閑話 お昼休みですよ
※この話は若干大人の表現があります。最大限ぼかしていますが、そういった表現が苦手な方は申し訳ありませんがお読みにならないほうがよろしいと思います。
「えーと、流希ちゃん…?」
譲は自身の置かれた状況に困惑しながらもおそるおそる自分の彼女を見上げて様子を窺う。
「おなかすいた」
流希はこともなげに言ってのけるが、傍から見ればこの状況は異常だった。
昼休みに中庭でお弁当を広げ―――――ずに一方が一方に芝生に押し倒されている光景。よく見れば押し倒しているのは女の方である。
「えーと、だからお弁当食べようよ。とりあえずそこをどいてくれると―――」
「譲が食べたい」
「なぬぇ!?」
思わず声が裏返った譲だが、よく聞けばその声色は少し高い。ぱっちりとした目と甘やかな顔つきは、上背が無ければかわいらしい女の子にも思えた。
「駄目?」
じっと真剣な目で見下ろす流希。切れ長の目。よく見れば美しい顔立ちだが、それは男性的なものに近い。制服のスカートが無ければイケメンと呼んでも差し支えない。
つまり二人は顔の見た目が、下手すれば中身までもが性別逆転のカップルだった。
「ねえ、譲」
痺れを切らしてきたのか流希が顔を曇らせて来た。
「流希ちゃん…」
しゅんとするその顔が、流希がたまにふっと見せる珍しい女の子らしい表情であるので、譲はこれに滅法弱い。
「ねえってば…」
譲は陥落した。だってかわいすぎる。
仕方なしに下からにかっと笑ってみせた。
「ちょっとだけだよ」
流希の顔がぱっとほころんだ。ああこれもかわいいな。
「…って、うむっ…」
互いの柔らかい唇同士が重なる。虚を突かれた譲は形勢を保とうとするが下という時点で分が悪い。
これはまずい。ちょ、たんま、りゅきちゃん?え、りゅきちゃん!?
「…っは…!」
長いような短いような時間の後に解放された譲は深く息を取る。
ぼうっと流希を見上げれば彼女は口の端を僅かに持ち上げて不敵に笑った。
あ、かっこいい。
そう思った瞬間第二撃に襲われた。
「ごちそうさま」
再び解放されたとき、譲はぼんやりする思考の中で頭上の流希のそんな声を聞いた。
ごめんなさい~~!!この二人が思いついたらどうしても書きたくなって年齢制限ギリギリで書いてしまいました…
過激なのはこの二人くらいなのでご安心(?)を。
では、また次話で。