何が宜しいですか?」


 アリス、お前もか……


「オレは珈琲牛乳アイスカフェオレだな」

「私には麦酒ビールを」

「……じゃあ僕は、冷たいハーブティーで」


「かしこまりました。急いで準備致しますので、しばらくお待ちください」


 ああ、もう!

 素っ裸でお辞儀しなくてもいいし、巨乳を揺らして急がなくてもいいから……






「お待たせ致しました」


 すでに服を着終わってた僕に、アリスは冷たいハーブティーを差し出した。


 僕の隣では、素っ裸で首にタオルを掛け、腰に手を当てて珈琲牛乳アイスカフェオレを飲んているゾーイがいる。


「なぜか風呂上がりの珈琲牛乳アイスカフェオレを飲むときは、腰に手を当てちゃうんだよな!」


 分かるような気がするけど、裸のままである必要はないよね。


「くぅー! やっぱり風呂上がりの麦酒ビールは最高だな♪」


 真ん前では、同じく裸のまま麦酒ビールを飲むヴァニラ。

 それも裸の必要はないよ。


 それよりも……


「何でアリスも裸なのかな?」


「皆さんをお待たせするのが忍びなく、つい服を着るのを忘れておりました」


 うん、あるよね、そういう事。

 ……いや、無いから! 


 風呂場ではロッティとリエルが、まだおっぱいの大きさで揉めてるし……



 何なの、これ。

 これからあと5人増えるんですけど?


 そしたら、どうなるの?

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