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0話 ~プロローグ~ 物語の始まり、あるいは底辺冒険者の嘆き

 魔乳は祝福、超乳は希望、爆乳は力、巨乳は愛、豊乳は平和、美乳は栄光、微乳は勝利、貧乳は正義、無乳は自由である。


 出典:アンサイクロペディア‐おっぱい‐より

 http://ja.uncyclopedia.info/wiki/おっぱい






 なんでこんな事になったんだろう……


 ごく普通の底辺冒険者の少年、のはずだった。

 なのに何故、こんなところでこんなひとといっしょにいるんだろうか。

 本当なら、いつもの森でスライムをちまちま狩る毎日のはずだったんだ。



 スライムスレイヤーって知ってるかい?

 えっ? 竜退治専門家? 違う、それはドラゴンスレイヤーだ。

 僕が言ってるのはスライムスレイヤー、スライムを専門に退治する者……

 正確には“スライムしか倒せない奴スレイヤー”……そう最底辺冒険者の僕への蔑称だ。



 そんなスライム程度しか倒せない冒険者が、ドラゴンさえ使い魔にできる女魔道士といっしょに魔王討伐に出かけるとか何なんだ?

 しかも猫耳で!


 それもこれも原因は、全部僕の生まれ持った異質な能力のせいだったなんて……

 結局自分を恨むしかないのか。


 僕の、僕のささやかな日常を返して……






 僕の名前はフィル。

 片田舎の村で、冒険者として魔物退治をしている。

 魔物と言っても、ほとんどスライムばかりだけど……


 身長が低いうえに、童顔なせいで16歳には見えないのが今の悩みだ。

 周りの冒険者には陰で“冒険者ごっこをしてるガキんちょ”と言われているらしい。


 その前に“スライムしか倒せない奴スレイヤー”という屈辱的な称号も貰っている。

 悔しいけど本当の事だから仕方ない。

 魔法もダメ、力も剣技もない、Fランクの冒険者だけど、小さな憧れだった冒険者として頑張ってるだけで幸せなんだ!

 今も小さいけど。


 今日も通称“スライムの森”と言われている森に来ている。

 この森はスライムや低レベルの魔物しか住んでいない森で、本当は初心者の練習用みたいなところなんだけど、今の僕にはここが主戦場だ。


 だけど今日はなぜか迷ってしまった。

 そんなに広い森ではないはずなのに……


 あれっ?! 家?


 なんでこんなところに家が……?




これは、極めて普通、いや普通以下の底辺冒険者の少年が、猫耳の姿にさせられ、巨乳、美乳、貧乳といった全てのおっぱいをコンプリートして魔王討伐へと向かう、長くも果てしなくもない物語である。

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