第1話 beginning of the end
※殺人描写があるため、グロが苦手な人はご注意ください。
ふと目を開いてみると、こんなにも空は青く綺麗だったのかと実感する。
地面に溜まる、噴水のように溢れった赤黒い血。
それらはまるでシンメトリーのように独特の美しさを輝かせている。
中歴2030年7月8日12時36分
私は暗殺された。
-エリシア SIDE-
話を進める前にまず、なぜ私がこのような状況にあるのかを説明しなければいけない。
私の名はエリシア・アクレアーヌ。ハーヌルン帝国国王の娘である、国王がここ最近死去し、今は私が国のトップとなっている。
今日は、軍隊の視察へ行くため、街を馬車で走行中だった。
ここまではいつもと変わらず順調だった…はずなのだけど、馬車が襲撃されるなんて誰が想像したことか。
いや、普通に考えておかしいでしょ!?私の護衛に手も触れずによけてきて剣で首切られるのよ?
一撃で首飛ばす剣とか今まで見たことないわよ?
そんなわけで、私は今血だまりの中ぶっ倒れてるわけ。
襲撃者に関しては何も抵抗せず押さえつけられてるし。私殺したからもう用はありませんってか?
ぶち殺すぞ
いけないいけない。少し取り乱してしまった。
そんな中私を上から覗き込み叫びかけている人物が一人。
私の執事である。
いつもあんなに落ち着いている執事がここまで取り乱しているのは初めてだ。
それもそうだろう。なんせご主人様が斬首され今まさに死のうとしているのだから。
執事から目をそらすように横に視線を移してみるとそこにあるのは首がなくなり横たわる私の胴体。
その断面からはチョロチョロと血が流れ、体全体を痙攣させている。
もともとリョナっ気がある私は、無様に足掻くその姿を
まるでをきらびやかに輝く宝石を鑑賞するように見とれ、その美しさに感嘆していた。
ドバドバあふれる快楽物質の影響もあるのだろうが、この状況すら楽しく感じる。
そうしているうちに脳にも限界が来たのか、気が遠くなってきた。
あとはこの心地よさに身を任せ、意識を失うその時を待つ。
そのときだ。突如執事は私の首だけを抱え、どこかへ全力疾走しだした。
どこへ向かうのかはわからない。その時にはすでにもう視界がかすんで私の命は数秒も持たない状態だった。
快楽、疑問、その他もろもろの感情に溺れながら、私は眠りについた。
この度はお読みくださりありがとうございます!
↓X(旧TWITTER)にて、作中の裏話を公開しているので、ぜひそちらもご覧ください!
https://twitter.com/tapioka_4310/status/1764363087900295221
面白ければ、ブックマークや評価、ご感想お待ちしております。
次回もお楽しみください!