悲しき夢の滅び
この物語はほぼ全てオリジナルです。
この物語は作者の誕生日記念に書きました。
ここは五百年程前のまだ魔法というものが使われていた所。
ある五人が若かった頃にあった。それはとても残酷で、悲しい事だった。
◇◆◇◆◇
旅をしている5人、この5人は5子だ。長女のアルカ、長男のソラ、次男のリク、次女のセンネ、三女のエレナ、アルカとセンネは魔法、エレナは槍を使う。ソラは剣、リクは弓を使う。
ある日の事、酒屋でいつものようにクエストを受ける。今回のクエストは。
大きな草が伸びている事で有名なウィリア湖に植物のような謎の生物が住み着いた。その生物を討伐してほしい。
依頼人は不明、討伐報酬は5万G、報酬は酒屋から受け取れるそうだ。
「明らかに怪しい、どうする?」
魔導書を沢山読んでいるアルカは5人の中で1番頭がいい。
「どうする?。」
リクがソラに顔を向けて言う。
「うーん、行くか。」
ソラは悩みに悩んで行くと言った。
「それじゃあ。マスター、依頼受けまーす!。」
アルカがマスターに言った。
移動を2日かけて、やっとウィリア湖に着いた。正確に言うと、ウィリア湖の少し前にある空洞。道中数体のウルフと会ったが魔法、槍、剣、弓であっという間に返り討ちにした。
「ふう、着いた着いた。」
最初にエレナが呟く。ここは声が響く事が無いので見つかる心配はない。
「明日に備えて寝てね。」
アルカが言う。
そして夜になり女子男子で見張りを交代しながら寝た、と思いきやリクだけずっと起きていた。何かを考えて時間を忘れているみたいだ。
朝になる。5人は準備万全で謎の生物に挑む。リクは目元を黒くしていた。そしてずっと下を向いて黙っている。
「リクお兄ちゃん大丈夫?。」
1番の心配がり屋のセンネが何度も問う。
「だから大丈夫だって。」
リクも眠たそうに何度も答える。
ウィリア湖の前に到着する。着いた瞬間からリクの様子がおかしい。ずっと下を向いて黙っている。
「…大丈夫じゃないじゃん、リク。はあ、センネ、リクの援護、お願い。」
アルカがセンネに言う。センネはとても嫌、と、首を横に振る。
「はあ、もういいわよ。怪物、出て来なさい!。」
アルカが思いっきり声を出す。
ウガアアアアアアアア!。
怪物が声をあげる。怒っているような声だ。その怪物の特徴は緑や黄緑の触手、口だけの頭だ。
最初に攻撃をしたのはソラ。体重を軽くして葉と葉を飛び移り怪物の上に行く。そして葉っぱの1番上に乗ってバク転し怪物の真ん中頭を斬る。斬った部分に大きな傷ができる。
続いて動くのはセンネ、ソラが飛び降りて来たのを魔法でジャンプさせてソラが右頭の下にある触手を斬るというコンビネーション、頭が落ちて来たのをセンネが火の魔法で灰にする。
そしてアルカが攻撃を始める。ソラが付けた傷にとにかく炎の魔法や岩の魔法で攻撃をする。エレナがちょっとした跳躍をしてアルカの魔法で大ジャンプする。やたらと攻撃をした傷に槍を突き刺す。そして槍を抜き真ん中頭はドスンと倒れた。
すると怪物がなにやらしている。数秒すると触手の先にキラリと光る物がある。それはアルカだけ理解した。
「あれって…卵⁉︎あんな物入れられたら死ぬじゃない!。」
アルカは1度魔導書で見た。中には人間の身体の中で卵を孵化させ孵化したらその人は死ぬと。アルカはその卵に攻撃をする。水の魔法だ。
だがすでに遅かった。怪物はセンネめがけて触手を振る。センネは1番足が遅い。それを見たリクはいそいで走りセンネをかばう。
かばう事には成功したがリクの頭に卵が埋め込まれてしまった。アルカが確認すると脳に付いてしまっていた。
「これは…脳じゃ助かりようがないわ…。」
ボチャーン!。
湖の中に何か入る音がする。どうやら怪物の残りの頭が湖に落ちたようだ。
「…ずっと嫌な予感がしてたんだ。」
リクは1番感が良い。占い師になれるのではないかという程だ。
「…酒屋に戻るのは…止めておきましょう。」
アルカが言う。
ここはちょっとした台地林近くの盆地。アルカがある事を言う。
「結果が分かった。その卵、あの怪物じゃないわ。ヨグ=ソトースっていう神話に出てくる邪神の卵、じゃなくて増やすためのカプセル。きっと脳に狙ったのね…。」
アルカが言うと、リクが言う。
「そっか…ちょっと行って来るね…。」
リクがどこかに行ってしまう。
「あと…数時間でカプセルの効果が出てリクは死ぬわよ。」
アルカが真剣な顔で言う。
「リクが望むのは…楽に、みんなを困らせないように死ぬだけ。」
ソラが呟く。
「なら…ここらにヨグ=ソトースを簡単殺すためのアイテムを、念の為転がしておいたわ。」
「なんで持とかないの?。」
「もうリクはヨグ=ソトースの魂に目覚めつつあるのよ。奪われたら大変なのよ。」
エレナが言うとアルカが答える。
「じゃあ、急いで集めるよ。」
ソラが言う。
「あア、ミンな、モう、ダめナンだネ。」
「アイテムは3つ。賢者の石、魔導師エイボンが書いたエイボンの書、全魔法が書かれた本。この3つよ。だけど偽物も転がしておいたから気を付けてね。」
アルカが説明する。
「賢者の石、あれかも!。」
センネが叫ぶ。確かに赤い石がある。偽物かもしれない。
「センネ、これは本物ね。」
見事当たった。
「サクサクだね。じゃあ、これは?」
ソラが持っていたのはエイボンの書。これも本物だ。
「うーん、あとは魔導書、これはちょっと遠くに置いたはずよ。」
数分歩いた所に魔導書があった。二つあるがちゃんと本物を見分ける事が出来た。
「これで全部ね。」
そして4人はリクを探す。
リクがいたのは台地林の少し離れた所にある小さな台地。
「ア、ミンナ。」
リクの声はもう普通ではなかった。
「リク…大丈夫、楽に死ねるわよ。」
「ウン、アリガトウ。ボクハミンナトイッショデヨカッタヨ。ソレジャア。サヨウナラ、ミンナ。」
リクの体が変形していく。そして、ヨグ=ソトースになってしまった。ヨグ=ソトースになる前、リクはにこりと微笑んだ。
「リク…賢者の石に宿る、精達!。最後の力を放て!。」
アルカが叫び、泣く。
剣には炎が宿り、槍には風が宿り、センネの魔法には水が宿る。
「リクの望みに掛けて!。」
「最後の望みに掛けて!。」
「永遠の望みに掛けて!。」
3人はそれぞれの攻撃を放つ。
アルカは…。
「望みは何もせずに死ぬ!全ての魔術!魔導師エイボンの魔術!この魔術を解き放ち悲しき者を幸せに!。」
リクというヨグ=ソトースは呻き声をあげて死んだ。
「さようなら…リク…。」
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これでこのお話はおしまい。そのあとからはリクは抜いて4人で生きて行った。きっと依頼を受けなきゃリクは助かったんだろうね。依頼人はヨグ=ソトースだったかもね。とても残酷で、悲しいお話でした。
あとがき
このお話はある日夢で見たのを少し変えて小説化した物です。リクは天国で幸せになれたのかな?それともヨグ=ソトースのままでどこかで生きてるのかな?その続きは見れませんでした。その他のアルカ、ソラ、センネ、エレナ。この4人はその後どうなったのでしょうね?