出会い
とある昼下がり
私は長い旅を終え、ようやく京の都に辿りついていた。
やはり京は人が多い
「暑っいなぁ!」
そして暑い
日本人ではない(・・)私にとっては少々きついものがある
しかしここで傘を脱ぐ理由には行かない
この蒼い瞳が知られて、騒ぎになってしまう
というのに・・・
「ねぇねぇねぇ!そこのお侍さん、ちょっと待ってくださいよ!」
「いや、私は急いでいるので―――」
「いえ、ちょっとの間だけですから、顔貸してくださいよ!」
何なんだこの男は!
さっきからずっと着いて来て・・・
全てはついさっきに遡る
良くあるあれだ
浪人に茶屋の看板娘が絡まれていて、もう少しで連れて行かれる所だったんだ
そこをたまたま通りかかった私が助けた
以上!
そしてお礼もそこそこに立ち去ろうとした
ら、コイツに捕まってしまった次第
「ねぇねぇ!そこのお侍さん、ちょっとでいいからウチ来てくれません?」
「は?」
という具合に
そして今に至る
「僕沖田っていいます!お侍さんは?」
「・・・」
散れ!
「黙ってないでお名前くらい教えてくださいよ〜」
うるさい、散れ!!
そうしてそろそろ半々刻
いい加減鬱陶しい
何処まで着いてくるつもりだ
「あなたに名乗る名はない!」
「えー」
「えー、じゃない」
そう言って振り切ろうと、私は勢いよく振り返ると、何故かそこには沖田と名乗った男が先回りしており、そっと耳元に口を寄せてくると
「僕、あなたに興味あるんですよ。蒼い目のお侍さん」
そういった
「お前・・・」
バチン!
軽快な音が空高く響く
周りを歩いていた町民達が一斉にこちらを向いた
私が沖田の頬を思い切り叩いたからだ
すると、沖田はニヤリと笑ってこういった
「お兄さん、公務執行妨害って言葉知ってます?俺も一応そういう立場の人間なので、お兄さんには一緒に屯所に付いてきてもらいます」
「・・・」
コイツ、ハメやがった!?
これが私とコイツらの驚愕の出会いだった
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