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なまかつ♪  作者: NEMI a.k.a. タピオカ × 桐谷もどき
第1章 新生活
4/8

第3話 Grave robber 前編

-トワ SIDE-

そういえば、いまだに名乗るのを忘れていました。

私は、エリシアお嬢様の執事をしております、トワと申します。

先日の事件から3日が立ちました。

現在お嬢様は、首だけで転がるため懸命にリハビリを続けています。

リハビリは自分が思っているよりも難しいらしく、顔の筋肉をどうにかして動かすらしい。

(いまいちよくわかっていないが)

そんなこんなで、移動する際は私が持ち運んでいます。

さて、今日はお嬢様の体の埋葬日。

いくら首だけで生きているとはいえ、再度つなげることは不可能ですので、

いらなくなったといえば失礼ですが、埋葬することになりました。

さすがにお嬢様に自分の体が埋められるのを見せるわけにもいかないということで、私たちは城で待機中です。


埋葬が開始して3時間

この世界では地面を掘るのはすべて手作業で行われているため、少々時間がかかります。

そろそろ全部埋め終わるころかな?

「ねぇ、執事。」

城の本を読んでいたお嬢様が、とある本を読みながら私を呼んだ。

「ん?何です?お嬢様。」

「ちょっとこの本見てくれない?」

「ハーヌルン帝国のちょうど裏側にある、ウォアイという国の本を読んでいたら、面白そうな文化を見つけて…!」

そう言って、とある1ページに視線を移す。

「なんかこの国では、王族が死んだらその帰途の体を冷凍保存して保管して観光地にしてるらしいの!」

「まあ、そんな国もありますね。」

確かこの国って、結構治安悪かった気が…。なんか王が独裁政治をしてるだとか…。

「それでね!私思ったの!」

「またどうせろくでもないことじゃ…。」

次の瞬間、私の頭に嫌な予感が浮かんだ。

「まさかお嬢様…。自分の体を冷凍保存だなんて考えてませんよね?」

「さっすが執事~。察しがいいじゃ~ん♪」

「いやいやいや、待ってください!さすがにこんな趣味悪いことできませんよ!?」

「大丈夫よ。執事!私の場合は、冷凍保存じゃないわよ!ごってりホルマリン漬けよ!」

「もっと最悪じゃないですか!!??大体その遺体どうするんですか!」

「飾るのよ!」

「どこに!!??!?!?」

「私の部屋よ!」

「趣味悪っっ!!」

「あ、置く場所は寝室ね。首だけ切断された私の体を拝みながら寝るの…。最高だと思わない??」

「もはやキチガイ!」

「というわけで、遺体掘り返すように言ってきて。」

「いやいやいやいや!こんなに時間たったらもう無理ですよ!」

「大丈夫よ!なんたってまだ終わったって報告が来てない!」

「いや、それでも…。」

ピンポーン

「…。」

「…。」

その時、私たちはすべてを悟った。

玄関のチャイムが鳴った扉の先に待っているものを。

1歩ずつ足を進めると見えてくる、扉のガラスに待ち構える影

意を決して扉を開けると、扉を開けたそこには、一人の男性が立っていた。

彼は口を開き、こう言った。

「あっ、どうも~!!埋葬終わりましたよ♪」

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛

えー、マジか。どうしよ…。

さっきのお嬢様のこと伝えるか…?

いや、でもせっかく埋めてくれたのに、また掘り返すのはさすがに申し訳ない…。

でも、ここは、正直に言うか…。

「ありがとうございます!(あー、せっかく埋めてもらったところ申し訳ないのですが…。)」

ああああああああああ!良心が勝手に私をしゃべらせてくる!

ここは何とかして言い換えないと…。

「皆さんお疲れでしょう。後で紙コップで麦茶でもいかがです?(あの、先ほどお嬢様が…。)」

「おー!助かるねぇ!じゃ、あそこの墓の前で待ってますね!」

あ。終わった・・・・。

私には無理だぁ…。

このあと、作業者の皆さんと楽しくお茶した。


「執事!!!!!」

「ほんっっっっとうにすいません!」

「で、こうなった以上、やることは一つしかないわね」

「まさかお嬢様…。私に掘って来いと?」

「その通り!掘ってきて♪」

「えー…。は?いやいやいや、殺す気?」

「大丈夫!執事ならできる!ファイティン!」

「無理です!腕死にます!」

「やだやだやだ~とってきて~!」

「そんな暴れても無理なものは無理です!」

「ねぇ執事ぃ…。おねがい♡」

「そんな言い方去れてもいかないものはいか…。」

そう言いかけた時、突然目の前に強い光が輝き、私は思わず目をそらした。

しかし、どんどん理解してきた。

その光が、お嬢様の神々しいねだり顔から発せられているものだと。

うっすら涙を浮かべ、キラキラ宝石のように輝く目。

かわいらしくとがらせている唇

そして極めつけは…。

「ねぇ…。ダメ?♡」

グフッ

やけにかわいらしい声に、私は完敗した。

「…。わかりました。それでは、城の兵士なども集合させて掘り返しましょう…。」

「わーい!!やった~!」

こうして、お嬢様の死体掘り返し作戦が今夜決行されることとなった。


どうしてこうなった。

この度はお読みくださりありがとうございます!

↓X(旧TWITTER)にて、作中の裏話を公開しているので、ぜひそちらもご覧ください!

https://x.com/tapioka_4310/status/1799858320620270065


面白ければ、ブックマークや評価、ご感想お待ちしております。

次回もお楽しみください!

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