「魔法か、おもしろい」
おばあちゃん家なう!
ということでおばあちゃん家に着いた。おばあちゃんの家は角兎に襲われた場所から20分ぐらい歩いたところにあって、切り開かれた場所にあった。四方に石で出来た灯篭みたいな感じで積んであって、そこからおばあちゃんが魔法を使ったときみたいな不思議な光が立ち上っている。家自体は木で出来ていてログハウスみたいな感じだった。
家の中に入って、おばあちゃんは椅子に腰かけて俺にも座るように促した。
椅子、一個しかないじゃんおばあちゃん・・・
仕方なく、暖炉の前にある布の上に座ることにした。
「で?なんて言ったかな?お前さんの名前は?」
「あ、はい。眞道です、眞道 昂と言います。あ、名前が昂です。」
「あん?名字が前なのかい?変な名乗り方だねぇ。」
「すいません、故郷ではこれが普通だったので・・・」
「まぁ、いいや。あたしゃ、ウェリエールと言うしがない森の魔女さ。」
「ウェリールさんですね、この度は本当にありがとうございました。」
「別にいいよ、ただのまぐれさ。偶々あたしがあそこにいて、晩飯になりそうなのがあんたを襲っていたから助けただけさ。感謝したきゃ自分の運にでもしな。そんなことよりノボルは何であんなとこにいたんだい?気が付いたらとかいっとったろ?ありゃ、どういうことだい?」
ふむ、どう説明すべきか?小さな女の子にぶつかられて、トラックにひかれ、死んだと思ったら、森の中にいました。カオスだ、こんなことは説明できない。しかし、説明しろと言われているのも確かだ。町へは自力ではたどりつける気がしないし、ウェリエールさんに嘘をつくのも俺のミジンコみたいなプライドが許さんし、さてどうしようか?とりあえず、ここがなんなのか確認するか。
「あの、その、ものすごく聞きにくいんですがウェリエールさんは死んだ事ってありますか?」
ポカンと口をあけてこっちを見るウェリエールさん。
「お前さんは頭おかしいのかい?死んだら話せないだろう?大丈夫かい?」
頭の心配をされてしまった、泣きたい。しかし、これは重要なことなんだおばあちゃん!おばあちゃんにかわいそうな目で見られても、本気の心配をされようとも確認すべきことだったのだ! やめて!そんな目で見ないで!
「すいません、ちょっとした確認のつもりだったんです。実は俺、死んだはずだったんですけどあの場所で倒れてたんです。死ぬ瞬間には、何か大きいものに潰されそうだったはずですけど…」
嘘は言ってない、嘘はな!これは本当の事を全部言ってないだけなのだ!しかし、この一言におばあちゃんは何やら考え始める。
「…潜在魔力で無意識に想像魔法でも使ったのか?それとも……いや、しかし…」
ぶつぶつモードに入ってしまったウェリエールさんを見て勝手に納得してくれそうだと思いながらついでに言う。
「後、すいませんが色いろ記憶が飛んでるみたいで、さっきの動物?あの角兎とかもなんなのか分からなくって…」
「魔物の事も分からないのかい!?まいったね、さっさと事情を聴いて町にでも追い払おうかと思ったんだけどねぇ」
「それとさっきのウェリエールさんが使った不思議な力は何んですか?」
「魔法もか、こりゃ重症だねぇ。よし、ノボル!あんた、あたしの弟子になりな!記憶もないやつを町に放ったとなったら、流石に寝ざめも悪いし。せっかく助けたのに死なれちゃあたしの苦労はなんだったのかって話になっちまうよ!ヒェ ヒェ ヒエ!!」
「はぁ、俺としてもそれはありがたいんですけどいいんですか?」
「かまわないよ!どうせ老い先短い身だ、弟子の一人位どうってことないよ。それよか、お前さんにそこらで死なれちまう方がよっぽど迷惑だよ。」
こうして俺はウェリエールさんの弟子となった。
「所で、何を教えてもらえるんです?」
「何言ってんだい!あたしゃ、一般常識と魔法以外は教えられないよ」
デスヨネー、もちろん分かってましたよ。そこ!!本当に分かってたからな!決して剣とかも教えてもらえるかもって期待なんかしてなかったからな!本当だぞ!!嘘じゃないんだからな!!
閑話休題
「んじゃ、この世界の事から説明してやる…」
フムフム、ウェリエールさんは何が分からなくて何が分かるのかが分からないから全部を簡単に説明してくれた。一回しか言ってくれなかったけど、大体一回聴けば分かるだろう事だったので問題ないだろう。先ずこの異世界の名前「コーラル」という。この世界には神様がいるらしい(大声で「マジで!?」と言ってしまいすごくこわい顔で睨まれた、グスン)、神様はそう呼ばれてるだけで全知全能みたいなのはいないそうだ。
貨幣には単純に三種類あり 銅貨 銀貨 金貨 の順で大きくなる、その上にもあるが使わないだろうから省略された。ギルドと呼ばれる組織があり、そこには冒険者と呼ばれる存在がいること。獣人種、精霊人種(エルフ、ドワーフ等)、人間種等などがおりそれぞれの特徴などそして、魔法の事だ。
呪文魔法、精霊魔法、想像魔法、陣魔法の四種があるが、古代魔法など失われた魔法等も存在している
呪文魔法
呪文魔法は文字通り呪文を唱えて発動する魔法で、魔力、呪文、それに関する知識の三つを必要とする
この呪文がこんな効果を発揮しますよ~が分からなければ呪文を知っていても発動しないらしい。
これは結構面倒でひとえに火がつく魔法と言われても、熱量で火を起こしているのか、火そのものを使ってつけているのかなど結構難しい。割と一子相伝の呪文が多く新しい呪文を作る方法は失われたとされている。
精霊魔法
精霊にこれやって~、いいよ~みたいな感じで行われる魔法。
それぞれ精霊の好かれていたり、感じられたりしなければ難しすぎる魔法である。
精霊を感じられるのは人間種には500人に1人の割合で結構珍しいらし。
精霊は基本的に無色の存在だが起こしたい事象の魔力をわたして各種の属性に変えて使う
詠唱がないため即座に使えるが、魔力消耗が激しい等の面も存在している。
想像魔法
想像を現実に移す魔法で、これぞ魔法!の魔法形態である。想像を実像に置き換える超技術、その代わり魔力消費は尋常ではなく何人かの高名な魔法使いを集めて初めて魔力が足り、そのあとで想像を統一して実行可能なためほとんど廃れているとかなんとからしい。
陣魔法
古代文字の組み合わせによって効果が生まれる魔法で主に刻んで使われる。これにより彫刻師という専門の彫師がいる。物に刻むのが基本で刻まれた陣に魔力を通して使うらしい。
ウェリエールさんの家の周りにある石の灯篭みたいのは陣魔法で、魔物避けの効果と結界みたいなものらしい。
因みに、角兎を倒したのは呪文魔法でその名もファイヤーボールだとか。
この辺りまでざっと説明を受けると、ウェリエールさんは夕食を作るとの事で席を立って台所に向かった。俺も手伝おうかと思ったが、台所がかなりせまいのでおとなしく座っている事にした。
「まぁ、今日は特別だよ、明日はお前さんにも作ってもらうからな」
「は~い、なるべくおいしく作らせていただきます」
「ったく、食べられるものが出てくればいいけどねぇ」
元々、一人用の家らしい
しかし、魔法かこんな物に触れあえる日が来るとは考え深い。かなり奥が深いし中々一筋縄ではいかなそうだ。
「魔法か、おもしろい」
ヤバい!超眠い!すごく眠い!
皆さんこんにちは!雨傘です!
設定を乗せただけ~の簡単なお仕事です!
冒険にも出てません、これからしばらく修行回になります、冒険記だろって?すいません、冒険は結構後になってしまうかもですm(_ _)m
それではここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
そして、また逢う日まで~ノシ