第6話 Girl2
-エリシア SIDE-
彼女の名はマリア・スカーレット
この城のメイド長だ。
こってこてのメイド服&うさ耳というなかなかな恰好が印象的な人で、(耳は最初小さかったミサを喜ばせるために付け始めたけど本人が気に入ってその後もつけている模様)
この城には執事が来たのと同時に就いて、最近はミサ専属のメイドになっている。
しかし彼女の一番の特徴は別にある。
ここで頭の処理が追い付いた執事がめちゃくちゃ慌てながら言った。
「いやーまじで助かった!ありがとう!」
「助かったじゃないわよ!妹様に傷でもついたらどうしてくれんの!?あ?」
めちゃくちゃ切れながら執事を怒鳴るメイド長。
そう、彼女の一番の特徴。それは、
執事とお互いめちゃくちゃため口なところである。
え?主人の前なのにありなん?って思うかもだけど、なんか使用人養成学校のころから仲が良かったみたい。
執事の話では、なんか川へ飛び込もうとした彼女をお父様(この国の王)が拾って来たっぽい。(よく見ると腕に無数のリスカ跡のようなものがあるあたりから、前は色々あったのだろう。)
そこから学校でめちゃくちゃ仲よくなったっぽい。
そんなこと言ってる間にも横で私語マシンガンが勃発している。
「あ、あの、メイド長。腕止めてくだっさって本当にありがとうございます。」
「いえいえ、主人を守るのは、使用人として当然の務めです。」
な~んて言いながら私に笑顔を向ける彼女だが、その裏には明らかに怒りの感情が悶々と湧き出ている。
「ひとまず、なぜこのようなことになったのかを説明してもらえませんか?」
そんなわけで、前話で起きたことを一から説明してみた。
「なるほど…。つまりバークさんの機械の故障が原因だと…。」
「そんな家の中で腕飛ばそうなんてふつう思わないし…。」
「いや、あんたのことならやりかねないでしょw」
「はぁー!?めっちゃ馬鹿にしてくるじゃん!」
「まあ、そんなことはいったん置いといて、」
ここで私たちは察した。彼女を中心に部屋の空気が変わったのを。
「まずはバークさんにお説教してこなければいけませんね…。」
そういいながらさっきむんむんの笑顔で玄関へ向かう彼女。
これ戦に行く雰囲気じゃん!!!!
「いやいやいや、お前絶対説教どころじゃ済まn…。」
メイド長を止めにいった執事だったが、片手一本で払い飛ばされ壁を貫通し撃沈。
あーバーク先生。安らかに。
そう思った時。
「マリアさん!!待ってください!いったん落ち着いて!!」
精一杯の声で呼び止めるミサ。
その声を聴いた瞬間、メイド長の殺気が一気に消えた。
「そうだった。妹様に傷はつかなかった。ここまでする必要はなかったじゃない。」
そうつぶやいたメイド長はこちらを振り返り一言。
「えーっと、お恥ずかしいところを見せてしまいすいませんでした。」
少し照れた表情でそう言った。
壁に突き刺さった執事を引っこ抜いた私たちは、今回の出来事を伝えに(問い詰めに)バーク先生の所へ向かった。
で、事情を説明した直後のバーク先生の発言がこちら。
「あー、あれかっこいいと思って付けたけど、暴発しちゃったか☆」
「ねえトワ?やっぱこいつしばいていい?」
「うん!いいよ!!♪」
気づけば目の前にはお説教を受けたバーク先生が泡を吹いて倒れていた。
「どうしましょう…。マニシア様の体を外してもらう前に気絶させてしまいましたわ~」
「いや、これマジでどうするよ?」
「とりあえず、みんなでバーク先生が起きるのを待ちましょう!」
そんな会話をしていたら、こちらへ走ってくる足音が聞こえてきた。
部屋の扉が開き入ってきたのは一人の少女。
「今すんごい音したけど、またなんかやらかしたん?」
果たしてこの少女は誰なのか!!
次回へ続く!!
(最近新キャラの登場頻度多いな…。)
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