8 王宮
マリエールは皇太子妃教育を受けている。元々公爵家の令嬢であり第一王子との婚約が整っていたマリエールには馴染が深い事だった。
8 王宮
マリエールは王宮で皇太子妃としての教育を受けていた。第一王妃に直接指導を受けている。元々公爵令嬢として厳しい教育を受けていたマリエールは問題なく皇太子妃教育を熟している。敢えて言えば、皇太子妃や王妃として独特の心構えについては今迄知らなかった事だが覚えるだけだ。5ヶ国語以上言語に堪能なマリエールには外交問題も巧みに熟せる。何しろ万能言語の能力があるのだ。マリエールが皇太子妃教育に関わって国政にもある程度関わるようになって国政の無駄、無理、不正を正したり、ロビン皇太子や王妃、国王に提言したりする。特に簿記の新しいあり方、複式簿記の導入は予算と決算の比較が容易くなり混乱はあったが歓迎された。
マリエールの前世の記憶は様々な所で発揮された。大きな物では
王宮の上下水道の完備である。役人を集め上下水道の説明をする。工事内容を説明して必要な物を示す。この世界では手に入らない物は魔法で作る。その量が多い。貯蔵庫を幾つも作って貯蔵する。王宮の近くの湖から水を引き浄水して利用する。下水は浄水して農業用水や工業用水に使う。上下水道には電気が必要なので電気施設も作る。公害対策も行う。王宮に限定するにせよ一大事業だ。
ロビン王子との訓練も欠かさない。魔力が増している事が判る。新しく王宮魔導騎士団長になった者が2人の教師に任命された。彼は詠唱による魔法を教えてくれた。詠唱により魔法が強化される事が判った。ロビン皇太子がやった事だ。詠唱によりより強い魔法が放て、魔法の種類も増えた。付与魔法についても習った。付与魔法で同時に幾つかの魔法が放て、他人にも魔法が付与出来る。他人への付与は数日しか持たないとも聞いた。試しにロビン皇太子にフライの付与魔法を施すとフライが出来た。フライしている間に魔法がなくなると危険なので毎日付与してフライの練習をすれば、半年くらいで身に付くらしい。魔獣を殲滅する魔法は先生も知らないそうだが、
「アイテムボックスがあるなら、収納力を高めるために生きたままの物を収納する訓練を続ける事が魔獣を殲滅する事に繋がるだろう。」
との事だった。再生可能な魔獣でも再生前ならば収納可能だろう。ただ仮死状態の魔獣を収納するには十分な収納力が必要だ。生きた物を収納して収納力を高める必要がある。今マリエールは豚ぐらいなら生きたまま収納出来る。せめてオークぐらいは生きたまま収納したい。
転生前のマリエールは博識だったようだ。様々なこの世界にはない知識が思い浮かんでくる。どんな人物だったか思い出せないが、この世界よりも随分進んだ世界だった事は判る。尽きない知識が湯水のように沸く。大量破壊兵器の知識まである。こんな知識は封印だ。一人の知識ではないような気がする。断片的だが、複数の人間の記憶らしい物がある。同時に死んだ者達の魂が異世界に転生してきた可能性はあるだろうか。それが一番納得しやすい。
マリエールには転生前の個人的な記憶がない。それなのに随分と博識だ。マリエールにはこれは個人の記憶ではない気がする。




